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ヨーク/郊外・都市・DS対抗・DS4業態で首都圏攻略、3年で2000億円

2020年05月12日経営

セブン&アイ・ホールディングスは5月12日、首都圏スーパーマーケットを再編し、首都圏食品戦略の中心を担う新会社ヨークの概要を発表した。

グループで食品スーパーを展開するヨークマートが、イトーヨーカ堂が展開するスーパーマーケット「イトーヨーカドー食品館」、ディスカウントストア「ザ・プライス」とフォーキャストが展開する都市型小型スーパー「コンフォートマーケット」を統合し、6月1日付けで、称号を「ヨーク」に変更して発足する。

ヨークマート社長で引き続きヨークの社長に就任する大竹正人社長は、同日開かれたWEB記者会見で、「経営統合により、自前でプロセスセンターなどのインフラを整備できる企業規模となった。これまでの各社が培った強みを生かし、暮らし提案型の食品スーパーマーケットを実現する」と述べた。

新会社は資本金をこれまでの10億円から30億円に増資する。店舗数は、ヨークマート78店、ヨークプライス16店、ザ・プライス5店、コンフォートマーケット1店、合計100店となる。事業統合で、ヨークはフォーキャストを吸収合併する。

事業統合に伴いヨークは、本社を千代田区から江東区青海のテレコムセンタービルに移転する。本社移転により、従業員の増加に対応するほか、テストキッチンを併設することで、商品開発機能を強化する。

2020年2月期のヨークマートの売上高は1429億円、営業利益7億円、営業利益率0.4%だった。今後、3年間で売上高2000億円、営業利益率3.0%を目標とする。

ヨークマート小豆沢店、中町店で新しいビジネスモデル実験

ヨークマートは、ヨークの設立に先駆け、2017年度から来店動機を創るための新規マーチャンダイジング(MD)による差別化に挑戦。イトーヨーカドー食品館の跡地に出店した小豆沢店(北区)や2019年7月に改装した中町店(世田谷区)で、生活変化に対応した提案型クロスMD、部門ごとのコア商品カテゴリー開発、付加価値のある新規MDの構築に向けた実験を行っていた。

小豆沢店は標準型店舗のモデル店の位置づけで、通路幅にもこだわり買いやすさを追求した。魚惣菜、インストアベーカリー、手作りサラダ、フルーツデザートといった新規MDを導入した。

中町店は都市型フォーマットで、標準型店舗での成功事例は継続して取り込み、ライブ感・メニュー提案を意識した。1カ月間休業して、コンパクトな都市型レイアウトを導入、店舗入口に、ベーカリー、惣菜、手作りサラダ、フルーツデザートを展開する青果部門を配置。レジ前には、イートインも用意した。

そのほか、「イトーヨーカドー食品館梅島店」(足立区)で競合対策として、ディスカウントストア「ザ・プライス」の価格訴求要素を導入して成功した取り組みを、「ヨークマート川崎野川店」にも導入した。

ディスカウントストア対抗型のフォーマットで、2019年10月から、川崎野川店に、ザ・プライスの什器・販促物を導入し、デイリー・グロサリー商品において、商圏に合わせた価格帯を意識した品ぞろえで、売上を改善した。

今後、ヨークは、1600m2~2000m2の「標準店」、500m2~1000m2の「小型店」、標準店舗にDSの要素を付加した「DS対抗型」、ディスカウントストア「プライス」の4つの業態を展開する。

標準店は、ヨークマートの標準フォーマットを踏まえて、手作りサラダ、フルーツデザート、魚惣菜などの新規MDを導入し、インストアベーカリーを含むデリカを強化した業態。

小型店は、イトーヨーカドー食品館のオペレーションを生かし、省人化・アウトソーシングで生産性を向上させ、立地特性に合った売場・品ぞろえで集客する業態と位置付けた。

DS対抗型は、ザ・プライス型のPOPや什器を導入し、購買頻度が高い商品の価格訴求・お買い得品の打ち出しと生鮮を中心に「上質」の品ぞろえを充足した業態。

ザ・プライスは、現状のMDを継続しながら、独自仕入れで低価格を打ち出しながら、低コストの店舗運営スタイルを追求する業態と位置付けた。

新フォーマット「ヨークフーズ」を既存店に拡大

新会社ヨーク発足に先駆け5月13日、千葉市に新フォーマット「ヨークフーズちはら台店」を開店する。ヨークフーズちはら台店は、標準型店舗の旗艦店の位置づけで、ちはら台店で展開する新規MD順次、既存のヨークマートに導入する。

店舗の屋号は、「ヨークマート」から「ヨークフーズ」へ改装時に順次、切り替えを行う。2020年下期に3~4店を改装する予定だ。2021年度以降は、ヨークマート・ヨークフーズで各3店、合計6店を改装する計画だ。

イトーヨーカドー食品館は、6月に「食品館新宿富久店」を標準モデル店舗として改装し、新規MDを導入する。食品館イトーヨーカドーは6月5日に、全店の屋号をヨークフーズに切り替える。

ヨークフーズでは、新規MDとして、ヨークマートでの成功MDを集積する。青果部門の手作りサラダ、フルーツデザート、鮮魚部門の「お魚屋さんのお惣菜」、ベーカリー部門のナポリピザ、地場野菜を導入する。

新たに、「時短」×「簡単」×「本格的」をキーワードに開発した「ヨークフーズ」オリジナルのミールキット「楽デリ」を展開する。味やボリュームのほか、「ひと手間はかけたい」「野菜は多めがいい」など、さまざまなニーズをもとに商品化した。

精肉・青果・鮮魚・惣菜・ベーカリーの生鮮部門は、オープンキッチンで製造風景が見え、ライブ感のある売場づくりをする。

レイアウトでは、チーズやワイン、ローストビーフなどの即食食品を一つのエリアでまとめ、買い周りしやすい売場レイアウトを導入する。集合展開することで、晩酌や「ハレの日」に最適な商品を提案する。

生鮮部門が仕入れた商品を店内加工で、当日、調理することで、競合店にない味のよさ、できたて、手作り商品を提供する。

一方で、店内加工の増加に伴い人件費の上昇、店舗オペレーションへの負荷が大きいことが課題となっている。

新会社設立を機に、独自のプロセスセンター・セントラルキッチンを持つ企業規模になった。今後、プロセスセンターなどを活用し、冷凍半製品、パック惣菜を店舗へ供給することで、更なる調理効率化、生産性向上を目指す。

店舗オペレーションの省人化を推進

ヨークフーズちはら台店では、店舗オペレーションの省人化にも取り組む。商品管理省人化オペレーションでは、検品の省人化、私物点検の省人化、店舗入口横に店長室を設置し、よりお客に近い場所で、業務ができる工夫をした。

店内作業工数削減の取り組みでは、デジタルプライスカードを導入。7月からは、スライド棚を引いて戻すだけで、フェイスアップが完了する加食商品整理スライドを導入する。

インストアベーカリーは、バラ販売を中止し、個包装によるレジ人員の削減を図る。現在、新型コロナウイルス感染症対策として、ベーカリーのバラ販売を中止しているが、お客からの反応は良く、また、通常レジで商品を販売できるメリットも確認できたため、バラ販売を今後も中止するという。

環境への配慮では、初めて精肉部門にノントレーのオートパッカーを導入した。鶏肉でノントレー商品をコーナー化して販売する。飲料では、扉付き冷蔵ケースを導入し、ペットボトルを回収するリサイクルステーションを設置する。

男子小便器には、洗浄に水を使わない無水トイレを導入することで、水道使用量を54.8%削減する。

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