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ニトリ/2032年3000店舗・売上高3兆円に向け「国内外1000店達成」

2024年01月31日 15:00 / 経営

ニトリホールディングスは1月31日、ニトリ東京本部を併設する「ニトリ赤羽店」で、「もうすぐ世界で、グループ1000店舗達成記念祭」の記者会見を開催した。3月に福井県敦賀市にオープンする「ニトリ敦賀店」を持って1000店舗を達成する予定だ。

<1000店舗達成>

現在、グループでは第2期30年計画を実施しており、2032年に国内外で3000店舗・売上高3兆円を目標に掲げている。

似鳥昭雄会長兼CEOは、「わが社も創業から56年、念願の1000店舗を3月に達成することになった。ここまでこれたのは、日本国民の皆さんが支持してくれたおかげだ。27歳の時に、アメリカに行き、あまりの豊かさに感動した。日本はアメリカに比べて、50年くらいは遅れていた。それまでは、売上と利益ばかり考えていたが、そうではなくて、『日本人の暮らしを、欧米に追い付き、追い越そう』ということを、私の人生の目標にした。当時、年商は1億6000万円ぐらいだったが、30年間で1000店、1兆円のチェーンストアを作ろうと考えた。難しい数字であるけど、高い目標をおいて進めば、それに近い数字ができることを念頭に置き、それから人生が変わった」とあいさつした。

<似鳥会長兼CEO>

事業会社のニトリ社長で、ニトリHD取締役グローバル商品本部本部長兼グローバル販売事業推進室室長海外販売事業管掌を兼務する武田政則氏は、「2032年時点では、海外で2000店舗を見込んでいる。ただ、海外店舗は店舗面積が小さい店舗が多いので、売上高は日本の3分の1の1兆円と見ている。まだ、海外では1店舗あたりの売場面積や売上が日本のレベルまでは来ていない」と述べた。

その上で、「海外の2000店舗・1兆円は最低限やりたい目標であり、売上は1兆5000億円もあり得る。例えば、台湾では一番繁盛店だった約1000m2の店舗を先月、約4300m2に増床したところ売上はいっきに2倍になった。いま出店しているエリアでも、さらに拡大するフェーズが来るので、それも踏まえて海外で最低1兆円をやりたい。また、店舗数は3000店が目標だが、社内目標は4000店ぐらいにしている。逆算するとそれくらい準備しないと3000店に足りない」と語った。

<武田取締役>

また、国内の出店について似鳥会長兼CEOは、「大型店舗のニトリの出店余地は少なくなってきている。小さな店舗をより大きくして売上を増やす。店舗数は、デコホームやN+といった小型店が増えていく。ただ、まだニトリの店舗も毎年30、40店は出店する」と語った。

■2032年のEC売上比率は20%を想定

ECが台頭する中で、今後のEC売上比率について、武田取締役は、「国内売上2兆円のうち20%はECになると見ている。現在、リアルの店舗とECが両方伸びている。お客様がECで購入して、商品に何か問題があったりしても近くのニトリに行ってくれている。それが、お客様にとって非常に安心材料になっていると分析している。だから、ECは店舗と並行して成長できると考えている」と語った。

ニトリは1967年創業以来、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンを原点に、価格と品質にこだわった「お、ねだん以上。」の商品開発を重ね、店舗を拡大してきた。創業から36年後の2003年には国内100店舗を達成、2007年には台湾に海外初出店を果たし、今や台湾・中国大陸・マレーシア・シンガポール・タイ・香港・韓国・ベトナムの8つの国・地域に展開している。さらに、2024年度は新たに3カ国に進出する予定だ。

<これまでの出店を解説する似鳥会長>

似鳥会長兼CEOは、「1967年、24歳の時に親から100万円を借りて30坪(約100m2)の店をスタートしたのが始まりだ。20年ほど北海道で展開し、1993年に本州1号店『勝田店』(茨城県ひたちなか市)をオープンした。当初、千葉県や茨城県の店舗はうまくいかなかったが、東急さんの土地を借りて南町田に出店したところ、従来の2倍以上売れた。それから、やはり人口が多い神奈川、埼玉など関東の出店が順調に進んだ。その後、海外出店、新フォーマットのニトリエキスプレス、デコホーム、Nプラスの開発があった」とこれまでの店舗展開を振り返った。

その上で、「1店舗から10店舗は14年かかった。1店から100店までは36年かかったが、100店から200店は6年で達成した。200店から300店は3年、300店から400店は3年、400店から500店は2年、500店から600店は2年、600店から700店は1年、700年800店は1年、800店から900店も1年、900店から1000店も1年で達成している。今年からは、毎年200店舗達成を目標にしたい」と述べた。

また、「なぜ出店が早くなったのかというと、チェーンストアという技術・技能を勉強して習得したこと。それと人材がある。大卒定期採用が入ってきて20年間となるが、人材をしごいて鍛えた。日本一、世界一の技術者をまず100名そろえた。いまは700名の社員ができ、出店スピードを早めることができた」と語った。

<ニトリ1000店までの歴史>

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