流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





ローソン/冷凍おにぎりで物流効率化、食品ロスも削減

2023年08月22日 14:40 / 商品

ローソンは8月22日~11月20日、冷凍流通による物流の効率化を検証するため「冷凍おにぎり」6品を東京11店舗・福島10店舗で実験販売する。

<「冷凍おにぎり」を実験販売>
「冷凍おにぎり」を実験販売

コンビニエンスストアを取り巻く環境は、物流2024年問題、燃料費・人件費高騰、食品ロス削減への社会的要請、地方の人口減少による店舗網維持への不安など厳しい状況にある。

これらの課題に対し、ローソンでは、AIによる配送ルート最適化、チルド物流を1日2~3便から12月以降全国1日2便体制への変更するなど、サプライチェーン改革を行ってきた。

今回、冷凍流通拡大による物流効率化を目指し、「温めて食べる冷凍おにぎり」を提案。通常のおにぎりに比べ、冷凍食品であるため、賞味期限が長く(約4カ月)、週に5回程度、店舗に届ければすむため、配送頻度を減らすことができる。また、販売時間が延長されることによる店舗での廃棄ロス、多頻度の発注に備えるため、工場で作り置きしておく商品のロス削減にもつながる。

さらに、過疎化が進むエリアでの配送頻度の削減による店舗経営維持、出店困難エリアへの店舗拡大への効果も期待しているという。

<涌井和弘 上級執行役員>
涌井和弘 上級執行役員

涌井和弘 上級執行役員 商品本部 副本部長 兼 発注DX推進部 部長は、8月22日開催した説明会で「即食食品のおにぎりを冷凍で投入することにより、サプライチェーン・店舗の課題である配送・賞味期限といった時間、工場・物流施設・店舗間の距離という制約を解消できる。冷凍流通で多頻度輸送を減らし、過疎地でも品ぞろえを確保することも可能だ」としている。

<冷凍食品売り場で販売>
冷凍食品売り場

実験販売する冷凍おにぎりは、通常製造しているおにぎりをベンダー工場で冷凍し、冷凍物流で店舗に納品する。冷凍食品売り場で販売し、店舗の電子レンジで温めて食べる仕様となっている。

今回の実験販売は、リサーチ会社の調査において、全国で最もおにぎりを温めるかを聞かれる結果となった福島県と一般的な東京都の店舗で行い、温めて食べる冷凍おにぎりが生活者に支持されるかの地域差などを検証したい考え。

<冷凍おにぎりをポップでアピール>
冷凍おにぎりをポップでアピール

21店舗での実験を踏まえ、2024年度に一部エリア・店舗の拡大、2025年度に全国拡大を計画している。

具体的には、既存のおにぎり定番メニュー6品を冷凍おにぎりとして発売。販売商品は、「焼さけおにぎり」(税込み268円)、「赤飯おこわおにぎり」(149円)、「五目おこわおにぎり」(154円)、「鶏五目おにぎり」(138円)、「胡麻さけおにぎり」(138円)、「わかめごはんおにぎり」(138円)。通常のおにぎりも併売し、冷凍おにぎりをアピールすることで、どこまで通常のおにぎりからスイッチされるか実験する。価格は「焼さけおにぎり」、「鶏五目おにぎり」以外は常温も冷凍も同じとなる。「鶏五目おにぎり」は常温149円。「焼さけおにぎり」の常温バージョンとなる「金しゃりおにぎり 焼さけハラミ」は279円。

<通常のおにぎりも併売し販売動向を検証>
通常のおにぎり

冷凍おにぎりで冷凍商品の即食行動拡大にチャレンジし、今後はおにぎり以外に、弁当・調理パンでも冷凍食品を置き換えることで、最終的には食品ロスゼロを目指す。

涌井上級執行役員は「グリーンローソンで、冷凍弁当の即食化の実験を行った際は、冷凍弁当はストック需要のほうが強かった。すぐに食べたい商品を冷凍食品で買うというのは、生活者に違和感があることがわかった。冷凍おにぎりは常温のおにぎりの味とそん色なく、塩もなれすぎず、将来的には塩分・添加物も減らせるメリットもある。今回、冷凍おにぎりで冷凍商品の即食行動拡大にあらためて挑戦し、温めて食べるおにぎりがどこまで支持されるのか検証したい。冷凍流通の拡大で配送を1日1回以下に減らすと、CO2削減効果は約30%減となる見込みで、サプライチェーンのさまざまな課題解決につながる」としている。

■ローソンの関連記事
ローソン/北海道厚岸町に初出店「ローソン厚岸大橋店」オープン

関連記事

商品 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧