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日本アクセス/「秋季フードコンベンション」冷食・チルドを強化

2023年07月26日 15:40 / 商品

日本アクセスは7月26日~27日、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で、秋の総合展示商談会「秋季フードコンベンション2023」を開催している。

<東日本会場の様子>

今年のテーマは「変革と挑戦」で、消費者が求める価値の変化に対応し、今年で設立30周年を迎える同社ならではのビジネスモデルを作り上げるべく、設定した。現在、開催中の東日本会場には取引先企業など約1万2000名が来場予定。メーカーの内訳は、クロスカテゴリー32、ドライ163、アイス13、冷凍食品35、和日配117、洋日配42、乳製品17、生鮮デリカ81、計約500社が出展する見込み。なお、7月20~21日には西日本地区を対象に同様の総合展示商談会を開催しており、来場者数約7100人、メーカー約550社が参加した。

<世代ごとに「共感」を生むことが肝要>

フローズン食品MD部は、冷凍食品のトレンド情報をまとめたブースを展開している。Z世代がタイパ(タイムパフォーマンス)を重視して洗い物が不要な簡便食品を求める一方、シニア世代は多世代に比べてミールキットの使用率が高いことを指摘しており、世代別価値観に基づいて「共感」を生み、冷食の伸びしろがある世代に向けて訴求することを提案した。

売場づくりにあたっては、コロナ禍後の「お弁当品」需要が回復傾向にあるとしており、物価高による節約意識の高まり、学校行事の復活などで年代別の弁当喫食率が増加しているデータも展示している。弁当品の売場確保の必要性を訴えた。冷食について、マーケティング部長 リテールAI推進担当の今津 達也氏は「今後はおかずのバリエーションを増やしていきたい。弊社のPB商品でもそうだが、冷食メーカー各社の商品にワントレー(主食、おかず、副菜がワンセットでまとめて調理できる)のものが増えている。冷凍スイーツなどの需要にも対応していく」としている。

同社グループではこのほか、北海道産の素材を用いて「北海道を自宅で感じられる」商品を開発する日本アクセス北海道から、全国に北海道産冷食を展開する。9月には新商品「北海道バターアイス」を販売するという。

<冷凍フルーツなどスイーツ需要増>

同社ではこれまでにも、消費者やメーカーを巻き込んだ体験型販促を展開しており、フローズン売場全体の活性化を図っている。一般消費者によるweb投票で冷凍食品にランク付けを行う企画「フローズン・アワード」のほか、同企画の10周年特別企画として冷食・アイスを食べ放題で提供する期間限定企画「チン!するレストラン」を開催した。冷凍食品をさらに普及することを目的としたもので、同企画の概要についても展示。2022年に秋葉原で、2023年には大阪でそれぞれ開催しており、いずれもキャンセル待ちが発生するほどの大盛況だった。

同企画について、フローズン食品MD部 冷凍食品課の瀧 友哉氏は「冷食・家電メーカーで一丸となってフローズン売場を盛り上げるための取り組みで、一般消費者にまず手に取ってもらうことを大事にした。冷凍食品の普及だけでなく調理家電の販促にもつながり、秋葉原の会場で開催期間中は近隣の電化製品店で家電の客単価が5000円以上も上がり、最大で約15万円の調理機器も売れたと聞いている」と話す。

このうち、同レストラン・大阪会場での冷食人気ナンバー1、2を占めたのは、アヲハタの「くちどけフローズン」の白桃・いちご味となった。同社は元々ジャムメーカーだが、冷食で手軽にフルーツを手に取ってもらえるよう今年度から本格的にフローズン事業を展開。これまでにもセブン‐イレブンのPBとして一部アイテムを展開しているという。独自技術「やわらかフローズン」製法で、冷凍でも食感が柔らかく、香りのよいフルーツを提供する。

<「チル酒」をシーン別に商品提案>

同社はチルド酒類(新鮮なお酒)=チル酒という造語をつくり、新たなブランドを展開していく。チルをダブルミーニングとして捉え、癒しの空間をつくる1つのツールとしてチルド酒類を提案する。その中でも若年層をターゲットに据え、こだわりの「チル酒」をPRすることで飲酒機会を作り、購入者層を広げていく。

酒類MD部 酒類課長の甘利 有史氏は「各小売店で蔵元から生酒を直送して販売する場合、現在では宅配便でケース単位での出荷が多く、バックヤードで劣化することも多い。冷凍物流を得意とするアクセスのチルド物流機能で蔵元と小売店をつなぎ、販路を提供し、ゆくゆくは小ロットでの対応も検討している。リピートしてもらうためにも、まずは付加価値の高い、高品質な日本酒を展開していく」と述べた。

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