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大手百貨店/1月売上高5社そろって増、インバウンド・高額品が好調

2024年02月01日 16:37 / 月次

三越伊勢丹ホールディングスJ.フロントリテイリングエイチ・ツー・オーリテイリング高島屋、そごう・西武は2月1日、1月の売り上げ速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 12.6%増
J.フロントリテイリング 11.7%増
H2Oリテイリング 16.2%増
高島屋 8.8%増
そごう・西武 0.2%増

三越伊勢丹前年同月比12.6%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)11.7%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)16.2%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)8.8%増、そごう・西武10店計0.2%増だった。

各社ともに、高額品、インバウンド、食品、コスメなどが好調に推移している。

三越伊勢丹HD(2023年3月期売上高:4874億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比12.7%増、三越日本橋本店店頭10.6%増、三越銀座店24.0%増などで、三越伊勢丹計12.6%増だった。

札幌丸井三越9.7%増、仙台三越0.6%減、新潟三越伊勢丹6.7%減、名古屋三越10.5%増、松山三越6.8%減など、国内グループ百貨店計は8.2%増となり、国内百貨店計は10.9%増となっている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に、引き続き高付加価値商品の売り上げがけん引した。

両本店・三越銀座店の3店舗は、7カ月連続で2018年度を上回る実績で推移している。

1月は例年と比較して気温が高く、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心にジャケット、ブルゾンなどの春物アウターが好調に推移した。また、先月までと同様にハンドバッグや財布などの革小物、 化粧品の売り上げも大きく伸びている。

また、各店で実施した独自性の高いイベントも集客につながり、売り上げを押し上げた。

免税売り上げは12月と比較すると落ち着いたものの、引き続き高水準を維持。全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや財布、宝飾・時計、化粧品(香水・スキンケア)など高付加価値商品への関心が高いという。

J.フロントリテイリング(2023年2月期総額売上高:9987億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比11.4%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は11.7%増だった。

1月度の売上高は、ラグジュアリーブランドや化粧品の売り上げが大きく伸びた。婦人服のニット、ジャケットなど定価商品が好調に推移した。

店舗別では、15店舗中11店舗が前年実績を上回っている。心斎橋店、札幌店は、訪日外国人売り上げの好調などにより、対前年同月比3割超の増加。博多大丸、京都店、神戸店が2けた増となっている。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、対前年163.7%増(客数153.0%増、客単価4.2%増)。

エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2023年3月期売上高:6280億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比16.2%増となった。内訳は阪急本店20.2%増、阪神梅田本店18.4%増、支店計10.1%増。

1月は、各店ともおおむね堅調な初売りだった。中でも、前年に阪神タイガース関連の大規模セールもあり、建て替えに対する生活者の認知度が向上した阪神梅田本店や、全館リニューアルが完了した神戸阪急などは売上高前年対比が2けた増での滑り出しとなった。

阪急本店では、初売りは2日・3日の累計来店客数、売上高はともに前年並みだったが、日を追うごとに来店客数、売上高とも前年を大きく上回る推移となり、1月として過去最高の売上高を更新した。

婦人ファッション全般が好調で、売上高の前年対比は2ケタの伸びを示した。冬のクリアランスは2日から開始したが、セールよりも定価商材の売上高が大きく伸長しており、インバウンドの売り上げも押し上げた。中でも、アクセサリー、バッグ、化粧品、インターナショナルファッション、宝飾品の店頭売上高は前年に対し3割増を上回った。

11日から17日の7日間、恒例の石川県の物産催事を実施。元日の能登半島地震の影響も鑑み、開催について出店者の意向を尊重し決定。支援金募金実施のほか、催し売上高の一部を義援金として県へ寄付する。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の1.3倍と高い伸びを見せた。

高島屋(2023年2月期営業収益:4434億円)
高島屋国内百貨店既存店計は10.9%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は8.8%増だった。

1月度の売上高において、国内顧客は、中旬以降、寒暖差に対応できる汎用(はんよう)性の高いジャケットやニットなどの春物に動きが見られた。また、インバウンドは、引き続きラグジュアリーブランドを中心とする高額品が堅調だった。

免税売上高は前年同月比105.0%増、2019年同月比71.7%増となった。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、柏店、岡山店、岐阜店、高崎店が前年を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、食料品、サービスが前年実績を超えている。

■そごう・西武(2023年2月期営業収益:1854億円)
そごう・西武10店の既存店売上高は0.2%増、西武池袋本店は2.9%増となっている。

1月は、スキンケア・メーキャップ商品がともに好調。化粧品は11%増。婦人雑貨全体でも、2%増と前年を上回った。

暖冬で防寒着が伸び悩み、婦人服9%減、紳士スポーツ6%減。プレステージブランドは5%増となっている。

集い需要で食品は、4%増だった。

免税利用売り上げ・客数も増加継続し、売り上げ70%増、客数90%増となっている。

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