流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





東武ストア/曳舟駅に都市型小型店「フレッシュ&クイック」惣菜構成比32%目標

2019年05月31日 17:40 / 店舗レポート

東武ストアは5月31日、東京都墨田区の東武伊勢崎線「曳舟」駅高架下の商業施設「EQUiA(エキア)曳舟」に、都市型ミニスーパーマーケット第1号店として「Tobu store Fresh&Quick(トウブストア フレッシュ&クイック) 曳舟店」をオープンした。

<Tobu store Fresh&Quick>
Tobu store Fresh&Quick

フレッシュ&クイックは、売場面積に制約のあるエキナカ商業施設に出店するために開発した、都市型ミニスーパーマーケット。平均日販で130万円を目標とした。

東武ストアは2018年10月に、東武鉄道の完全子会社となり、東武鉄道との連携を深める施策を進めている。今回、東武鉄道が運営する商業施設「エキア」に初めて出店した。

出店により営業店舗数は合計59店(東京22店、埼玉24店、千葉13店)となる。

<エキアに初出店した>
エキアに初出店した

店舗面積343m2、売場面積257.85m2で、東武ストアとして最も小型店舗となった。これまでの最小店舗は、売場面積307.44m2の「北大宮店」(さいたま市)だった。

商圏は500m圏で2万8000世帯・人口5万2000人、平均世帯人数1.85人。300m圏では65歳以上の構成比が27%、単身者が45%、単身高齢者が16%となっているのが特徴となっている。

<店舗レイアウト>
店舗レイアウト

2017年度の曳舟駅の1日平均の乗降客数は2万7559人。時間帯別では、7時~8時、8時~9時、18時~19時の利用が多くなっている。

駅周辺の高齢者を中心とした近隣住民や通勤・通学などで駅を利用するお客、曳舟駅に直結する東京曳舟病院の利用者をメインターゲットとした。

<店舗入口付近の売場>
店舗入口付近の売場

スーパーマーケット以下、コンビニ以上の品ぞろえで、価格設定は、まいばすけっと以下を目指した。

惣菜200、加工食品1820、酒400、日配774、フローズン141、パン89、農産156、水産74、寿司15、畜産127、生活用品495、合計4291SKUを展開する。

<弁当・おかず売場>
弁当・おかず売場

惣菜を最重要部門に位置付け、売場構成は8%のものの、売上構成比で32.4%を目指す。

部門別売上構成比は、惣菜32.4%、加工食品29.1%、日配18.1%、農産11.0%、畜産6.6%、水産2.8%を計画する。

取締役常務執行役員の多知幸男商品本部長は、「惣菜は、売場構成比は小さいものの、売上構成比で30%以上を目指している。当社で最も惣菜が売れる店舗でも売上構成比は20%程度だ。限られたスペースで売上の最大化を目指すことで、都市型小型店としての成功事例を作りたい」と述べた。

<フライ・天ぷらは店内加工>
フライ・天ぷらは店内加工

惣菜部門は店内で唯一厨房を設置している。フライ、天ぷらといった揚げ物やおにぎり、お弁当といった米飯を店内加工で製造している。

店内加工で、できたてや揚げたての惣菜・弁当を販売することで、コンビニとの差別化を目指す。

惣菜部門では、アウトパックの惣菜も活用しており、商品供給比率は、アウトパック40%、店内加工60%を計画している。

<俵おにぎりを訴求>
俵おにぎりを訴求

おにぎりや弁当に使用するご飯は、店内で炊き上げることで、できたての鮮度を打ち出す。また、店内加工の鮮度感を打ち出すため、最寄店舗の「東武ストア業平店」をプロセスセンターとして活用する。

最寄店舗をプロセスセンターとして活用することで、開店時やピークタイムであっても、店内加工商品を供給できる体制を整えた。

曳舟店で、店内加工商品の約60%を製造するが、約40%は業平店からの供給商品で対応している。

<生鮮食品も業平店から供給>
生鮮食品も業平店から供給

農産、水産、畜産の商品も業平店をプロセスセンターとして活用。精肉のパック商品や、刺身といった生鮮食品の供給を受けている。

<畜産は100%アウトパックで対応>
畜産は100%アウトパックで対応

<刺身も業平店から供給される>
刺身も業平店から供給される

近隣の大型店舗を母店として、エキナカの小型店を運営するノウハウの確立を目指す。

<コンビニとの差別化で酒を充実>
コンビニとの差別化で酒を充実

酒は400SKUを展開することで、コンビニとの差別化を図った。ビール、缶チューハイの品ぞろえはコンビニとの重複は避けられないが、常温で展開する日本酒・焼酎・ワインなどの品ぞろえを通常のスーパー並みにそろえた。

日本酒、本格焼酎の大容量パックや甲類焼酎の大容量ペットボトルも品ぞろえした。

<飲料・酒類はウォークインクーラーで補充>
飲料・酒類はウォークインクーラーで補充

バックヤードが少ない店舗のため、店舗後方在庫は基本的にないが、ケース納品が主流の500mlペットボトルやビール・缶チューハイは、後方在庫が必要となる。

そのため、冷蔵庫内から売場に商品を補充できるウォークインクーラーを採用することで、後方在庫スーペースを確保しながら、補充効率を高め、店内作業を削減した。

<菓子も豊富に展開>
菓子も豊富に展開

コンビニとの差別化のひとつとして、伸長カテゴリーであるポケット菓子やチョコレートといった菓子類の品ぞろえを豊富にした。

<アイスクリームも強化>
アイスクリームも強化

冷蔵商品では、リーチインクーラー7枚を展開。アイスクリームに4枚、冷凍食品の3枚を振り分け、アイスクリームを強化した。

近隣には、イトーヨーカドー曳舟店、コモディイイダ東向島店があり、価格競争の激しい冷凍食品ではスーパーとの差別化が難しい。

駅周辺住民のニーズが高いアイスクリームを強化することで、近隣スーパーとの棲み分けを目指した。

<生活用品も展開>
生活用品も展開

ドラッグストアのトモズと隣接して出店したが、ワンストップショッピングの利便性を重視して、あえて生活用品も品ぞろえした。

東京曳舟病院が最寄にあるため、エキア内のファミリーマートでも簡単なパジャマなど病院に対応した商品を展開している。病院利用者や高齢者のワンストップショッピングのニーズは高いと考えており、生活用品も販売するという。

住宅地にある駅の高架下という立地のため、商品配送に課題もある。物流センターから大型トラックで運ぶ物流は早朝5時の1便のみで、その他物流は、1日5回、赤帽による小型トラック便で対応している。

業平店からは、1日に惣菜2回、生鮮食品2回を供給している。

多知商品本部長は、「賃料、人件費、物流など、都市型小型店を運営するための課題はいろいろある。だが、曳舟店のような小型店を運営するノウハウを持つことで、将来の出店立地の可能性が広がる。具体的な2号店の計画はまだないが、今後、東武鉄道とも連携して、都市型小型店を成功させたい」と語った。

店舗概要
所在地:東京都墨田区向島2-26-6
開店日:5月31日午前10時
店舗面積:343m2
売場面積:257.85m2
駐車台数:駐車場なし
従業員:20人、社員3人、パート(170時間換算)17人
営業時間:7時~23時
休業日数:年中無休

関連記事

店舗レポート 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧