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雇用調整助成金/小売り・外食の約半数が受給、計上額2128億円

2022年05月16日 16:20 / 経営

東京商工リサーチは5月16日、第11回上場企業「雇用調整助成金」調査の結果を発表した。

同調査は、雇用調整助成金の受給、または申請を情報開示した上場企業を対象に、2020年4月1日~2022年3月31日で金額、活用や申請を開示資料に記載した企業を集計したもの。

<雇調金申請社数・計上額推移>
雇調金申請社数・計上額推移
※出典:東京商工リサーチホームページ(以下同)

調査によると、新型コロナ感染拡大に伴う雇用支援として2020年4月分から適用された雇用調整助成金(以下、雇調金)の特例措置制度を活用した上場企業は、2022年3月末で845社に達した。上場企業3877社の21.7%を占め、前回調査(2021年9月末時点)の829社から16社増えた。

雇調金計上額が判明した845社の計上額合計は7945億1340万円に達し、2021年9月末(5829億9390万円)から半年で2115億1950万円(36.2%増)増えた。調査を開始した2020年11月末の計上額は合計2414億5420万円だったが、支給額は1年5カ月間で約3.3倍(229.0%増)に膨らんだという。

2020年4月以降の本決算で初めて雇調金を計上し、かつ2期連続で計上した上場企業は423社(構成比50.0%)と半数を占めた。

業種別では小売り(外食含む)の約半数が受給

845社の業種別は、製造が329社(計上額1322億8700万円)で最多だった。次いで、外食を含む小売り164社(同2128億8100万円)、観光などのサービス159社(同1401億9200万円)となっている。

<業種別受給状況>
業種別受給状況

業種別の利用率は、小売りが47.1%(348社中、164社)と約半数を占めた。運送が40.6%(123社中、50社)、サービスが29.3%(541社中、159社)と、コロナ禍が直撃した業種で申請が目立った。
製造は22.1%(1482社中、329社)だった。

計上額では、航空会社・鉄道を含む運送(50社)が2442億7900万円で最も多かった。

計上額別「100億円以上」が15社に増加

845社の計上額別は、最多は1億円以上5億円未満284社(構成比33.6%)だった。次いで1億円未満256社(同30.3%)、10億円以上50億円未満115社(同13.6%)、5億円以上10億円未満63社(同7.5%)、50億円以上100億円未満17社(同2.0%)、100億円以上15社(同1.6%)と続いた。

100億円以上は15社のうち、8社が交通インフラを含む運送だった。長引く外出自粛で追加計上が相次ぎ、計上額を押し上げたという。

業種別の受給企業数は小売り、運送の6割が2期連続

特例措置が開始された2020年4月以降に雇調金を計上し、かつ2021年度にも2期連続で計上した企業は423社だった。雇調金を受給する845社の半数以上(構成比50.0%)を占める。

<業種別の受給企業数>
業種別の需給企業数

業種別に連続計上をみると、最多は製造の144社、次いで小売り108社、サービス77社と続く。連続計上企業の割合では小売りが65.8%と最も高く、次いで、運送64.0%も6割を超えた。サービス48.4%、卸売49.0%。

製造は43.7%で、2020年春の緊急事態宣言で従業員の帰休措置を取った企業が多くみられたが、その1度だけの計上にとどまる企業が多かったという。

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