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バローHD/4~12月スーパー、ホームセンター好調で営業利益2倍

2021年02月10日 11:10 / 決算

バローホールディングスが2月10日に発表した2021年3月期第3四半期決算によると、営業収益5535億8300万円(前年同期比8.5%増)、営業利益232億1000万円(101.1%増)、経常利益251億6400万円(93.9%増)、親会社に帰属する当期利益131億4800万円(108.4%増)となった。

2020年4月の緊急事態宣言発令後に休業要請を受けて営業を自粛したスポーツクラブ事業は、会費収入の減少により減益となったが、マスク・除菌関連商品や巣ごもり需要に対応した主要3事業の既存店売上が伸張し、特にスーパーマーケット、ホームセンター事業で売上総利益率の改善が進んだことから、グループ全体で増収増益となった。

スーパーマーケット事業では、外出や外食を控える動きが長期化する中で、生鮮の売上伸張が第2四半期連結会計期間以降の継続的な利益改善に繋がった。

なお、第1四半期連結会計期間に営業自粛による損失7億200万円を特別損失に計上しているが、休業要請を受けて最大181店舗で営業を自粛したスポーツクラブ事業で6億200万円、その他の事業に含まれるペットショップ事業でも入居する商業施設が休業要請を受けたことから、9900万円を計上している。

セグメント別にみると、スーパーマーケット事業は、の営業収益は3019億1300万円(6.9%増)、営業利益は145億2400万円(102.9%増)。生鮮売上比率が高まったバローを中心に売上総利益率が改善し、広告宣伝費などの経費削減も進んだことから、事業全体で大幅な増益となっている。

バローでは17店舗を改装し、生鮮部門を際立たせた売場に変更するとともに、販売促進策としてはEDLP(エブリデー・ロー・プライス)への切り替えを行い、同政策は計39店舗に広がった。

2020年10月に新設した「SMバロー岡崎店」(愛知県岡崎市)などでは、強い商品力を活かす売場づくりとともに、専門的な商品知識・販売技術を持つ人材を育成・処遇する「マイスター制度」の運用、青果の箱売り、鮮魚の対面販売、惣菜・ベーカリーへのオープン・キッチン導入など、販売力向上への各種施策の効果が見られたという。

また、移転増床した「大垣プロセスセンター」(岐阜県大垣市)は、安定した品質を保持する機械設備を導入し、品質と生産性で店舗販売を下支えしている。

惣菜専門店の展開は、テスト・マーケティングとしての役割も果たし、新設の「デリカキッチン グローバルゲート店」(愛知県名古屋市中村区)で発売した商品を、バローでは「淡雪あんぱん」として販売を拡大している。

また、アークス、リテールパートナーズとの間で締結した資本業務提携の下、スケール・メリットを追求した共同調達・共同販売、競合他社との品質の違いを明確に打ち出した3社専用惣菜の導入など、継続的な取り組みを進めている。

2020年4月に子会社化した大和ストアーの1店舗を含む4店舗を新設、5店舗を閉鎖し、12月末現在の店舗数は297店舗となっている。

ドラッグストア事業の営業収益は1148億8400万円(10.4%増)、営業利益は30億6500万円(23.2%増)。

前期より進めるEDLP政策の下、チラシ削減による経費削減を原資として、消耗品を中心に価格競争力を高めるなど、競争力の維持向上に努めた。

マスク・除菌関連商品、巣ごもり需要に対応した食品・日用品の伸張が続いたほか、感染予防の観点から受診抑制や長期処方の傾向が見られた調剤部門も回復し、既存店売上高は前年同四半期比で4.5%増加している。

2020年10月にアオイ薬局を子会社化し、同社の2店舗を含む31店舗を新設、5店舗を閉鎖し、12月末現在の店舗数はグループ合計442店舗(うち調剤取扱121店舗)。

ホームセンター事業の営業収益は980億1200万円(15.3%増)、営業利益は63億5200万円(124.5%増)。

建築資材、工具・金物、農業資材の専門商材に加えて、巣ごもり需要に対応した園芸、DIY、住居用品、ライフスタイルの変化により需要が拡大したアウトドア、自転車用品の販売が好調に推移するとともに、オンライン販売も大きく伸張した。

客数も堅調に伸び、ダイユーエイト、ホームセンターバロー、タイムの3社で既存店売上高が前年同四半期比で7.6%増加した。

店舗は、6店舗を新設、2店舗を閉鎖し、12月末現在の店舗数はグループ合計152店舗となっている。

スポーツクラブ事業は、緊急事態宣言発出による休業要請の影響で、営業収益は66億3800万円(35.5%減)、営業損失は16億1500万円(前年同期の営業利益は2億8400万円)だった。

月会費を抑えたフィットネスジム「スポーツクラブアクトスWill_G(ウィルジー)」を8店舗新設(全てフランチャイズ運営)、7店舗(うちフランチャイズ運営1店舗)を閉鎖し、12月末現在の店舗数はグループ合計193店舗(うちフランチャイズ運営57店舗)となった。

通期は、営業収益7100億円(4.7%増)、営業利益240億円(54.7%増)、経常利益260億円(54.0%増)、親会社に帰属する当期利益110億円(69.8%増)を見込んでいる。

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