平和堂/2月期営業利益34.2%増、巣ごもりで増収・コスト削減が貢献
2021年04月02日 11:20 / 決算
平和堂が4月2日に発表した2021年2月期の連結決算によると、売上高4393億2600万円(前年同期比1.3%増)、営業利益140億3700万円(34.2%増)、経常利益150億5300万円(32.3%増)、親会社に帰属する当期純利益97億2400万円(59.4%増)となった。
連結の売上高は、3期ぶりの増収で過去最高を更新した。単体も8年連続増収で、6期連続で過去最高を更新。純利益も連結が3期ぶり、単体も2期ぶりの増益で、こちらも連結、単体ともに過去最高を更新した。
セグメント別では、小売り事業は、売上高4211億7700万円(2.1%増)、経常利益157億9300万円(31.2%増)となった。
グループの中核企業となる平和堂は、巣ごもり消費による食品の伸長、野菜相場高の効果もあって増収だった。費用面では、食品の管理ロス抑制による粗利益率改善、ニューノーマル(新たな生活様式)に準じた費用の見直し、店舗・本部の作業時間削減の取り組みを強化したことでコストを大幅に削減し増益となった。
既存店の活性化では、改装投資を計画的に実施。アル・プラザ香里園(大阪府寝屋川市)、フレンドマート安土店(滋賀県近江八幡市)などの食品大規模4店、食品小規模2店、非食品2店の合計8店舗で、売場の改装、商圏の特性に合わせた品ぞろえや売場展開の変更、老朽化した什器の入れ替えなどを行った。
新規出店は、20年9月に「ららぽーと愛知東郷店」(愛知県東郷町、売場面積2220m2)、11月に「平和堂石山」(滋賀県大津市、売場面積5350m2)、「フレンドマート米原駅前店」(滋賀県米原市、売場面積823m2)をオープンした。
一方、中国湖南省で小売事業を展開する「平和堂(中国)有限公司」は、新型コロナウイルス感染症による営業縮小や不採算店舗の閉店もあり減収・減益となった。滋賀県でスーパーマーケットを展開する「丸善」は、巣ごもり消費による食品の伸長と費用抑制で増収となり黒字に転じた。
書籍、CD・DVD販売やCD・DVDレンタルの「ダイレクト・ショップ」は、巣ごもり消費で、書籍販売が好調だったが、前期に立ち上げた新規フィットネス事業が新型コロナウイルスの感染拡大で、休業を余儀なくされ、増収だったものの赤字決算となった。
小売周辺事業は、売上高56億4400万円(0.3%減)、経常利益は4億6000万円(52.6%増)だった。
惣菜・米飯、生鮮品の製造加工の「ベストーネ」は、小売事業の好業績が支えとなり増収で、前期に稼働した久御山食品センターの費用増加も一巡したため、経常増益だった。
ビル管理事業の「ナショナルメンテナンス」は、新型コロナウイルスの関連業務の増加や新規外部物件の受注獲得もあって増収で、受注内容の見直しによる費用抑制によって経常増益となった。
そのほかの事業は、売上高125億400万円(18.4%減)、経常損失は7200万円(前年同期の経常利益は3億9200万円)だった。外食事業の「ファイブスター」が、新型コロナウイルス感染症の拡大による環境の変化が影響し、減収・赤字決算となった。
次期は、売上高4450億円(1.3%増)、営業利益165億円(17.5%増)、経常利益177億円(17.6%増)、親会社に帰属する当期純利益99億円(1.8%増)を見込んでいる。
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