ファミマ/静岡県約80店舗で物流資材の実装実証、15%以上の軽量化目指す
2025年07月18日 16:42 / 経営
ファミリーマートは7月18日、伊藤忠商事、三甲、国立大学法人京都大学生存圏研究所と共同で「セルロース複合樹脂(セルロースナノファイバー=CNF)を使用した物流資材の小売店舗網での実装実証事業」を推進することに合意したと発表した。
三甲が製造したCNF配合のバット※を、ファミリーマートが8月から約半年間かけて、静岡県内の約80店舗への配送で使い、その効果を検証する。CNFの第一人者である京都大学矢野浩之特任教授が製品性能評価・環境評価を行う。同実証事業では、将来的には15%以上のバットの薄肉化・軽量化を目指すとともに、ほかの物流資材への展開も検討していく。
※店舗への商品配送(主に食品)に用いられる薄型の運搬容器。現在はプラスチック製
今般、ファミリーマートは、伊藤忠商事、三甲、京都大学とともに、CNFを使用した物流資材の開発に着手した。CNFを用いることで物流資材の薄肉化・軽量化を実現できる可能性があり、その特性がコンビニエンスストアの物流課題の解決(作業負担軽減や積載効率改善)に寄与すると考えられることから、同実証事業に参画。小売店舗でのCNF実装は世界初となる。
なお、CNFとは、優れた強度特性やリサイクル性等を有する、木材由来の素材を指す。CNFの2024年の市場規模は推定60億円に留まるも、持続可能な素材への代替需要やバイオマス活用の観点から、脱炭素の切り札として著しい成長が期待されているという。
CNFは日本の大学・企業が世界の研究開発をけん引してきた一方、コスト等の課題から産業用途での活用がまだ限定されており、企業による実用化が急務となっている。
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