東急不動産×ソフトバンク/「広域渋谷圏」でインバウンドの回遊性高める共同実験
2024年11月07日 17:24 / IT・システム
東急不動産とソフトバンクは11月11日、生成AIを活用して「広域渋谷圏」で来街者の行動変容を促す共同実証を開始する。
期間は12月23日まで。「地域特化型生成AI」を搭載したアプリケーションを操作できるタッチ式のデジタルサイネージを、「渋谷フクラス」(東京都渋谷区)1階の観光案内所兼アートセンター「shibuya-san(シブヤサン)」に設置する。
サイネージには、生成AIにより生み出された「渋谷で働く女性」や「渋谷に長年住む地元のおじいさん」など、さまざまな人格・個性を持ったアバターが表示される。来街者に選択されたアバターは、街のリアルタイム情報や事前学習した「観光案内所スタッフのおすすめスポット」「近隣住民・学生に人気の飲食店」などの「広域渋谷圏に関する独自情報」をもとに、訪問先の提案を行う。
アバターが来街者の興味や目的などに寄り添うことで、まるで街に詳しい人物と会話をしているかのようなやりとりを提供し、来街者が「広域渋谷圏」を回遊するきっかけを作る。これで来街者の行動がどのように変化するのかを検証していく。
東急不動産とソフトバンクはこれまで、スマートシティの国家戦略特区である竹芝エリアで、都市型スマートシティのモデルケース構築に取り組んできた。そのため「都市OSの活用に関する知見」を持つ。
今回、自然言語処理モデル「GPT」をベースに、東急不動産が保有する「広域渋谷圏」に関わる情報を学習させた「地域特化型生成AI」基盤を新たに構築した。これをデータ連携基盤(都市OS)と組み合わせてアプリを開発。タッチ式サイネージに搭載し、「渋谷フクラス」1階の観光案内所「シブヤサン」に設置する。
なお、「渋谷フクラス」1階にはバスターミナルもあり、羽田・成田の両空港にアクセスできることから、国内外からの旅行客が訪れる。そのため、サイネージの利用者は、主にインバウンドを見込む。言語は、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語に対応した。「広域渋谷圏」にあまり詳しくない旅行客の回遊性を高める狙いだ。
また、「広域渋谷圏」は、渋谷や原宿、表参道など世界中から多くの人々が訪れるエリアだが、渋谷スクランブル交差点や忠犬ハチ公像といった観光名所に対する認知度が高い一方、飲食店・ショッピングに関する知名度・満足度が相対的に低い傾向があるという。来街者に対して、さまざまな魅力を訴求することで、回遊性の向上につなげていく。
■共同実証の概要
期間:2024年11月11日~12月23日
場所:shibuya-san(東京都渋谷区道玄坂1-2-3 渋谷フクラス1階)
対応言語:日本語、英語、中国語、韓国語
■東急不動産の関連記事
東急不動産/「体験」「コミュニティ」を創出する商業施設のあり方
■ソフトバンクの関連記事
ソフトバンク×Agoop/人流データ可視化し集客アップ支援
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。