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トリドール/4~12月、過去最高の売上更新も補助金減少などで減益

2023年02月14日 10:30 / 決算

トリドールホールディングスが2月14日に発表した2023年3月期第3四半期決算によると、売上収益1408億6600万円(前年同期比20.5%増)、営業利益80億6900万円(44.4%減)、税引前利益82億8900万円(40.6%減)、親会社に帰属する当期利益46億600万円(49.5%減)となった。

<丸亀製麵の店舗>
丸亀製麵の店舗

グループは、国内では訴求力の高い商品開発、店舗設計と来店動機の訴求に取り組んだ。海外ではアジア、欧州、北米を中心に積極的に出店したことに加えて、グローバル展開を視野に入れたリブランディングや新しい事業パートナー(ローカルバディ)を開拓した。これらの結果、本格讃岐うどん専門店の丸亀製麺、海外事業、その他の全セグメントが増収となり、売上収益は、第3四半期連結累計期間として過去最高となった。

利益面では、世界的な原材料、人件費、水道光熱費の高騰の影響を受けて、グループは原価低減やエネルギー利用の最適化に努めたが、経費高騰がそれらの効果を上回った。セグメントごとの利益は、丸亀製麺が微増、海外事業が減益、その他が大幅な増益、調整額が増加したことにより、事業利益は小幅な増益となった。

前年同期は新型コロナウイルス感染症に係る時短協力金などの政府補助金89億8500万円を計上したが、第3四半期連結累計期間は41億7300万円に留まったことにより、その他の営業収益は減少した。さらに、その他の営業費用には中国事業にかかる一過性の事業整理費用12億3500万円を計上した。そのため、税引前利益、親会社に帰属する当期利益ともに減益となった。

丸亀製麵は10月25日から、一部商品の価格改定を実施したこともあり、売上収益は773億5600万円(9.0%増)と増収になった。一方、利益面では原材料価格や電気料金の高騰影響が強まったことなどにより、事業利益は92億6700万円(1.1%増)と小幅な増益となった。

行動規制があった前年同期と比較して人の移動量が回復したことに加えて、ブランド戦略と商品戦略を丸亀製麺らしく組み合わせたハイブリッド型で推進する戦略とをオフライン(店舗)とオンライン(TVCM、デジタルマーケティング、SNS等)をマージして展開する統合マーケティングが奏功し、好調が持続した。

2022年6月15日から「うどんで、あなたを驚かせたい。」をキャッチフレーズに新たなブランドキャンペーンを開始し、打ち立てのうどんのおいしさと職人がつくる手づくりの価値を訴求するとともに、ブランドへの共感と好意度を高めるコミュニケーションを強化した。

また、お客から多くの支持を得たシーズナルの人気フェア商品をさらに改良し、品質を高めただけでなく、新作も投入して食材や味の違いを楽しんでもらい、リピート促進やシリーズ認知の強化につなげた。

海外事業は、モンスターカレーなど多くの業態で増収になったことにより、売上収益は451億7000万円(45.7%増)と大幅な増収となった。利益面では、原材料高騰や人件費上昇に加えて、複数業態においてグローバル展開に伴うマーケティング費用などの先行投資が増加したこと、中国において行動規制の継続により経営効率が低下したことなどにより、事業利益は15億800万円(31.6%減)と減益となった。

新型コロナウイルス感染者数が減少した欧米では行動規制がほぼ撤廃され、香港、台湾においては感染者数は高止まりしたものの規制緩和が進んだことが商況の回復につながった。一方、中国や香港ではコロナ規制が続き、外食が抑制された。

このような環境において、香港を拠点とするスパイシーヌードル業態のTam Jaiは、第3四半期連結累計期間にアジアで36店舗増加し、中国の行動規制による経営効率低下の影響を受けたものの、ソーシャルディスタンスに関する防疫措置の緩和に伴い、徐々に売上が増加した。

通期は、売上収益1919億円(25.1%増)、営業利益71億円(50.1%減)、税引前利益75億円(46.2%減)、親会社に帰属する当期利益40億円(55.5%減)を見込んでいる。

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