セブンイレブン/ミールソリューション型品ぞろえで女性来店比率47.4%に
2018年12月19日 16:40 / 経営
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セブン-イレブン・ジャパンの来店客層で、女性客・熟年層の来店比率が増加している。
電子マネーnanacoの実績によると、女性客の来店比率は2009年は43.0%だったが2016年は47.4%に、50歳以上の来店比率は2009年は28.0%だったが2016年は40.3%に拡大した。
12月17日、都内で開いた省人型店舗の説明会で古屋一樹社長が明らかにした。
セブン-イレブンでは、2009年から継続したコンセプトとして「近くて便利」を掲げ、距離的な近さだけでなく、必要なときに必要なものを買える「心理的な距離の近さ」、商品がそろっていることに加え、上質な商品を上質な接客・サービスで提供する「常に頼りにされる店」を目指してきた。
65歳以上人口の増加や20~64歳女性の就業率の高まりなど社会構造の変化を受け、品ぞろえの幅を見直した。
2009年以前は、若いお客のお腹を満たす、おにぎり、弁当、サンドイッチ、パン、カウンターファストフードなど即食性の高いデイリー商品を中心とした品ぞろえだった。
2009年以降は、これまでのコンビニ向け、食食ニーズにの商品のほか、スーパーマーケット向けの食卓ニーズに応える、ミールソリューション(食の問題解決・時短)に対応した品ぞろえに変化させた。
セブン・プレミアムのポテトサラダ、サラダチキン、カット野菜などの惣菜のほか、調味料や冷凍食品の品ぞろえを増やした。
デイリー商品と雑誌を除いた全店の取り扱いアイテム数と平均在庫金額を見ると、2007年の取り扱いアイテム数は2157、平均在庫金額は496万円だったが、2017年は取り扱いアイテム数は2671アイテム、平均在庫金額は579万3000円となった。
古屋社長は、「約500アイテム程度、化粧品、乾物、調味料、雑貨、加工食品の品ぞろえを増やした。朝起きてから夜寝るまで、フレッシュフードだけでなくて、セブンに行けば質の高いものが何でもそろっている、品ぞろえ構成に変えた」という。
「一機能一単品」の品ぞろえを進め、さらにお客にあてにされる店を目指した結果、女性客と熟年層の来店比率の増加につながった。あらゆる老若男女につかってもらえる「近くて便利」が、少しずつ理解されてきているという。
品ぞろえと客層が変化したことに伴い、セブン-イレブンで売れる商品も変化している。
商品分類カテゴリー別の既存店の売上高を2009と2017年対比でみると、ハム・ソーセージなどの加工肉、カット野菜を含む「生活デイリー」商品が461.7%増と大きく伸びている。
新レイアウトを導入し売場面積を拡大し、大きく品ぞろえの構成を変更した冷凍食品は139.7%増、卵は70.3%増と伸長した。米穀は42.5%増、洗剤・防虫・芳香は40.9%増、調味料・乾物は29.7%増となった。
古屋社長は、「お米の3kg、5kgとか、いままでは考えられなかったような商品が売れている。洗剤、調味料、乾物など、ある程度、我々が想定してお客さんに対して売場を変えたところが伸びている」と売れ筋商品を解説した。
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