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大手百貨店/8月J.フロントリテイリングのみ減、4社増

2019年09月02日 15:00 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は9月2日、8月の売上速報を発表した。

<百貨店イメージカット>
百貨店イメージカット

三越伊勢丹5.5%増、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)0.5%減、エイチ・ツー・オー(阪急阪神百貨店)2.9%増、高島屋3.8%増、そごう・西武3.0%増だった。

気温の上昇とともにすぐ使用できる盛夏物が伸長し、高級ブランドも依然好調を継続した。

■三越伊勢丹(2019年3月期売上高:1兆1968億円)
伊勢丹新宿本店店頭1.5%増、三越日本橋本店店頭10.5%増、三越銀座店1.1%増などで、三越伊勢丹合計5.5%増だった。

札幌丸井今井2.2%減、名古屋三越3.3%増、岩田屋三越4.4%減など、国内グループ百貨店は1.1%減となり、国内百貨店合計は2.7%増となった。

大都市圏の店舗では時計・ラグジュアリーブランドのハンドバッグ等の高額品が堅調に推移。首都圏各店舗が好調だったこともあり、三越伊勢丹、国内百貨店計共に5カ月ぶりに前年売上実績を上回った。

首都圏の基幹店では、気温の上昇とともにすぐ使用できる盛夏物が伸長したことに加え、お盆期間前後の手土産需要として洋菓子なども好調だった。各店舗で、リフレッシュオープンしたゾーンを中心に高額品が実績を牽引した。

免税売上は、客単価が先月に比べて伸長し、三越銀座店や三越日本橋本店などの店舗では前年実績を上回るものの、全店ベースでは買上客数が落ち込み、国内百貨店計では前年実績を下回っている。

■J.フロントリテイリング(2019年2月期売上高:1兆1251億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は前年同月比0.5%減、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は0.3%減となった。

8月度の百貨店事業の売上高は、美術宝飾品、化粧品、ラグジュアリーブランドが好調に売上を伸ばしたほか、紳士服飾も堅調に推移したものの、台風10号により一部店舗が休業となるなどのマイナス影響が大きかったことに加え、婦人ファッション、食品も苦戦した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は2%減(客数5%減、客単価3%増)となった。

店舗別では、心斎橋店が7カ月連続で前年実績を上回るなど、直営5店舗と博多大丸、高知大丸が前年実績を上回っている。

■H2O(2019年3月期売上高:9368億円)
百貨店事業の全社計の売上高は2.9%増となった。内訳は阪急本店7.3%増、阪神梅田本店3.9%減、支店計1.9%減。

台風10号による閉店繰上げ等の売上高に対する影響度は、月合計売上高に対し、1.5%減、土曜日1日増の売上高における影響度は、1.0%増とみている。

梅雨明けから猛暑が続き、パラソル、サンダルサングラス、ワンピースなど盛夏商材が好調に推移するとともに、海外ブランド秋冬の新作も活発で、プロパー商品が好調だった。

インバウンドは、韓国人観光客が大幅減も、売上シェアの高い中国人観光客の売上が好調に推移し、堅調。結果、台風の影響をカバーし、月トータルは3%増と7カ月連続で前年実績をクリアしている。

阪急本店は、国内需要において、海外ブランドを中心に秋冬ファッションが活発に動き好調。インバウンドも順調な動きを見せている。

パラソル(18%増)やサングラス(25%増)などの夏物も好調に推移。全館連動のスヌーピーコラボレーションイベント「ピーナッツGYM sports&wellness」(8月14~27日)も好調で集客に大きく寄与した。

100万円以上の高額品(47%増)は、海外ブランド、ジュエリー、時計など高単価の商材が動き好調だった。

インバウンド(6%増)は、韓国からの観光客は大幅減も、売上シェアの高い中国からの観光客を中心に、海外ブランドのバッグが牽引した一般品(7%増)、化粧品、食品など消耗品(3%増)ともに順調に推移した。

阪急メンズ大阪は、インターファッション(17%増)を中心にTシャツなどのカジュアル衣料が人気で、好調継続している。

阪神梅田本店は、第1期棟オープン(昨年6月)景気が昨年8月まで続き、前年割れとなるも、ターゲットとしている30~40代の女性客は引き続き増加傾向にあるという。

支店は12店舗中4店舗が前年実績をクリアした。

■高島屋(2019年2月期売上高:9128億円)
高島屋単体13店の売上高は3.8%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は3.8%増となった。

8月度の店頭売上は、ラグジュアリーブランドや宝飾品を中心とした高額品売上が引き続き伸長したことに加え、日本橋店における前年の改装工事の反動や、前年に比べ土曜日・休日が多かったことなどにより、前年実績を上回った。

免税売上は前年比9.2%減だった。

店舗別売上は、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店の大型5店全てが前年を上回った。地方郊外店では玉川店、大宮店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年比プラスとなっている。

立川店・堺店は前年同月比で売場面積が縮小。日本橋店も、昨年9月からレストラン街の運営を東神開発に移管したため、百貨店としての売場面積が縮小している。

商品別売上(同社分類による17店舗ベース)は、紳士服・紳士雑貨・婦人服・特選衣料雑貨・宝飾品・子供情報ホビー・リビングなどが前年比プラス。一方で、婦人雑貨・食料品などは前年に届かなかった。

■そごう・西武(2019年2月期売上高:6152億円)
そごう・西武15店の売上高は3.0%増、西武池袋本店は4.3%増となった。

8月売上は既存15店計で前年比3.0%増と、台風による休業影響を受けながらも、3か月ぶりに前年を上回っている。

美術が牽引した高級雑貨は、前月に続き前年2ケタ伸長。プレステージブランドも依然好調を継続した。

婦人服、婦人雑貨、紳士服も、長く使える定番品を中心に秋物が動きだし、前年水準にまで回復している。

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