アトレ亀戸/増床リニューアルで30代女性客取り込む、目標売上高130億円

2024年09月12日 16:50 / 店舗レポート

アトレは9月12日、東京都江東区の「アトレ亀戸」を増床リニューアルオープンした。

<施設外観>

今回のリニューアルでは、旧「LIV亀戸」を取得・解体し、新たに増築した棟を既存のアトレ亀戸につなげた。既存棟のテナントも一部入れ替え、新たに20店舗を新規導入。29店舗をリニューアルオープンし、計121店舗となる。1階は全面を食のフロアとし、バスロータリー側にも入口を設けたことで、バス・電車を利用する流動客を取り込む狙いだ。

改装コンセプトは「日常をちょっと上質により便利に」。亀戸居住者・亀戸駅周辺利用者をターゲットに、単身客の「クイック」「テークアウト」需要に応える。生活密着型をテーマに、さまざまな年代層に何度も来てもらえるようなテナント構成とした。リニューアル後の年間売上高は130億円を目指す。

<兼子課長>

今回のリニューアルについて、兼子智則 開発企画部 課長は「テナントリーシングで一番意識したものは『亀戸に欠落していたもの』だ。錦糸町にはあるが亀戸に無いものがいくつかあり、中でも女性が一人でも入れる飲食店を充実させた。生活インフラとしての機能強化も意識しており、銀行や郵便局を新たに誘致している。

リニューアル前は50~60代のお客様が多くいたが、1キロ圏内の居住人口を見ると30代が多く、30~40代を取り切れていないことが分かった。女性一人で気軽に利用するクイックなニーズは30~40代に多い。ここに応えて周辺の商業施設との差別化を図った。

亀戸店は2018年に過去最高の売上を記録したが、翌年以降はコロナで売上を落とした。だが、その間も商圏人口は増え続け、1Km圏内7万人とアトレ他店舗と比べても人数が多い。その人口に対して、当時の亀戸店の面積やスペック、回遊しにくさを見て投資が必要だと考えた。コロナ前の年間売上高が100億円程度だったが、今回のリニューアルで3割アップの130億円を目指す」と述べた。

<1階を食のフロアに全面改装>

館全体の回遊性を高めるため、既存館に階高を合わせた建物として接続した。1番の目玉は、バスロータリーのある駅前広場側をメインエントランスとして改装した1階だ。

デイリーに使える飲食店(丸亀製麺・一風堂)やグロサリー(カルディ)をフロア奥側に集めることで、中央部まで顧客を引き込み、フロア全体の回遊性アップにつなげている。王道かつ定番のスイーツも集積して手土産も充実させた。軽飲食・カフェテナント(ゴンチャなど)を亀戸駅コンコース側に置くことで足の速い流動客を捉え、館内に呼び込む。

<シェ・リュイ>

ベーカリー「シェ・リュイ」をコンコース側からバスロータリー側に移転した。バスの待ち時間に購入する利用者などに訴求する。期間限定でアトレ亀戸の公式キャラクター「カメレちゃん」とコラボしたパンを販売するほか、健康食品として注目を集めるビーツを使用したパンなども取り扱う。

<ぎんざ空也 空いろ>

銀座に店を構える老舗和菓子屋「空也」の五代目が立ち上げたブランド「空いろ」が新規オープン。同業態は「アトレ亀戸」と「エキュート品川」のみ。素材や餡へのこだわりはそのままに、若年層や海外の人など、餡に親しみのない人でも手に取りやすい餡のお菓子を提案する。亀戸限定の新商品として「あんこソフトクリーム」(税込540円)を用意した。

<ミニワン>

ドンクのミニクロワッサンブランド「ミニワン」も出店。亀戸店限定商品「小松菜と3種のチーズもち」(100g303円)を販売する。

<カルディ>

コーヒーや輸入食品などが充実している人気グロサリー店「カルディコーヒーファーム」も新規オープン。1階奥側に配置して顧客を引き込む。

<ギフトも充実>

手土産品も充実させ、周辺競合と差別化。流動客にとっての利便性を高める。

<AKOMEYA TOKYO>

2階にはライフスタイルショップ「AKOMEYA TOKYO」がオープン。日本食向けの食道具を中心に約1500品目ラインアップする。兼子課長は「これまでのアトレ亀戸に無い感度の高い店舗であることに加え、若い方にも使って頂けるテナントとして誘致した」と話す。

<coca>

アパレルはリニューアル前と比べて店数は減ったものの、総面積ではそこまで変わらないという。新規テナントとして「coca」が出店した。

<郵便局>

5階には「亀戸駅前郵便局」「三井住友銀行」が17日に新規オープン。暮らしに直結するサービス面も強化していく。

<かっぱ寿司>

6階には、今回の増床を機に、大型飲食店として「かっぱ寿司」を導入した。兼子課長は「回転寿司の導入は我々にとっての念願。オールターゲットを獲得できる業態だ。ある程度の面積が必要なため、今までできなかった」と説明している。

<CLINIC UP>

このほか、7階に美容クリニック、8階に内科・小児科・内視鏡センターを新規オープンする。

■アトレ亀戸
所在地:東京都江東区亀戸5-1-1
営業時間:ショッピング/10時~21時、レストラン/11時~22時
階数:地下1階、地上8階
延床面積:約3万6000m2
店舗数:121店舗

取材・執筆 古川勝平

■アトレの関連記事
アトレ吉祥寺/開業以来初のリニューアルで新規・改装16店舗オープン

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

店舗レポート 最新記事

一覧

新店舗オープンに関する最新ニュース

一覧

リニューアルに関する最新ニュース

一覧

商業施設に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧