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外食チェーン/48社・58業態で複数回の値上げを実施

2023年04月25日 14:50 / 商品

東京商工リサーチが4月24日発表した大手外食チェーンの値上げ調査によると、122社のうち、2022年1月から2023年4月上旬までに値上げを実施・公表したのは86社(構成比70.4%)と7割を超えたことがわかった。

<値上げ実施の内訳>
値上げ実施の内訳
※出典:東京商工リサーチホームページ(以下同)

86社のうち、2回以上の値上げを表明したのは48社(同55.8%)だった。原材料高や円安による輸入食材の価格高騰に加え、サービス業でも深刻な人件費上昇、光熱費上昇を値上げの理由に挙げる企業が相次ぎ、48社・58業態で複数回の値上げを実施したという。

また、鳥インフルエンザなどによる卵不足から、卵を使用したメニューの休止や見直しを公表したのは27社・34業態だった。

値上げ実施の内訳は、値上げ回数は、「1回」が38社(同31.1%)、「2回」が35社(同28.6%)、3回以上は13社(同10.6%)だった。「値上げしていない」企業は36社(同29.5%)で、3割を切った。 前回調査(2022年11月)からの増加は「2回」(25社→35社)と「3回以上」(3社→13社)。減少は「1回」(54社→38社)と「値上げしていない」(40→36社)となっている。

<中華・ラーメン最多>
中華・ラーメン最多

ジャンル別では、「中華・ラーメン」が20業態で最多だった。麺原料の輸入小麦の価格上昇が続くなか、スープ原料の業務用魚介だしも今春、メーカー各社で再び値上げが続く模様だ。

「レストラン」「ステーキ・焼き肉他」が各17業態、「ファストフード」14業態と続いている。

<値上げの理由>
値上げの理由

値上げの理由は、最多が「原材料」の高騰で101業態(前回調査89業態)で、前回から12業態増加した。「物流」66業態(同53業態)と続いている。前回調査からの増加率は、「光熱費」210.0%増(10→31業態)、「円安」133.3%増(12→28業態)、「人件費」78.2%増(23→41業態)となった。

■卵メニュー34業態が休止・見直し

<卵メニューの休止・見直し>
卵メニューの休止・見直し

鳥インフルエンザのまん延などで生じた鶏卵不足で、卵メニューの休止や代替メニューへの見直しを公表したのは27社・34業態だった。

最多は、中華・ラーメンの8業態で、煮卵の提供制限、天津飯の販売休止などを行っている。

レストランでも7業態あり、デザートの種類見直し、モーニングの目玉焼きを代替品に置き換えるなどメニューの見直しが実施されている。

コーヒーは5業態で、サンドイッチの卵抜き、自社製カスタードクリームの提供中止があった。定食では鶏南蛮に添えるタルタルソースに使用する卵の不足から提供を一時休止するチェーンもあった。

同調査は、国内の主な外食大手122社を対象に、2022年1月1日以降に値上げを実施、または、実施予定を文書、ウェブ、開示資料などで公表した企業を集計した。調査は2022年7月、9月、11月に続き4回目。

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