コンビニ/10月既存店セブン1.0%減、ファミマ2.7%増、ローソン1.5%増
2021年11月10日 15:30 / 月次
コンビニエンスストア各社が発表した10月の営業実績によると、既存店売上高の前年同月比は、セブン-イレブン1.0%減となった。一方で、ファミリーマート2.7%増、ローソン1.5%増、ミニストップ0.7%増と明暗が分かれた。
■セブン-イレブン(2021年2月期:チェーン全店売上高4兆8706億円)
既存店売上高は、前年同月比1.0%減、客数2.3%減、客単価1.3%増となった。
チェーン全店売上高0.2%増、店舗数は2万1215店だった。
10月度は、全ての都道府県において緊急事態措置及びまん延防止等重点措置が終了となり、徐々に人の動きの回復が見られた一方、テレワークの定着、観光の需要を喚起する経済政策による行楽需要があった昨年と比較すると、客数、既存店売上は前年を下回った。
客単価については、継続した家飲み需要によるまとめ買いやワンストップショッピングの傾向が続いていることから、前年を上回った。
アイスクリームは、「おうち時間に手軽に味わえるスイーツ」として、素材にこだわったアイスクリームを中心に販売が伸長。特に SNSなどで話題となった「セブンプレミアム 生チョコアイス」、新商品の「セブンプレミアム モンブランアイス」が売上をけん引した。
酒類は、家飲み需要が継続しており、ワインやリキュールの販売が継続して好調。また、ビールにおいては、大手メーカーの新商品や、地域ごとに展開しているクラフトビールが上乗せになり、カテゴリー全体の売り上げを押し上げたという。
「チーズ好きのためのポンデケージョ 3個入り」や「味わいシュガースコーン 3個入り」といった食卓ニーズに対応した複数個入りのパンの販売が好調。月末には割引キャンペーンを実施したことも功を奏した。
■ファミリーマート(2021年2月期:チェーン全店売上高2兆7643億円)
既存店日商は2.7%増、客数0.6%減、客単価3.3%増。全店売上高3.9%減となった。
店舗数は単体では、出店11店、閉店40店、純減29店、合計1万5693店だった。エリアフランチャイズは、沖縄329店、南九州387店、JR九州リテール205店、合計921店で、国内合計1万6614店となった。
10月18日から展開を開始した新プライベートブランド「ファミマル」の商品投入に加え、気温の低下にあわせた迅速な品ぞろえの強化により、調理麺やフライヤーを中心に中食が継続して好調に推移し、日商の既存比は2.7%増と10月も引き続き前年を上回った。
今年度は、日商が3月以降好調に推移しており、上期実績で前年を上回っただけでなく、下期に入っての足元の日商でも好調を維持している。緊急事態宣言の解除によって、人流も緩やかに回復しており、前月対比で来店客数も増加傾向にある。
商品面では、調理麺は、気温の低下に合わせた温かい麺の品ぞろえ強化や商品リニューアルによって、温かい麺を中心に調理麺の売上が伸長し、前年を大きく上回る実績となった。
また、フライヤーは「ファミチキ15周年キャンペーン」や人気商品である「クリスピーチキン ハバネロホット」の販売再開により売上が好調に推移し、前年を大きく上回ったという。
■ローソン(2021年2月期:チェーン全店売上高2兆3497億円)
既存店売上高1.5%増、客数1.3%減、客単価2.9%増。全店売上高3.7%増。
店舗数はグループで、出店27店、閉店19店となり、総店舗数は1万4680店となった。
10月度は、品ぞろえ強化をしている5つのカテゴリー、生鮮品・冷凍食品・日配食品・常温和洋菓子・酒類は、日常使いの需要取り込みにより、引き続き売上が伸長した。
店内調理サービス「まちかど厨房」は、地域ごとのニーズに合わせたご当地丼弁当、定番商品の「三元豚の厚切りロースカツサンド」などが好調に推移。調理麺は、全国各地の人気店が監修したラーメンのシリーズ、食べやすいお手軽サイズの「ちょい麺」シリーズが販売をけん引している。10月26日に発売した新フライドチキン「パリチキ」は、発売開始から5日で累計販売数300万個を突破している。デザートは、9月末に発売した「生ガトーショコラ」の累計販売数が700万個を超え、引き続き好調だった。
玩具は、人気アニメ作品「鬼滅の刃」の関連商品が売上に寄与。販促施策として「鬼滅の刃」スマホくじ(10月13日~11月1日)ほかを実施した。
なお、たばこは既存店売上高前年比を1.5%程度押し上げる要因となったという。
■ミニストップ(2021年2月期:チェーン全店売上高2909億円)
既存店1店1日当たり平均売上高は0.7%増、客数2.5%減、客単価3.3%増となった。全店売上高は0.2%減だった。
店舗数は、出店1店、閉店0店で、期末店舗数は1971店となった。
10月は、気温低下に伴う嗜好の変化に合わせて、弁当を中心とした日配品の品ぞろえ強化を進めた。また、「ソフトクリーム」「やみつキッチン」を冠した菓子などのオリジナル商品を発売し、客単価の向上を図った。
コンビニエンス部門については、人気の「駅弁風弁当」「ずっしり極!」シリーズ、「チャーシュー弁当」の販売が好調に推移し、常温弁当の売上が前年同月の実績を上回っている。
また、家飲み浸透の影響を受け、酒類の売上が前年同月の実績を上回った。店内加工ファストフード部門については、人気商品のクランキーチキンより発売した「ビッグクランキーチキン」「クランキーチキンホットチリ」が好調に推移したチキン、店内調理惣菜の売上が前年同月の実績を上回ったという。
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