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大手百貨店/6月売上高は免税好調で三越伊勢丹14.3%増、J.フロント13.4%増

2023年07月03日 19:20 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は7月3日、6月の売上速報を発表した。

<三越日本橋本店では宝飾・ハンドバッグが特に好調>
三越日本橋本店

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比14.3%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)13.4%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)12.7%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)5.6%増、そごう・西武10店計7.4%増だった。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 14.3%増
J.フロントリテイリング 13.4%増
H2Oリテイリング 12.7%増
高島屋 5.6%増
そごう・西武 7.4%増

好調さが継続しているラグジュアリーブランドに加え、外出需要が増え、夏物衣料・服飾雑貨も売り上げ増に貢献している。

■三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比15.7%増、三越日本橋本店店頭4.5%増、三越銀座店37.2%増などで、三越伊勢丹計14.3%増だった。

札幌丸井三越12.1%増、仙台三越3.7%増、静岡伊勢丹2.2%減、名古屋三越12.2%増、広島三越2.9%減、高松三越2.3%減など、国内グループ百貨店計は6.2%増となり、国内百貨店計は11.2%増となっている。

両本店を中心とした高付加価値商品の売上が、引き続きけん引している。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、宝飾・ハンドバッグが特に好調だという。

外出需要の増加で、夏物衣料、服飾雑貨も販売が増加している。

免税売上はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などの好調さが継続し、東京・札幌・福岡の店舗を中心に伸び、国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えた。

■J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比13.4%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は13.4%増だった。

6月度の売上高は、ラグジュアリーブランド、化粧品の売上がいずれも対前年3割増となり、大きく牽引した。また婦人服ではワンピース、ジャケットなどが2桁増となり、旅行用品やアウトドア用品も好調に売上を伸ばしている。

店舗別では、15店舗中10店舗が前年実績を上回った。入店客数が大きく回復している東京店は対前年2割超、ラグジュアリーブランドが好調な心斎橋店は、同3割を超える伸び率だったという。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年556.4%増(客数3046.9%増、客単価79.1%減)。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比12.7%増となった。内訳は阪急本店17.0%増、阪神梅田本店6.8%増、支店計8.6%増。

関西地方は例年より1週間程度早く梅雨入りし、また6月に入り台風の影響もあったものの、都心店を中心に来店客数は順調に推移した。

売上高前年比は引き続き2桁増と好調で、都心店が前年比17%増と牽引している。売上高の2018年対比は、大阪北部地震の影響の反動もあり12%増、インバウンドを除く国内売上高対比8%増とともに今月もコロナ前の水準を上回った。中でも阪急本店は、2018年対比28%増(同国内売上高対比21%増)と大きな伸びを示している。

免税売上高は、引き続き好調な韓国・台湾・香港からの顧客に加え、中国からの来店客の売上高の回復が大きく、単月として過去最高を更新した。

阪急本店では、6カ月連続で過去最高売上高を更新(同月対比)している。化粧品も含めた婦人ファッション全般の売上高が前年比2桁増と活況で、ラグジュアリーファッション、アクセサリー、バッグ、化粧品などの売上高は前年の2割以上増加している。

中でも宝飾品は前年の7割増と高伸。盛夏に向けたドレス、ブラウス、パラソル、帽子、サンダルが好調だった。

父の日は、和洋酒の売上が前年の1割以上増加し好調な結果。また紳士洋品では、外出機会の増加を背景に旅先などで使えるアイテムが人気で、特にカジュアルバッグの売上は前年の倍以上と大きく伸長している。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の3割増と好調に推移した。

■高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は8.2%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は5.6%増だった。

6月度の売上高は、免税売上高の増加により好調だった。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、玉川店、高崎店が前年実績を上回っている。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、食料品、食堂が前年実績を越えている。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は前年同月比7.4%増(2019年同月比9.3%減)、西武池袋本店は11.3%増(同3.3%減)となった。

6月は、高額商材領域は、依然好調を継続し、プレステージブランド(前比約20%増/2019年比約70%増)、呉服高級雑貨(前比約15%増/2019年比約5%減)だった。

外出機会の増加でブラウス、ワンピースなどきちんと見える盛夏スタイルなどが活発化し、衣料品計は前比約10%増、2019年比5%減となった。

ハレの日需要で和洋菓子・惣菜が好調。食品前比約5%増、2019年比約5%減。

免税利用売上・客数も復調傾向で、売上前比約4倍、2019年比約40%減。客数前比約14倍強、2019年比約20%減だった。

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