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政府/新型コロナウイルス対応「長期戦の覚悟を」瀬戸際続く

2020年03月28日行政

安倍晋三総理は3月28日、記者会見を開き、新型コロナウイルス感染症に対する現状認識は、ギリギリ持ちこたえている状況であり、瀬戸際の状況がある程度、長期に渡って続き、長期戦を覚悟する必要があると述べた。

安倍総理 新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっています。感染者は50万人を超えました。最初の10万人に達するまで60日以上かかりましたが、直近ではわずか2日で10万人増加しており、まさに爆発的なペースで拡大しています。いくつかの国々では、連日、数百人規模で、死者数が増えており、増加する重症者に十分な医療を提供できていない。まさに医療崩壊とも呼ぶべき事態も発生しています。これは、決して対岸の火事ではありません。日本でも短期間のうちに、同じ状況になっているかもしれない。それくらいの危機感をもって、最大限の警戒を改めて国民の皆様にお願いします。

これまで、我が国では専門家の皆さん、保健所はじめ、現場の医療関係者の努力によって、いわゆるクラスターと呼ばれる集団での感染のつながりを早期に発見して、しっかりとコントロールする。そうすることで、何とか持ちこたえてきました。

しかし、足元では感染経路が分からない患者が東京や大阪など、都市部を中心に増加しています。感染のつながりが見えなければ、その背景に、どのくらいの規模の感染者が存在しているのか、知ることができません。そして、制御できない感染の連鎖が生ずれば、どこかで、爆発的な感染拡大が発生しかねません。

いわゆるオーバーシュートの可能性について東京では25日、小池知事が重大局面にあるとし、夜間、休日の外出自粛などを都民の皆さんに要請しました。千葉、神奈川、埼玉、山梨の4県知事と共に、イベントの自粛、不要不急の外出自粛について協力を呼び掛けています。大阪や熊本でも、この週末の外出自粛が要請されています。私からもこうした自治体の呼びかけに、私からも深くお願いいたします。

ひとたび、爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算すると、わずか2週間で、感染者数が今の30倍以上に跳ね上がります。そうなれば、感染のスピードを極力抑えながらピークを後ろ倒ししていくとの我々の戦略が一気に崩れることとなります。

まだ、欧米に比べれば、感染者の総数は少ないと考える方はいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちが毎日見ている感染者の数は、潜伏期間などを踏まえれば、2週間程前の新規感染の状況を捉えたもの過ぎません。つまり、今すでに爆発的な感染拡大が発生していたとしても、すぐには察知することはできません。

2週間経って、数字となって現れた時には、患者の増加スピードはもはや制御できない程になってしまっている。これが、この感染症のもっとも恐ろしいところであり、私たちはこの恐ろしい敵と不屈の覚悟で戦い続けぬかなければならないのです。その強い危機感の下に、自衛隊も動員して水際対策を抜本的に強化しました。

一昨日には、改正特別措置法に基づいて、政府対策本部の設置を閣議決定いたしました。これにより、全ての都道府県にも対策本部が設置されたところであり、自治体との緊密な連携の下に、最悪の事態も想定しながら、感染拡大の防止に全力を尽くして参ります。国民の皆さんにも不要不急の渡航の自粛をお願いいたします。

そして、集団による感染のリスクを下げるため、いわゆる三つの条件をできるだけ避ける行動を改めてお願いいたします。第一に「換気の悪い密閉空間」、第二に「人が密集している場所」、第三に「近距離での密接な会話」、密閉、密集、密接、この三つの密を避ける行動をお願いします。

■新学期からの学校再開は専門家会議の意見を踏まえる

新学期からの学校再開にあたり、今週、文部科学省がガイドラインをお示ししました。教室の窓を開けて換気を徹底するなど、三つの条件を回避する対策を、それぞれの教育現場で徹底的に講じていただくことで、子どもたちの感染防止に万全を期す考えです。再開にあたっては、来週にももう一度、専門家会合を開き、専門的な見地からご意見を伺う感がです。

専門家の皆さんが、瀬戸際だという見解を示してから、1カ月あまりが経ちました。この間、3つの条件のように分かってきたこともありますが、大規模イベントの中止・延期、規模縮小等を要請するなど、国民の皆様には、大変なご苦労をお願いして参りました。ご協力に心から感謝申し上げます。

なかには、この1カ月で、いわばコロナ疲れ、自粛疲れとも呼ぶべきストレスを感じておられる方も多いかもしれません。しかし、オーバーシュートが発生した欧米各国では、都市を封鎖したり、強制的な外出禁止、生活必需品以外の店舗封鎖など、強硬な措置を講じざる得なくなっています。現在、大変、ご不便をおかけしていますが、それは、一層厳しいこのような強硬措置を回避するためのものであることを、まずご理解いただきたいと思います。

繰り返しになりますが、日本は、欧米とは異なって、現状では、まだギリギリ持ちこたえています。しかし、それ故に、少しでも気を緩めればいつ急拡大してもおかしくない。幸い、オーバーシュートを回避できたとしても、それはまさに、水際の状態がある程度の長期に渡って続くことを意味します。この戦いは、長期戦を覚悟していただく必要がある。そのことを率直に申し上げ、感染拡大の防止に引き続き国民の皆様のご協力を賜りますようお願いいたします。

政府としても1日でも早く、皆さんの不安を解消できるよう有効な治療薬やワクチンの開発を世界の英知を結集して加速して参ります。先般、テレビ会議で実施されたG7サミットでも、G20サミットでもそのことを強く主張し、世界の首脳たちから賛同を得ました。

我が国では、4つの薬についてすでに観察研究としての投与を開始しています。このうち、新型インフルエンザの治療薬として承認を受け、副作用なども判明しているアビガンについては、これまで数十例で投与がおこなれています。ウイルスの増殖を防ぐ薬であり、すでに症状の改善に効果が出ているとの報告もあります。アビガンには、海外の多くの国から関心が寄せられており、今後、希望する国々と協力しながら、臨床研究を拡大するとともに、薬の増産をスタートします。新型コロナウイルス感染症の治療薬として正式に承認するにあたって、必要となる試験プロセスも開始する考えです。

エボラ出血熱の治療薬として開発されていたレムデシビルについては、日米が中心となった国際共同支援がスタートしています。そして五つ目の有力候補として、膵炎(すいえん)の治療薬に承認されているフサンについて、今後、観察研究として、事前に同意を得た患者さんへの投与をスタートする予定です。

さらには、現在、治療薬やワクチンなどの開発に向けて、大学や民間企業でもさまざまな動きが出てきています。これらを政府が力強く後押しすることにより、あらゆる可能性を追求します。日本だけでなく、世界中を未曽有の不安と恐怖が覆う中で、日本は持ち前のイノベーションの力で、希望の火をともす存在でありたいと願っています。

2020年3月28日安倍内閣総理大臣記者会見

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