NEC、ダンデライオン・チョコレート/AIと職人コラボ、時代映すチョコ開発
2018年11月02日 15:30 / 商品
日本電気(以下:NEC)とBean to Barチョコレート専門店のダンデライオン・チョコレート・ジャパンは、AIと新聞記事を活用し、時代のムードを味わえるチョコレート「あの頃は CHOCOLATE」を開発した。11月1日ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前で商品発表会を開催した。
AIとチョコレートメーカーのコラボレーションにより、社会を反映する新聞記事から、5つの時代のムードをチョコレートの味わいで再現している 。
同企画は、NECの最先端AI「NEC the WISE」を活用した、AIによる味覚予測シリーズ第2弾。
2017年に名作文学の読後感をAIで分析し、コーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」に続く商品となっている。
<NECの茂木マネージャー、ダンデライオン・チョコレートの伴野氏>
NECのIMC本部AI・アナリティクス事業開発本部の茂木崇マネージャーは「人間の仕事を奪うなどネガティブなイメージもあるAIだが、人間とのコラボで、人間の創造力がより発揮できると考えている。それを食品(チョコ)という身近なもので表現した」。
「モノからコトへと消費者の意識が移り変わっている。単なるモノであるチョコを食べるのでなく、時代を味わうコトとして、チョコを楽しんでもらいたい。普段、製造業で生産量の予測、検品などに使われているAIをもっと身近に感じてほしい」と説明した。
「あの頃は CHOCOLATE」は、過去約60年の新聞記事のうち、印象的な出来事のあった5つの年をピックアップ。
各1年分の新聞記事をAIで分析、分析結果を表した7つの味覚指標をもとに、各時代のムードをチョコレートで再現した。
今回、「1969 人類初の月面着陸味」、「1974 オイルショックの混迷味」、「1987 魅惑のバブル絶頂味」、「1991 絶望のバブル崩壊味」、「2017 イノベーションの夜明け味」の5種類を開発した。
価格は、単品1620円(税込)、アソートボックス(5種)3240円。現在、ダンデライオン・チョコレートのオンラインショップで予約を受け付けている。
開発プロセスは、NECのデータサイエンティストが、新聞1面記事のテキストデータから、代表的な頻出単語(約600語)に対し、チョコレートの7つの味覚指標(甘味/苦味/酸味/ナッツ感/フローラル/フルーティ/スパイシー)を付与した学習データを作成した。
「改革」「先進」はスパイシー、「新しい」「若い」などはフルーティといった指標は、データサイエンティスト(人間)が作成。
次に、AI「NEC the WISE」を活用した「NEC Advanced Analytics Platform with 異種混合学習」に、学習データおよび大量のテキストデータから構築した単語の意味情報を投入した。
約60年分の新聞記事(1960年1月~2018年8月の約60年分、朝刊一面記事、17万件)記載の単語(約13万8千語)の味をAIが推定している。
推定された全単語の味を用いて年ごとの記事を分析し、その年のムードを表す味覚指標のレーダーチャートを作成した。
その中の60個のレーダーチャートから印象的な年として5つの年を選出し、作られたレーダーチャートをレシピとして、ダンデライオン・チョコレートのチョコレートメーカーが5種のチョコレートを開発した。
ダンデライオン・チョコレート・ジャパンの伴野智映子チョコレートメーカーは「最も開発が難しかったのが、絶望のバブル崩壊味。砂糖を一切使わず、カカオのみでできており、絶望を苦みを表現している。2017 イノベーションの夜明け味は、バニラのような甘み、シナモンのようなスパイシーさで期待や夢に見た未来を表した自信作」と話した。
■予約受付開始日:2018年10月25日
ダンデライオン・チョコレート オンラインストアのみ
商品引き渡し期間:2018年12月21日~2019年2月14日
取り扱い店舗:ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前、ダンデライオン・チョコレート京都東山一念坂店、ダンデライオン・チョコレート オンラインストア
https://dandelionchocolate.jp/
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