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近鉄百貨店/2月期、臨時休業の反動増とインバウンド回復で増収増益

2023年04月11日 10:20 / 決算

近鉄百貨店が4月11日に発表した2023年2月期決算によると、売上高1078億4800万円(前年同期比9.9%増)、営業利益15億6600万円(前期は13億9900万円の損失)、経常利益19億4500万円(前期は5億7200万円の損失)、親会社に帰属する当期利益18億9300万円(前期は7億7500万円の損失)となった。

<あべのハルカス近鉄本店>
あべのハルカス近鉄本店

百貨店業の売上高は894億7600万円(11.8%増)、営業利益5億9400万円(前期は営業損失22億1400万円)だった。前年の緊急事態宣言下での店舗臨時休業の反動増と、外商売上やインバウンド売上が好調に推移したことにより増収増益となった。

百貨店業は、お客の安全確保を第一とし、全店において感染症拡大防止の対策を徹底しながら営業を継続するとともに、収益力及び集客力の強化に注力した。まず、あべのハルカス近鉄本店は、特選ブランドの強化を図るため、タワー館1階特選洋品売場に「セリーヌ」を導入するとともに、「ロエベ」のリニューアルを実施した。

また、ウイング館5階婦人服売場に、衣・食・住・サービスを混在させた売場である「スクランブルMD」の第2弾として、食のセレクトショップを含む「いろどりマルシェ」を導入したほか、自社フランチャイズ事業として、タワー館12階レストランフロアに、新業態のフルーツカフェ「フルフルール」の第1号店を導入し収益源の確保に努めた。

さらには、百貨店の強みである食料品売場の魅力向上のため、タワー館地下1階洋菓子売場に西日本初となる「ザ・マスターbyバターバトラー」や「あげもちcocoro」など5店舗を導入したほか、新型コロナウイルス感染症の影響により開催することができなかった集客催事を再開し、3年ぶりの開催となった秋の「大北海道展」では、連日多くのお客が来店した。

次に、地域中核店・郊外店においては、地域生活に「なくてはならない存在」を目指し、生活機能、商業機能、コミュニティ機能を融合した「タウンセンター化」への変革を推進するとともに、フランチャイズ事業を積極的に拡充するなど、地域特性に応じた改装を実施したほか、大型専門店を導入するなど収益力の安定及びローコスト運営への転換を図った。

奈良店では、2階ファッションフロアに本店で好評を博している「北海道どさんこプラザ」やフランチャイズ事業の新業態であるライフスタイル雑貨を取り扱う「ハンプティーダンプティー」などの新ショップを組合せ、フロア全体で「スクランブルMD」を取り入れた改装を実施したほか、四日市店においては、ハンズとの協業による「Plugs Market(プラグスマーケット)」を導入し、地域共創に取り組みました。

卸・小売業は、ジャパンフーズクリエイトにおいてサーモンなど水産物の価格上昇等により減収となったため、売上高は127億3200万円(4.3%減)、営業利益は4億4600万円(同8.4%減)だった。

次期は、売上高1107億円(2.6%増)、営業利益30億円(91.5%増)、経常利益23億円(18.2%増)、親会社に帰属する当期利益15億円(20.8%減)を見込んでいる。

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