日本フードサービス協会/9月の外食売上4.8%増、低価格業態は堅調

2025年10月27日 15:33 / 月次

日本フードサービス協会が10月27日発表した外食産業市場動向調査によると、外食産業の9月度売り上げ状況は前年同月比4.8%増となった。

9月度 売上高前年同月比
全体 4.8%増
ファストフード 6.1%増
ファミリーレストラン 2.5%増
パブ・居酒屋 0.9%増
ディナーレストラン 3.9%増
喫茶 7.9%増

客数は1.3%増、客単価は3.4%増だった。

9月は例年、夏休み明けに外食需要がいったん落ち着く傾向があるが、今年は特に厳しい残暑と物価高騰が続き、外食控えと節約志向が強まった。

レストラン業態や飲酒業態で特に強くその影響が見られ、月前半を中心に客足が鈍った。

一方で、堅調なファストフードやファミリーレストランの低価格業態が外食全体の売り上げを押し上げ、客単価の上昇と相まって、売り上げは前年を上回っている。

ファストフード業態は、全体が6.1%増と堅調に推移した。

「洋風」は、定番の季節限定メニューや新商品などが好調に推移し、6.6%増。「和風」は、一部で主力商品の値下げなどにより客数が回復したことや、期間限定メニューも好調だったことで、売り上げは10.1%増と高い伸びを示した。

「麺類」は、9月の残暑の中あえて投入した冷たい期間限定メニューなどが好評を得て、8.5%増。「持ち帰り米飯/回転ずし」は、全般的に夏休みの需要が一段落して客数が失速し、2.3%減。「アイスクリーム」は毎月替わる人気キャラクターとのコラボ商品が好評で、3.3%増となっている。

ファミリーレストラン業態は、夏休みが明けて外食需要の一服感が強く、土日が少ない曜日まわりと相まって、すべての業種で客数が前年を下回った。

客数は1.2%減だったが、引き続く客単価の上昇によって、全体売り上げは2.5%増となった。

「洋風」は、総じて客数が減少したものの、引き続き好調な低価格業態が客数を下支えし、全体の客単価上昇により3.8%増。「和風」も、客単価の低い業態が比較的堅調に推移し、4.5%増。「中華」は、客数は落ちたものの客単価の上昇によって、4.9%増。「焼き肉」は、夏休み明けで若年層や家族客の集客が一服したことや、曜日まわりが大きく影響し客足が鈍り、7.3%減だとなっている。

パブ・居酒屋業態は、月前半を中心に個人客、宴会ともに伸び悩み、上旬の台風によるキャンセルなどもあり、客数は前年を下回った。客単価の上昇(2.3%増)により、売り上げは0.9%増となった。

ディナーレストラン業態では、インバウンド需要の勢いは9月も各社まちまちだったが、連休の家族需要などで一部好調なところもあり、3.9%増だった。

大阪のターミナル周辺の一部店舗では、終盤に近づいた大阪・関西万博の訪問者によって引き続きにぎわいを見せたという。

喫茶業態は、ターミナル周辺立地の店や大阪・関西万博周辺では集客が前年を上回る店もあったが、業態全体の客数は減少(0.4%減)。しかし、物価上昇による客単価上昇(8.4%増)の結果、売り上げは7.9%増となった。

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