スターバックス/国立に手話が共通言語「サイニング ストア」国内初出店
2020年06月24日 15:30 / 店舗
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スターバックス コーヒー ジャパンは6月27日、東京都国立市に聴覚に障がいのあるパートナー(従業員)を中心に、主なコミュニケーション手段として手話を使用し、運営する「スターバックス コーヒーnonowa国立店」をオープンする。6月24日、オンラインで報道陣に同店を公開した。
同店舗は、聴者と聴覚に障がいのあるパートナーが共に働き、多様な人々が自分らしく過ごし活躍できる居場所の実現を目指した、スターバックスのダイバーシティ&インクルージョンを象徴する、世界5店舗目の中心に手話を主なコミュニケーションツールとして使用し運営する「サイニングストア」となるもの。
サイニングストアは現在マレーシアに2店舗、米国に1店舗、中国に1店舗あり、これらの店舗からの経験も取り入れている。日本での導入は、聴覚に障がいのあるパートナーからの「自分たちでお店をやってみたい」という声などから、オープンにつながった。
同社広報によると、「国立市はダイバーシティ&インクルージョンをテーマにまちづくりを進めており、付近にはろう学校もあることから、ろう文化に関して理解のある地域であると考えたため、同市に出店を決めた。当社は障がいに限らず、性別、人種、価値観の違いなどを超えて自分らしく生きられ、活躍できる社会を目指す『NO FILTER』を目指しており、その理念を実現した店舗」だという。
同店のスタッフは25人、そのうち聴覚者6人、聴覚障がい者19人となる。
同店では店内の随所に手話の世界に楽しく触れられる工夫を凝らした。
商品の受け取り場所にはデジタルサイネージを設置。商品の提供時は手話での案内とともに、顧客のレシートに印字された番号をデジタルサイネージに表示する。どの順番でドリンクが作成されているのかを知らせることで、商品の受け取りまで安心して待てるようにした。
また、デジタルサイネージには商品番号だけではなく、挨拶などでよく使う手話が表示され、商品の出来上がりを待つ間も手話の世界を楽しめる。
手話だけでなく、複数の方法の注文が可能。注文の商品、希望をタブレットに向かって話し、それが文字で表示され、パートナーへと伝わる音声入力システム、指差しで商品選びからカスタマイズまで注文できるメニューシート、筆談具などのツールも用意した。
また、コーヒーのドリップ時間などを時計の振動で確認する「シルウォッチ」など音声に頼らないツールも導入した。
STARBUCKSを指文字(ASL:American Sign Language)で表現したサインをデザインしたエプロン、門秀彦氏の手話をモチーフにしたアートなど「サイニングストア」ならではのデザインを採用した。
<STARBUCKSを指文字で表現したサインをデザインしたエプロン>
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面は持ち帰りのみの営業とした。そのほかに感染予防策として、混雑を避けるため、当面の間、来店の際には、整理券が必要となる。店頭の発券機もしくは、WEBで発行する。
日本のスターバックス店舗は2020年3月末時点で1553店、パートナー(スタッフ)数は約4万人、そのうち障がいを持つ人は365人、聴覚障がい者は65人となっている。
■スターバックス コーヒー nonowa国立店
住所:東京都国立市北1-14-1 nonowa国立
営業時間:7時~22時※6月27日のみ10時オープン
定休日:不定休
TEL:042-505-9223
店舗面積:207.96m2
席数:83席
整理券発行ページ
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