森永製菓/YouTube広告導入で「inゼリー」売上約1億円増加
2022年10月28日 16:50 / 販促
森永製菓は10月27日、両国国技館(東京都墨田区)で開催された「YouTube Brandcast 2022」で、YouTube広告による「inゼリー」の売上アップ事例について発表した。
<スクリーンに映る森永製菓の松永秀樹氏>
発表には、森永製菓 取締役 上席執行役員マーケティング本部長 松永秀樹氏が登壇。今回、事例として挙げた「inゼリー」は、1994年に発売開始した同社主力ブランドの1つ。幅広い年代層に支持されており、EC展開もしているが実店舗での売上割合が最も多いという。昨今では、若年層のテレビ離れなどの行動変化に合わせ、デジタル媒体への出稿を積極的に実施。その中で、広告の売上貢献の可視化が大きな課題となった。
そこで同社はGoogleと協働して購買リフト検証を実施。「True Data」(小売業のアクティブ会員約6000万人の購買データを扱うプラットフォーム)の購買履歴と、YouTubeでのエリア別配信テストによって、売上の純増効果を可視化するという内容だ。
まず、Googleのデータ分析チームが全国の都道府県をテスト群とコントロール群に分割。キャンペーン以前のPOSデータを分析し、期別の売上の動きが限りなく同じになるように分け、検証する施策以外のノイズが入らないようにしている。コントロール群ではテレビCMのみ放映し、テスト群では、テレビCMに加えてYouTubeでも同じ広告を配信した。
<受験シーズンのティーン世代をターゲットに>
検証は今年の1月に行い、受験シーズン用のCMを使用。ティーン世代をメインターゲットに、30~50歳代の親世代をサブターゲットとした。KPI(重要業績評価指標)は、売上金額と個数とし、テレビとYouTubeの配分は10:1に設定している。
その結果、売上金額はメイン・サブターゲット合わせて、YouTube広告を利用したテスト群の方がコントロール群と比べて13%も売上増加、売上個数は15%も増えた。このデータをもとに、より詳細な分析を実施。「True Data」で捕捉しているPOSデータのうち、今回の検証で使用したものはドラッグストアの一部のデータとなる。そのため売上構成比も考慮した拡大推計を行った結果、ROASが550%増、全体で約1億円の売上増となった。
今後の展望について、森永製菓の松永氏は「テレビとYouTubeを組み合わせることでまだまだ売上が上がるのではないかと実感している。今後、この2つの重複率をさらに上げていくことで、売上がどう動くのか、ほかのブランドにも展開し、コストと売上のバランスを検証しながら、売上目標を見据えた効率的なメディアミックスを見つけていきたい」としている。
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