OPA渡辺祐子社長/ファッションの楽しさと社会貢献を両立、好奇心ワンダーランドなSCへ

2024年09月17日 17:44 / 経営

2024年度からOPAは「好奇心Wonderland」を宣言し、2030年度に向けた成長戦略を展開している。ファッションを楽しみつつ、社会貢献できる活動など同社の取り組みを渡辺祐子社長に聞いた。

<OPA渡辺祐子社長>
OPA渡辺祐子社長

――本年度からOPAは「好奇心Wonderland」を目指すことを宣言しましたね

渡辺 ファッションビルとして、若いお客様にファッションを楽しんでいただき、当社は成長してきました。若い社員中心に、2030年に向け、OPAがどう成長していくかと考えたときに、「好奇心Wonderland」なSCというキーワードが出てきたのです。好奇心にあふれた、楽しい宝箱のようなSCを目指したいと思っています。

――9月からファッションの楽しさと社会貢献を両立する体感型衣料品回収BOXの設置を開始します

<体感型衣料品回収BOX>
体感型衣料品回収BOX

SDGsが採択された9月25日に合わせ、各店舗にて、「Z世代と取り組むサステナブル」をテーマにさまざまな取り組みを進めます。9月17日~29日、「ファッションロス削減に関する産学連携プロジェクト」、「BIOTECHWORKS-H2とのパートナーシップ締結」の一環として「衣料品回収キャンペーン」を実施します。

若手社員が立ち上げた「OPA若者トレンド研究会(通称:ワカ研)」は、Z世代目線で分析したお客さまアンケート「ファッションと環境に関する意識調査」を行ったのですが、若いお客様のサステナビリティに対する関心が高く、「社会の一員として何かできないか」という意識が高まっていることが感じられました。

そこで、服の手放し方にも、参画する「楽しさ」があれば、Z世代の若者にもより興味を持っていただけると思い、スタートアップ企業「BIOTECHWORKS-H2」と協業した体感型衣料品回収BOXを、横浜ビブレ、新百合ヶ丘オーパ、三宮オーパに導入します。

<横浜ビブレなどに体感型衣料品回収BOX設置>
横浜ビブレ

衣類をBOXに入れると、入れられた衣料品の計測(素材・重量など)を行い、将来的に生成される水素量とCO2削減量の予測値を算出し表示するものです。

回収された衣類はリサイクル・リユースに適したものは、そちらに回り、リサイクルなどに利用できないものは水素エネルギーに変換される仕組みです。

――楽しさとサステナブルな活動を両立させると

渡辺 当社は、長年お客様にファッションの楽しさを提供してきました。また、ターゲットとしている若い世代が全力で今を楽しむことを応援し続けており、この方針は変えたくないと思っています。

同時に、若い世代は学校でSDGsを当たり前のように習い、ファッションを楽しむだけでなく、その裏側の仕組みにも関心を持っています。そこで、罪悪感なくお買い物をしてファッションを楽しみ、気軽にサステナブルな活動を両立できる仕組みを、衣料品回収BOXを通じて提案します。

――テナントも巻き込んでいます

渡辺 持続可能なファッションについて考えることは、ファッションビルとして必須な時代になってきました。アパレルの若い店長の意識も高いですね。ただ、1社で取り組むことは限界がありますし、何をしたらいいのかジレンマを感じている人もいたようです。今回のように、館全体の企画ですと、自分のできることから参加しやすいのではないでしょうか。

また、本年8月には、当社の従業員、テナントスタッフを対象に、全SCでサステナブル・ファッションについて勉強会も開催しました。

――若い世代との産学連携活動も推進していますね

渡辺 今回の取り組みでも、OPAでは回収した衣料品を産学連携にて利活用の後、BIOTECHWORKS-H2での水素エネルギー化を目指しています。ファッションビジネスを学んでいる学生たちと連携しています。若い世代を対象としたSCだからこそ、常に意識をアップデートし、彼らと新しい世界を作っていきたいと思っています。

取材・執筆 鹿野島智子

■OPA
https://www.opa.gr.jp/

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