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ヤンマー/複合施設「YANMAR TOKYO」ブランディングでお米の魅力発信

2023年01月12日 15:40 / 店舗レポート

ヤンマーホールディングスは1月13日、東京・八重洲に複合施設「YANMAR TOKYO」をオープンする。体験型ギャラリーやヤンマー直営のレストラン、ショップなど計6店舗を展開する。

<YANMAR TOKYO>
YANMAR TOKYO

YANMAR TOKYOは、地下1階でJR東京駅、東京ミッドタウン八重洲、ヤエチカと直結する地下3階・地上14階建て、延べ床面積約2万2000m2の複合施設。3階~14階は、ヤンマーグループ、オフィステナントフロア。地下1階~2階は、商業エリア、ギャラリー、イベントスペース(HANASAKA SQUARE)、地下3階・地下2階は、駐車場を展開する。

ヤンマーは、農機具メーカーであり、農業の象徴的なアイテムとして米があるため、米の魅力を伝える施設構成とした。商業施設は、ヤンマーの掲げる企業理念に共感し、サステイナブルや食材のトレーサビリティなどの取り組む企業を集積したという。

<山岡社長兼CEO>
山岡社長兼CEO

山岡健人代表取締役社長兼CEOは、「ヤンマーは、人と自然が共生できる持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めている。サステイナブルとは、人は未来をよりよくできるということを信じることではないかとヤンマーは考えている。世代から世代へ、可能性への場をつなぐこと、明日を作り続けていくこと、その思いを体現するのが、『ハナサカ』という考え方に他なりません。ヤンマーは人の可能性を信じる会社です。あらゆるチャレンジを後押しする文化があります。ハナサカとは、花が咲くのではなく、花を咲かせること、咲かせ合う心を持つことであり、私たちの子は一輪の花ではなく、満開な花になります。全ての人は、みんな未来のためにあり、人が花咲くことが未来に花を咲かせる。ヤンマー東京から広がっていく可能性に、どうぞご期待ください」とあいさつした。

<HANASAKA SQUARE>

施設コンセプトは「HANASAKA」で、ヤンマーらしさの象徴である「HANASAKA」を発信する拠点として、「HANASAKA」の輪を広げることで人や未来の可能性を生み出す街づくりを目指す。商業フロアは、地下1階、1階、2階の3フロアで構成し、お米の魅力を発信するギャラリーや店舗がオープンする。

地下1階のイベントスペース「HANASAKA SQUARE(ハナサカ スクエア)」では、吹き抜けの天井を生かした桜のアートワークなど佐藤可士和氏監修の開放的な空間を楽しめる。来街者向けのコミュニティイベントなども実施する予定で、訪れる人と人が繋がり温かな交流が生まれるようなパブリックスペースを目指す。また「HANASAKA STAND(ハナサカ スタンド)」では、「HANASAKA(ハナサカ)」を体現する人やその活動を映像や展示物を通じて体感できる。

<長屋取締役CBO>
長屋取締役CBO

長屋昭浩取締役CBOは、「ヤンマーの事業はBtoBと言われますが、私どもは、BtoBは、BtoBtoCだと思ってます。最終的には、必ずお客様とつながります。お客様とのつながりが人を育てていく。サステイナブルというと環境軸の話だけになりがちですが、人とのつながりをしっかりやっていきたいという思い込めてブランディングしている。その意味で、ハナサカを立ち上げ、人と人を大切にする文化を作って行きたい。ヤンマーは1950年から、八重洲にあり、地下街も含めて一緒に活動してきた」とヤンマー東京開設の狙いを解説した。

<佐藤可士和氏>
佐藤可士和氏

佐藤可士和氏は、「2010年に、ヤンマーが100周年を迎える頃からブランディングのお手伝いをしてきた。ヤンマーの由来は、水田に稲穂がたくさんあって、そこにたくさんのトンボが来ている風景にある。それが幸せの風景だ。そして、トンボの王様がオニヤンマで、幸せの風景がずっと続くようにとヤンマーと名前がつけられた。だから、ヤンマーのロゴマークのフライングYは、トンボの形をデザインしている。また、Yは創業者の山岡孫吉氏のYでもあり、すごく重要なアイコンとなっている。このフライングYを重ねて今回のハナサカのマークをデザインし、ヤンマーとハナサカは一体であることを表現した。また、東京駅からつながる地下から吹き抜けを設けることで、この地がヤンマーのブランド発信拠点であることを分かりやすくした。吹き抜けには、約6000枚の和紙で作った桜のオブジェをつるしており、ここでもハナサカを表現した」とデザインコンセプトなどを解説した。

<海苔弁八重八>
海苔弁八重八

地下1階には、日本を代表する放送作家・プロデューサーの小山薫堂氏が監修する、お米にこだわるヤンマー直営の海苔弁当のテイクアウト店「海苔弁八重八」を展開する。ヤンマーグループのヤンマーマルシェが運営する初のお弁当専門店となる。同社によると、「特別栽培米のコシヒカリを羽釜で丁寧に炊き上げ、海苔は三河湾産の初摘みを使用することでこだわりの美味しさを追求した。副菜には季節の野菜コロッケやプチトマトの甘酢漬けなど、これまでにないバラエティ豊かなお弁当に仕上げた」という。

<ハナサカコーナー>
ハナサカコーナー

また、地下1階には、ヤンマーの価値観である「ハナサカ」を解説する「HANASAKA STAND」を設置した。ハナサカのコンセプトの解説のほか、ヤンマーが取り組むスポーツ支援活動などを紹介する。

<ヤンマー米ギャラリー>
ヤンマー米ギャラリー

1階は、米作りの歴史と今を学び、未来のカタチについて考えるきっかけを提供する、デジタル技術を活用した入場料無料体験型ギャラリーとして「ヤンマー米ギャラリー」を展開する。ギャラリーのディレクションは佐藤可士和氏、デザインは伝統的な茅葺き(かやぶき)技法を現代に生かすクリエイターである茅葺き職人の相良育弥氏とコラボレーションした。展示空間の内装材に、稲藁(いねわら)を使用しており、コンテンツだけでなく、空間デザインにおいても米の魅力を感じられる。

<米ギャラリーの展示>
米ギャラリーの展示

自分の性格を米の品種に紐づけて診断できる「お米の性格診断」や、米作りの際の問題とその解決方法を見つけるゲーム「お米づくりの知恵」、世界各地のお米料理の作り方や豆知識を見ることができるタッチパネルコンテンツ「お米の料理MAP」など、大人も子どもも楽しみながら学ぶことができる。

<KOME-SHIN(米心)>
KOME-SHIN(米心)

また、1階には、こだわりの米の販売や米を楽しむテイクアウト商品を提供する店舗「KOME-SHIN(米心)」を配置した。「ワインのようにお米を楽しむ」をコンセプトに各地の珠玉の米を2合からワインボトルに入れて販売する商品「RICE TERROIR(ライス・テロワール)」を販売する。米は日本中の農家とつながるヤンマーだからこそ提供できる多種多様な品種を揃え、京の米老舗 八代目儀兵衛とコラボレーションし、パッケージには「お米の美味しさバロメーター」をデザインした。

五ツ星お米マイスター 橋本儀兵衛氏が実際に食味をし、指標化した独自の美味しさバロメーターはお米の特長がわかりやすく、自分に合ったお米に出会える。また、ポークたまごおむすびなどお米を主役にしながら、厳選した食材を組み合わせたメニューをテイクアウトで楽しめる。

<SAKEICE Tokyo Shop>
SAKEICE Tokyo Shop

さらに、「日本酒」「酒米」「米粉」など新しい米消費の可能性を追求し、こだわりの日本酒や日本酒を練り込んだアイスクリームを販売する、日本酒アイスクリーム専門店「SAKEICE Tokyo Shop(サケアイス トーキョーショップ)」が出店する。

日本中の酒蔵とコラボした商品を開発しており、身近なスイーツであるアイスクリームをきっかけに、日本酒文化に触れる機会を提供する。また、ヤンマーオリジナル食材のライスジュレを使ったお米アイス(ノンアルコール)も販売する。

<ASTERISCO>
ASTERISCO

2階には、複合店舗「YANMAR MARCHE TOKYO」を展開。イタリアンレストランと特産品の販売店を併設する。

お米と楽しむイタリアンレストラン「ASTERISCO(アステリスコ)」は、小山薫堂氏が監修し、La Brianza(ラ・ブリアンツァ)オーナーシェフの奥野義幸氏がプロデュースするヤンマー直営のお米と楽しむイタリアンレストラン。ディナータイムには、四季折々の旬の食材を使用した小皿料理をワゴンサービス「YUMCHA STYLE(ヤムチャスタイル)」で提供する。食材の魅力や生産者のストーリーについて、お客がスタッフから説明を受けながら楽しくメニューを選べる対話型サービスを展開する。

<TOCHI-DOCHI>
TOCHI-DOCHI

ANA Xが企画・運営する地域の魅力を旅するお店「TOCHI-DOCHI(トチドチ)」では、地域の特産品を販売する。また、店内のオープンキッチンを活用したイベントなどを定期的に開催することにより、生産者とお客をつなぎ、地域の魅力を発信する。

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