日本生協連/「冷凍かき」など一部のコープ商品統合し今秋値下げ

2024年06月18日 17:14 / 経営

日本生活協同組合連合会は6月18日、コープ商品事業の2024年度方針を発表した。

物価上昇の影響で、組合員の生活が厳しさを増す中、人材不足や業界競争などで厳しい経営環境が続く。さらに世界的な異常気象の中でSDGsの目標達成にも着実な前進が求められる。そこで日本生協連は、組合員・取引先の双方に「選ばれる」コープ商品を目指し、価格への取り組みや、コープならではの商品開発や育成を行っていくという。

<藤井専務>

藤井喜継 代表理事事業担当専務は「組合員のくらし、人材不足、競合増の中での事業継続、環境問題への対応といった4つ重点課題に立ち向かうため、選ばれるコープ商品を目指す。組合員に選ばれるため価値のある商品を開発するだけでなく、取引先に選んでいただくための政策を進める。

取引先も人手不足などで、小ロットのコープ商品を作りたくないという事例が今後出てくると思う。一方、コープ商品は各エリアで開発した商品をまとめてPB化した経緯があるため、似た商品が存在する。そこで似た商品を統合し、生産効率を上げることで値下げも実現する。同じメーカーであれば統合しやすいが、異なるメーカーの品も可能な限り統合して、メーカーの生産ラインを確保できるようにしたい」と説明した。

<値下げ商品例>

例えば「冷凍かき」の場合、これまで1つの工場で製造していた2つの商品を統合することで生産効率をアップ。2024年秋から値下げする予定だ。

エシカル消費対応商品の実績は、2023年度の総供給高2457億円(前年比9%増)。環境対応包材化の進展で、エコマークが前年比28%増、FSC認証マーク付き商品も14%増と大きく伸長した。

加えて、食品ロス削減商品も増やしていく。「もったいないをおいしく」をテーマに、再生利用仕向先のない原料を使用した商品の展開を2023年春から開始。2023年度は原料のバナナの選別工程で生鮮用の規格に沿わず、破棄された38万6247本のバナナをコープ商品として活用している。

中でも「CO・OP 完熟バナナスムージー」が年間供給1億円以上の実績になるなど、コープ商品の認知向上・バリューアップにつながっているという。2024年春には、食品ロス削減商品は全11品番数になるなど、今後も食品ロス削減の取り組みを進めていく。

また、プラスチック問題への対応では、再生・植物由来プラスチック包材が154品増加し、931品、重量で2846トン(10.7%増)となった。2024年度はターゲット商品を設定し、倍増以上の360品増を目指す。包材におけるプラスチックのリデュースは87商品で、約167トン減量。さらに、生協で回収したPETボトルをコープ商品の軟包材にリサイクルしていく取り組みを全面的に拡大し、対象商品は2023年度末で約100品となっている。

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