流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





カスミ/子会社の不適切な会計処理で1億4800万円損失計上

2015年12月28日 / 経営

  • 関連キーワード
  • kasumi

カスミは12月25日、子会社のカスミトラベル(以下:トラベル社)での不適切な会計処理に関する調査結果と対応と防止策を発表した。

トラベル社において前代表取締役による不適切な会計処理が行われていたことが判明したことを受け、顧問弁護士を委員長とし、公認会計士を副委員長とする調査委員会を設置し、全容解明に向けて調査を実施した。

不正計上が行われた期間は2008年から2015年で、架空計上された売上高は合計5613万8000円。2015年8月末日時点の架空売掛金額は5286万9000円、「仮払金」「立替金」等として出金され、未清算の不明金額814万9000円を認定した。

さらに、トラベル社が東京電力に対し、福島原子力発電所事故に伴う原子力損害賠償金の請求を行うに際し、架空売上高を含む決算情報に基づき、本来申請し得る金額を超過した原子力損害賠償金を申請し受領していた。

トラベル社が旅行業者登録有効期間の更新申請に際し、事実と異なる基準資産額を茨城県知事に申告していたこと等の事実を認定した。

なお、東京電力より受領していた原子力損害賠償金は金額の算定根拠となる2010年度の売上高に不正に計上された売上が含まれていたことから11月27日に受領した合計9392万4619円全額をトラベル社より東京電力に返還した。

動機は、売上が伸びずに厳しい状態であり、赤字決算が連続することにより自社の事業存続に強い危機感を抱いた当時の代表取締役が回避するために、見かけ上の業績の黒字化を図っていた。

一連の不正行為に関与した関与者を特定し、トラベル社代表取締役を9月14日で取締役を解任、トラベル社営業店従業員を8月31日で懲戒解雇、同社取締役を12月24日で取締役を解任し、担当マネジャーを12月31日での諭旨解雇を決めた。

カスミの常勤取締役を対象に、代表取締役 取締役の月例報酬額の30%(対象2名)、役付取締役が取締役の月例報酬額の10%(対象4名)、取締役の月例報酬額の5%(対象2名)を3か月自主返上する。

監査役(4名)全員より監査役報酬の一部(10%)を3か月返上する。

カスミでは、連結で1億4800万円の損失を2016年2月期第3四半期にて計上する。

再発防止策として、子会社含め、社内ルールの整備運用の見直しと周知徹底と再教育内部統制システムの見直し等を含めた社内牽制機能の強化、各種モニタリングの実施等を通じ社内不正の未然の防止体制を強化する。

関連記事

関連カテゴリー

最新ニュース

一覧