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J.フロントリテイリング/2月期、卸売・建装事業が不振で営業利益17.5%減

2019年04月09日 10:55 / 決算

J.フロントリテイリングが4月9日に発表した2019年2月期の連結決算によると、売上高4598億4000万円(前期比2.1%減)、営業利益408億9100万円(17.5%減)、税引前利益421億2600万円(12.7%減)、親会社に帰属する当期利益273億5800万円(4.0%減)となった。

総額売上高は1兆1251億5300万円(1.2%減)。

総額売上高は、売上収益のうち「百貨店事業」と「その他(大丸興業)」の消化仕入取引を総額に、「パルコ事業」の純額取引をテナント取扱高(総額ベース)に置き換えて算出している。

売上面は、百貨店事業、不動産事業、クレジット金融事業が増収だったものの、前年の連結子会社売却による減収影響のほか、卸売事業、建装事業が不振で、全体では減収となった。

営業利益については、不動産事業が増益となったものの、百貨店事業におけるPOSレジ更新費用をはじめとする販売費及び一般管理費が増加。

パルコ事業における地方店舗の営業終了決定に伴う損失計上のほか、前年の固定資産売却益や連結子会社の株式売却益計上による反動減も加わったことから、大きく減少した。

百貨店事業は、売上高は前期比0.4%増の2754億4100万円、営業利益9.2%減の241億9400万円。

大丸札幌店・婦人服フロアにおいて、「コスメ」「フーズ」「グッズ」からなる新編集売場として「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」をオープンさせた。

顧客基盤拡大の取り組みでは、ID顧客の拡大に向け、大丸東京店にモバイルアプリを先行導入するとともに、顧客との関係強化をはかる新顧客戦略の基盤づくりを進めた。

また、拡大する富裕層マーケットに対応するため新規口座開拓に継続して取り組むとともに、新たな外商ビジネスモデルの構築に向け、ICTを活用した業務支援システムの整備・構築を推進した。

訪日外国人客の増加に着実に対応するため、基幹店舗における化粧品売場の拡大やSNSを活用した情報配信による集客力の強化、モバイル決済対応売場の拡大に取り組んだ。

大丸山科店については昨今の経済環境の変化と競合激化が進む中、業績の改善を見通すことは困難であるとの判断から、2019年3月31日をもって営業を終了した。

パルコ事業は、売上高1.8%減の899億6900万円、営業利益53.7%減の54億4500万円。

専門店事業において不採算店舗の閉鎖を進めたことや、衣料品販売、地方・郊外店が苦戦した。

宇都宮パルコについては2019年5月31日、熊本パルコについては、建物の老朽化と商業環境の変化などを勘案した結果、建物賃貸借契約の満了にあわせ2020年2月29日をもって営業を終了する。

不動産事業は、上野、名古屋、京都、心斎橋、神戸など重点エリアを中心に、賃貸床面積拡大を通じた不動産賃貸事業の強化に取り組み、売上高は26.6%増の169億9500万円、営業利益は前年の固定資産売却益計上による反動減があったものの、12.9%増の46億6400万円。

建装事業のJ.フロント建装は、前年の大型物件計上の反動減による影響などから減収、利益管理の徹底により増益となった。

卸売事業の大丸興業は主力の電子デバイス部門の苦戦により大幅な減収減益となり、その他の売上収益は11.5%減の1042億5000万円、営業利益は26.1%減の35億700万円となった。

次期は、売上高5000億円(8.7%増)、営業利益485億円(18.6%増)、税引前利益455億円(8.0%増)、親会社に帰属する当期利益280億円(2.3%増)を見込んでいる。

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