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平和堂/新デリカセンター稼働、24年生産量が2倍に

2023年09月06日 14:55 / 経営

平和堂は9月6日、旧デリカセンターに比べ、5月から稼働開始した新しい「平和堂多賀デリカセンター」(滋賀県犬上郡)の生産量は、2024年で2倍となる計画だと発表した。

<多賀デリカセンター>
多賀デリカセンター

1991年に建設した旧デリカセンターは、開設から32年が経過し、設備の老朽化、店舗数増加による供給対応、生産性の改善、新商品の開発・製造などの課題があった。

平和堂多賀流通センター(滋賀県犬上郡)敷地内に、新設したデリカセンターは、「商品にやさしい」「環境にやさしい」「人にやさしい」の3つをコンセプトとしている。商品開発力・生産能力・供給店舗拡大への対応、徹底した衛生管理と最新の機器による味・品質・鮮度の向上、資源リサイクルを考えた環境への取り組み、働きやすい環境づくりを実現しているという。

旧デリカセンターと比較して、規模(延床面積)は約2.3倍となった。生産量は2024年が約2倍(2019年比)、10年後の2033年には約2.4倍を計画している。

新デリカセンターの稼働により、米飯・総菜のおいしさがアップ。新規取り組みのカットパイン、カットキャベツ、ベーカリーは店舗で顧客から好評を得ている。

米飯は、釜炊飯による全自動炊飯器を導入、じっくり蒸らしながら炊き上げることで、つやとうまみを引き出している。

<過熱蒸気オーブン>
過熱蒸気オーブン

同社によると、総菜は過熱蒸気オーブンをスーパーマーケットのデリカセンターでは初導入。高温の過熱蒸気で焼き上げることで、外はカリっと、中はジューシーに仕上がるという。

カットキャベツは、商品部青果課とのコラボで時期ごとにおいしい産地から直送したキャベツを、短時間で加工・洗浄することで、野菜本来の味を保ち、いやな臭いも抑えている。

<カットパイン>
カットパイン

カットパインは、6秒に1個芯を抜くスピードで生産している。新デリカセンターで生産することで、朝のオープン時でも安定的に商品を用意している。

<ベーカリー>
ベーカリー

ベーカリーは、生地の種類によって最適な温度や時間で発酵させるため、5つの発酵室を用意した。

商品に応じてよりおいしく焼けるように、5種類のオーブンを使用している。店舗では、新デリカセンターから届いたパンを加工して販売している。8月24日より、バーガーの焼成済みバンズの全店供給を開始。バーガーのバンズには、国内産小麦を使用している。

今後は、食パン、ドーナツ、フランスパン、クロワッサンといった商品の供給を進めていく。

さらに、同社によると、コンテナ自動搬送化、AGVをスーパーマーケットのデリカセンターで初めて採用した。

<AGV>
AGV

生産エリアから物流エリアまで、AGVと呼ばれる自動搬送車が商品を運ぶ。バッテリーの充電、搬送ラインに戻ることも全てAGVが自動で行う。

また、商品を入れるコンテナも天井下のコンベヤーで値付けエリアまで運ぶ。この上下の空間でAGVとコンベヤーを利用したコンテナ搬送システムを「ハイブリッド型コンテナ搬送システム」と名付けたとしている。

<多賀デリカセンター南側>
多賀デリカセンター南側

■平和堂多賀デリカセンター
施設運営:ベストーネ(平和堂100%子会社)
所在地:滋賀県犬上郡多賀町中川原字大久保491番地3(平和堂多賀流通センターA棟内)
電話番号:0749-24-8611(代表)
建物規模(物流エリア含む):敷地面積約 6万4717m2、建築面積約1万392m2、延床面積約1万6391m2(うちデリカセンターエリア1万1732m2)
建物構造:鉄骨造2階建て(1階:原料入荷エリア、炊飯・米飯・総菜加工盛り付けエリア、2階:事務所、厚生エリア、ベーカリー・カットキャベツ・カットパイン加工盛り付けエリア)
供給商品:米飯、総菜、ベーカリー、野菜・フルーツ等の加工・製造
供給店舗:平和堂全154店舗(兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、福井県、石川県、富山県、
岐阜県・愛知県)、エール全2店舗(京都府)
※店舗数は2023年9月4日現在
稼働日:2023年5月31日
稼働時間:24時間

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