中川政七商店/奈良市に同社初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」

2021年02月12日 17:20 / 店舗

1716年創業の奈良の老舗・中川政七商店は2月12日、同社初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」を奈良市元林院町(ならまちエリア)に4月14日オープンすると発表した。

<鹿猿狐ビルヂング>
鹿猿狐ビルヂング

施設内には創業の地に満を持して構える旗艦店「中川政七商店 奈良本店」、ミシュラン一つ星掲載店「sio」による新業態「きつね」、関西初出店のスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、最上階には興福寺の五重塔を望むコワーキングスペースを展開する。

中川政七商店の鹿、猿田彦珈琲の猿、きつねの狐。3匹が集うこの建物を「鹿猿狐ビルヂング」と名付けた。

建築デザインは日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏が手掛けた。開放的なガラス窓と周囲の街並みを活かした瓦屋根が特長の建物の中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古きよき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間となっている。

2月12日行われた記者会見で、中川政七商店の千石あや社長は「工芸の復活には、モノ作りだけでなく、街づくりも不可欠。100年先も工芸が残るよう、新たな拠点から盛り上げていきたい」と意気込みを語った。

中川政七会長は、「志ある人に、ここでしかできないビジネスを支援するのが私たちにできることだと思っている。起業した人に、本業以外のシステム、経理、事務までサポートしている。スモールビジネスが成り立つよう、こつこつ積み上げていくことが、奈良という街を作っていくことだと思っている」と話している。

<「猿田彦珈琲」関西初出店>
猿田彦珈琲

1階は、ならまち散策の途中に一息つける関西初出店のスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、「ミシュランガイド東京2020」一つ星のシェフ鳥羽周作氏による関西初出店のすき焼きメインのコースを楽しめる「きつね」がオープンする。

<すき焼きメインのコースを楽しめる「きつね」>
すき焼きメインのコースを楽しめる「きつね」

1・2階には、「中川政七商店 奈良本店」として、創業の地に満を持して構える旗艦店が登場する。伝統工芸品、現代作家の作品、SPAで送り出しているいまの暮らしに寄り添う暮らしの道具がそろう。

<中川政七商店の歴史も学べる>
中川政七商店

1階では、同店でしか購入できない限定品をはじめ、奈良を代表する食品やモチーフなど、奈良を訪れる記念となるような商品を扱う。

<同店でしか購入できない限定品>
同店でしか購入できない限定品

また、2階は日本の工芸をベースにした生活雑貨の数々に加え、平安時代から受け継がれる「一刀彫」、日本の筆の発祥である「奈良筆」など奈良の伝統工芸品に出会えるスペース、ならまちを眺めながら本を読みゆったり過ごせるベンチなど、ここでしか味わえない体験を楽しめるという。

3000円前後で1時間~2時間程度のワークショップの開催も予定している。

3階は、中川政七商店初のコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」を設置。興福寺の五重塔を望む3階は、奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARK PROJECT」の拠点として、まちづくりを志す人同士の交流や事業創出の場となることを目指す。

同社は2020年から、地元奈良を活性化するスモールビジネスを支援する「N.PARK PROJECT」を開始。インバウンド客が全国6番目に訪れる街でありながら、飲食など奈良での観光客の購買が伸び悩んでいることから、同社では物販、飲食など魅力的なスモールビジネスの育成を推進している。

経営講座、ビジネス・コンテスト、トークイベントなど、学びのイベントも開催予定だ。

<同社初の複合商業施設>
同社初の複合商業施設

■鹿猿狐ビルヂング
所在地:奈良県奈良市元林院町22番(近鉄奈良駅より徒歩7分)
テナント数:4店舗(中川政七商店 奈良本店、猿田彦珈琲、きつね、JIRIN)※近隣に「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」「時蔵」「布蔵」
設計:内藤廣建築設計事務所
敷地面積:419.06m2
延床面積:795.84m2
https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune/

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