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イオン、サトー/HACCP対応のクラウドシステムを共同開発、作業人時58%削減

イオンリテールとサトーホールディングスはこのほど、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point・ハサップ)に対応するIoTを活用したクラウドシステムを共同開発した。

<システム概要図>
システム概要図

2月13日~15日、幕張メッセで開催されるスーパーマーケットトレード2019で、クラウドシステムを発表した。

2018年6月に公布され、2020年6月までに施行の改正食品衛生法では、原則として全ての食品等事業者(小売業・外食などを含む)に、国際的に推奨される食品衛生管理手法であるハサップに沿った衛生管理に取り組むことが盛り込まれている。

ハサップにおいては、食品製造工程上の危害要因をあらかじめ予測し、危害を防止するための重要管理ポイントを特定した上で、そのポイントを継続的に記録管理していくことが求められることに対応した。

これまで、必要なデータの記録・管理は手書きの帳票形式のため、記録記入時間に加え、帳票管理に多大な労力を要しており、大型店舗では月間で210人時がかかっていた。

試験導入した店舗では、作業時間が88人時まで削減できり、作業人時を58%削減できたという。

<イオンリテールの岩井氏>
イオンリテールの岩井氏

システム開発に携わったイオンリテールの岩井孝憲ストアオペレーション部オペレーションG兼HACCP導入推進タスクは、「これまでも当社は独自の衛生管理基準を設け実践してきたが、冷蔵ケースの温度管理など記録を残すことが中心となっていた。重要なのは、記録を残すことではなく、現場で問題が起きた時にリアルタイムに対応することだ。新システムにより、従来よりも短時間で、より迅速に問題へ対応する」と語る。

新システムでは、ハサップ対応の要となる各データを効率的・自動的に記録しクラウド上で一元管理することで、国内に展開する店舗すべての情報を管理者が同じ条件で、タイムリーに確認することができる。

惣菜部門や生鮮食品部門に携わる従業員の健康チェック、店内加工品の加熱調理記録、冷蔵・冷凍ケースの温度管理といった毎日のルーティンワークをIotを活用して、一元管理する。

<イオンリテールの小坂氏>
イオンリテールの小坂氏

イオンリテールお客さまサービス部の小坂有以衛生担当は、「これまでは、何か問題があった時は電話対応からはじまり、実際に店舗に足を運び状況を把握する必要があった。本部と店舗で状況を把握するのに手間がかかったが、新システムでは、本部と店舗で同じ画面を見ながら、問題を確認することができる。新システムでは、問題へどのように対処したのかを含めて、しっかりと記録することができる」と語る。

<クラウドシステムの管理画面>
クラウドシステムの管理画面

これまで紙に記録していた従業員の体調チェックは、タブレット端末を活用して実施。

<紙ベースの体調チェック表>
紙ベースの体調チェック表

タブレット端末に直接、従業員が入力することで、記入漏れや記入ミスなどを防止する。。

<タブレット端末で体調チェック>
タブレット端末で体調チェック

店内加工品の加熱調理記録でもタブレット端末を活用して実施。過熱が足りない場合の再加熱の指示もタブレット端末を通じて、リアルタイムに行う。

<店内加工品の加熱調理記録>
店内加工品の加熱調理記録

現在、体温計や中心温度計とクラウドシステムは直接連携しておらず、計測値を手入力で記載しているが、9月末までに、体温計や中心温度計自体がクラウドシステムに直接連携する仕組みを構築する予定だ。

体温計や中心温度計の数値が自動で、クラウドシステムに入力される仕組みを構築することで、作業効率の向上と人的なミスを防止する。

<冷蔵ケースの品温管理>
冷蔵ケースの品温管理

冷蔵・冷凍ケースの温度管理もこれまでは、紙に記録をしていた。

今回のシステムでは、冷蔵・冷凍ケースメーカーとも協力して、冷蔵・冷凍ケース自身が行っている温度管理記録をクラウドシステムに連携させる予定だ。

イオンリテールでは1店舗あたり平均で110台の冷蔵・冷凍ケースがあり、これまでは手作業で温度管理を行っていた。

1店舗で、温度管理表は月間で約250枚、年間で約3000枚となり、これを2年間保管している。

冷蔵ケースの入れ替えを伴うリニューアル店舗を中心に、新システムを導入するほか、9月末までに冷蔵ケース自体が温度管理記録機能を持たない旧型の冷蔵・冷凍ケースの温度記録をクラウドシステムに連携させる仕組みを構築する計画だ。

<1年間に記録する温度管理表の一例>
1年間に記録する温度管理表の一例

イオンリテールの岩井氏は、「これまでは単純に記録することにコストと労力がかかっていた。新システムを導入することで単純作業がなくなり、従業員のモチベーションアップも期待できる」と語る。

システムは「イオンスタイル仙台卸町(宮城県仙台市)」「イオンスタイル水戸下市(茨城県水戸市)」「イオンスタイル津南(三重県津市)」に先行導入している。

今後、本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」など既存店舗へも展開を進め、2020年6月までに約400店への展開を予定する。

サトーはこれまで、イオンリテールの店舗で、ラベルプリンターを中心に商品を展開していた。イオンリテールは、惣菜、生鮮部門など店内業務を熟知し、店舗での課題に精通していることから、サトーをパートナーに選定したという。

衛生管理やハサップへの対応は、食品小売業界にとって共通の課題であるため、サトーを通じて、全国の事業者に新システムを普及させていきたいという。

■問い合わせ
サトー
営業本部第一事業部
担当:村原、古宮
TEL:03-5745-7450

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