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イオンリテール/「AIオーダー」開発、全380店に導入・発注時間5割削減

2023年04月20日 16:50 / IT・システム

イオンリテールは5月13日、独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」を、関東・北陸信越・東海・近畿・中四国の「イオン」「イオンスタイル」など約380店舗に導入する。

<AIオーダーの概要>
AIオーダー

「AIオーダー」は、客数と商品の需要予測をもとに最適な発注数を提示するシステムで、曜日や行事、商品価格といった「要因」ごとの「販売数」をAIが学習し、日ごとの販売数をより正確に予測する。これにより、特売時や気候により販売数が変動する商品について、適時・適量で発注することができ、突発的な品切れを防ぐ。

また、システムは、イオンリテールが独自に既存の発注システムに埋め込む形で設計しているため、新たに使い方の教育を必要とせず、投資コストも抑え、全店への導入を容易にしている。正確な発注数を自動で提示し、発注時間を平均で5割削減する。

予測精度が改善したのが大きな特長で、既存の発注予測システムとのPI値(レジ通過客数1000人あたりの買上点数)予測差で比較すると、AIによる客数予測や過去の販売実績とあわせて曜日・価格・気温・プロモーションなどを機械学習させることで、既存システムと比べ精度を最大40%改善した。

システムは気温の変化等による突発的な品切れを減らす効果があるだけでなく、過剰発注も防止する。実証実験店舗では「AIオーダー」を適用した商品カテゴリの平均在庫金額が適用前に比べ3割削減する効果があった。

現在のAIオーダーの導入部門は、日配品(練り物・豆腐・パン・デザート・生菓子など)の約1000品目で、今後、日配品以外の食品、衣料、暮らしの品などにも拡大する予定だ。

発注数が適量になることで入荷整理や品出しのほか、在庫管理、値引き、発注修正などあらゆる業務負荷が減り、飛躍的な生産性向上につながる。生産性を向上させることで、単純作業から、接客や売場整理といったサービス向上の業務へとシフトする。

イオンリテールでは、店舗データのデジタル化や需要予測を行い、発注の最適化を進め、今後、物流課題の解決や商品開発などのサプライチェーンのDXをさらに推進するという。

<山村システム企画本部長>
山村システム企画本部長

4月20日WEB開催したAI需要予測・発注システム発表説明会で、山村卓也システム企画本部長は、「イオンリテールでは、店舗の買い物体験を最大限向上させるために、まずは完璧な売場メンテナンスを目指す。その上で、鮮魚などの対面販売や店内調理製造の惣菜、必要に応じた接客販売をこれまで以上に強化する。さらに、イオンネットスーパーやイオンスタイルオンラインなど、新たな事業であるEC領域へ働き方をシフトし、お客様とのタッチポイントを圧倒的に高める。そのために、それ以外の業務領域の省人化を果たす」とAIオーダー導入の趣旨を解説した。

すでに先行導入しているセルフレジシステム「レジゴー」は、現在導入店舗の20%のお客が利用し、国内で最大級のソリューションに成長しており、今年度レジゴーとセルフレジで50%の売上を目指しているという。

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