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セブンイレブン/YouTube広告活用でホットスナック売上増

2022年10月28日 13:50 / 販促

セブン‐イレブン・ジャパンは10月27日、両国国技館(東京都墨田区)で開催された「YouTube Brandcast 2022」で、YouTube広告の導入事例について発表した。

<スクリーンに映るセブン‐イレブン・ジャパンの杉浦克樹氏>

「ROAS182% セブン‐イレブンが挑む YouTube広告活用による店頭売上アップ」と題した講演に、セブン‐イレブン・ジャパン 商品本部リテールメディア推進部 総括マネジャーの杉浦克樹氏が登壇。同氏によると、日々マーケティング業務を行う中で、大きく2つの検証ポイントがあったという。

1つ目は、顧客のメディア接触時間の変化に伴う広告活動の見直しについて。携帯やスマホへの接触時間が年々増え続ける中、従来通りテレビCM中心の広告活動だけでは顧客に情報伝達を行うのが難しいと考え、スマホへの広告配信をさまざまな角度で検証した。

2つ目はアプリの顧客購買データのマーケティング活用について。セブン‐イレブンアプリの会員数は約1800万人まで成長し、優良な顧客宣伝となっている。そこで、顧客の購買データをもとに、必要な手続きに則り、顧客から許諾を得た上で、広告配信などのマーケティング施策に活用できれば、より強く店頭での売上を加速できると考えた。

<「ななチキレッド」の発売に合わせて検証開始>

 

そこで2022年7月19日当時、新商品だった「ななチキレッド」の発売に合わせて、各ポイントを検証するための施策を実施。1つ目は、テレビCMを中心とした通常のメディアプランに加えて、YouTubeの広告配信を積極的に活用した場合、実際にどの程度、店頭の売上が加速するのかを検証した。

注目したのは、YouTubeが日常的に視聴しているメディアになっている点。例えば、電車などの移動中にYouTubeの広告に接触してセブンイレブンに来店するといった店頭売上が期待できるのではないかと想定した。そこで、対象の広告施策以外の影響を避けるために、全国の都道府県をコントロール群とテスト群に分け、コントロール群ではテレビCMのみを、テスト群ではテレビCMに加えてYouTubeでも同じ内容を配信して、このグループ間の売上を分析。結果、YouTube広告を出稿したエリアは3%増の売上増加、ROAS(広告投資額の売上額)は82%増と、高い投資対効果を確認したという。

次に、セブン‐イレブンアプリを通じて得られた顧客データを広告に活用した場合、実際どれほど店頭売上の伸びが期待できるのか検証。ななチキレッドの商品特性を踏まえて、過去にセブン‐イレブンでレジ横のホットスナックを購入した顧客と、蒙古タンメン中本の即席めんを購入した顧客にターゲットを設定する。

その後、Googleが事業主に提供する「Ads Data Hub」(YouTubeなどでの広告結果レポートを事業主に提供するGoogle Cloud上のサービス)というプライバシーセーフな環境下でセブン‐イレブンアプリの購買履歴を接続し、ホットスナックと中本の各購入者をターゲットとしてYouTube上で広告を配信。YouTubeの広告接触者と非接触者を比較したところ、ホットスナック購入者は17%増、中本の購入者は19%増と購入率が上がった。

さらにYouTubeの広告に加えて、セブン‐イレブンアプリ内にバナー広告を配信したところ、非配信者と比較して購入率が61%増、加えてアプリを使いながら20円引きクーポンを配信したところ、購入率が235%増と大きく伸びた。

今回の試みの総括として杉浦氏は、「YouTubeに加えてセブン‐イレブンのソリューションを掛け合わせることで、加速度的に購入率が伸びることを実証できたほか、多くの顧客が日常的に視聴するYouTubeが単なるリーチメディアではなく、購買の起点になりうることを実感した。今後も弊社の保有する顧客データを活用しながら、店頭売上を加速していきたい」と述べている。

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