ニトリHD/アメリカの関税政策が調達面で有利に、似鳥会長「我々にはチャンス」
2025年05月14日 16:30 / 経営
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ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長兼CEOは、アメリカのトランプ政権の関税政策が調達面で有利に働いていると述べた。
5月13日の決算説明会で、トランプ政権の関税の影響を問われた似鳥昭雄会長は「中国の貿易展示会に行ったが、アメリカのバイヤーはほんとどいない。(高関税の影響で)出ても仕方ないと。それで中国は他の国に売るしかなくなり、我々のように大量に購入するところは値段を下げてくれる。そういう意味ではメリットがあった」と語った。
海外メーカーは価格だけでなく最低発注数量も下げてきているとのことで、似鳥会長は「最低発注数量が1000や2000だったのが、交渉すると500に下がった。我々にとってはチャンス。今後も有利な交渉は進めていけるのではないか」と展望した。
逆に関税によるデメリットについては「ない」と似鳥会長。トランプ政権の動きについて「混乱したほうがチャンスに変えられる。チャンスを見つけて徹底的に掘り起こしていく。今年は世界的に不景気になり、中小企業は大変。早めに先手を打つ必要がある」とした。
また、為替に対して「来年は円高が進む」と予想。「アメリカは今年、悪い傾向がはっきりしてくる年になるのではないかと思う。来年はさらにその傾向が続き、円高にならざるを得ない」。同社は円高が進むと調達コストが下がるため、1円の円高で20億円の利益が出るという。
似鳥会長は、将来的には円高が「120円程度まで進むのではないか」とし、円高が進んだ場合は「お客様に還元して値下げをどんどんしていきたい」と述べた。
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