2021年「飲食店」倒産/27.1%減の569件、コロナ支援策の効果も
2022年01月28日 12:40 / 経営
帝国データバンクは1月28日、2021年「飲食店」動向調査結果を発表した。
2021年中に発生した飲食店の倒産は569件(前年比27.1%減)だった。前年から200件超の減少となり、2016年以来5年ぶりの500件台となった。
自主的に事業をたたむ休廃業・解散件数は、前年から8.7%減の494件だった。
飲食店で最も件数が減少したのは、接待などで利用される日本料理店で、前年から29件の減少。次いで、イタリアンやフレンチなどのレストラン(28件減)、中華・エスニック料理店(24件減)、バー・ナイトクラブ(23件減)、件数で最も多い居酒屋(22件減)と続く。大幅に減少した飲食店の業態上位ではいずれも、アルコール提供のシーンが比較的多い業態だった。
帝国データバンクによると、「飲食店は、コロナ前から消費税の引き上げやパート・アルバイトを中心とした人手不足により、倒産は増加傾向にあった。しかし、飲食店への協力金給付が開始した2020年12月以降、月別の倒産件数にも顕著に表れているように、休業・時短協力金や休業補償など、給付型マネーを中心としたコロナ関連支援策の効果がうかがえる」としている。
2021年度(2021年4月~22年3月期)の飲食店業績(2021年12月時点の予想・見込値を含む)をみると、前年から「増収」となる企業は約1割にとどまり、多くが2020年と同等か、さらに下回る売り上げ水準を余儀なくされている。利益面では、営業赤字となった企業の約半数で最終黒字となっている。
雇用過不足DIをみると、正規、非正規社員ともに2021年秋以降急激に人手不足感が高まっているという。
仕入単価DI、販売単価DIの差が広がっており、原材料価格高騰による販売価格への転嫁が課題となっている。牛肉をはじめとする食肉の価格が高騰。そのほか、商用油や小麦粉などさまざまな料理に使用される食材に加え、食材を輸送するガソリン価格の高騰により、運送費も上がっている状況だ。
設備投資DIは、営業時間の短縮要請などが全面的に解除された2021年10月以降、基準となる50を超え、設備投資意欲は上昇している。
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