セブン＆アイ／3～11月は収益・利益が過去最高に、国内外でコンビニ好調

2023年01月12日 15:10 ／決算

セブン＆アイ・ホールディングスが1月12日に発表した2023年2月期第3四半期決算によると、営業収益8兆8237億8100万円（前年同期比43.5％増）、営業利益3948億7300万円（30.4％増）、経常利益3702億6400万円（31.2％増）、親会社に帰属する当期利益2347億800万円（34.2％増）となった。

主な事業会社では、セブン-イレブン・ジャパンは、第3四半期のみの既存店売り上げが、さらに伸長し増益幅拡大した。7-Eleven, Inc.はSpeedway統合効果、ガソリン収益が好調、支出管理厳格化で大幅な増益となっている。イトーヨーカ堂は原材料価格やエネルギー価格の上昇により営業損失の幅を拡大している。

セブン‐イレブン・ジャパン、セブン‐イレブン・沖縄、7-Eleven, Inc.における加盟店売り上げを含めた「グループ売り上げ」は、13兆3322億200万円（29.7％増）。

国内コンビニエンスストア事業における営業収益は6716億200万円（1.5％増）、営業利益は1853億4500万円（4.6％増）。

セブン‐イレブン・ジャパンは、新型コロナウイルス感染症の影響により小商圏化が加速し、個店ごとの顧客ニーズの違いが顕在化する中で、客数増を目指し、高付加価値商品の品ぞろえ拡充、取り扱いアイテム数増加を図る売場レイアウトの変更、イベント感を演出する販売促進の3つの施策を融合させた取り組みを継続的に実施している。

デリバリーサービス需要のさらなる高まりを受け、スマートフォンで注文した商品を最短30分で指定の場所に届けるサービス「7NOW」への取り組みを強化した。

客層の幅を拡げる新たなファスト・フード商品やDAISO商品の取扱店舗拡大、各種フェアの積極的な販売促進策が奏功した。人流回復や好天に恵まれたことにより、既存店売り上げは前年を上回った。

海外コンビニエンスストア事業における営業収益は6兆6282億7100万円（88.3％増）、営業利益は2275億3900万円（82.3％増）。

北米の7-Eleven, Inc.は、米国市場での労働力不足や物流障害による供給制約といった問題が一部顕在化する中で安定した店舗運営に努めた。品質・収益性の高いフレッシュフード、オリジナル飲料の差別化商品の品ぞろえを強化、約5000店舗で対応しているデリバリーサービス「7NOW」を拡充している。

2021年5月に取得したSpeedway事業との統合プロセスは順調に進行しており、シナジー発現は今期見込んでいた4億5000万米ドルを大幅に上回るペースで推移しているという。

スーパーストア事業における営業収益は1兆648億7600万円（20.4％減）、営業利益は12億9500万円（87.2％減）。

イトーヨーカ堂は、人流回復・前年の営業時間短縮や入店者数制限の反動を主因にテナント等の売り上げが伸長し、テナント含む既存店売り上げは前年を上回ったが、食品の荒利率悪化、燃料費調整単価高騰による水道光熱費の増加により、営業損失は56億170万円（前年同期は24億6500万円の営業損失）だった。

ヨークベニマルは、コロナ禍発生以降、好調に推移してきた食品売り上げが減少に転じたことを主因に既存店売り上げは前年を下回ったが、ヨークベニマル店舗において総菜を製造、販売していたライフフーズと2022年3月1日付で合併したことにより商品荒利率は改善し、営業利益は119億9900万円（12.7％増）。

百貨店・専門店事業における営業収益は3373億6900万円（33.9％減）、営業損失は7億9400万円（前年同期は102億1700万円の営業損失）。

百貨店においては、前年の営業時間短縮や入店者数制限からの反動による衣料品売り上げの回復、ラグジュアリーブランド品の販売好調を主因に既存店売り上げが前年を上回ったが、水道光熱費をはじめとする販売管理費の増加を吸収しきれず営業損失となった。

また、レストランにおいては前年の営業時間短縮や酒類提供制限からの反動、外食ニーズの回復等により業績は改善傾向であるものの黒字化には至っていないという。

通期は好調な業績を受け、上方修正した。営業収益は1660億円増の11兆8120億円（35.0％増）、営業利益が230億円増の5000億円（29.0％増）、経常利益は251億円増の4675億円（30.4％増）、親会社に帰属する当期利益は160億円増の2800億円（32.8％増）を見込んでいる。