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総合スーパー/10月売上イオン7.7%減など、増税反動減が鮮明に

2019年11月28日 17:00 / 月次

流通ニュースがまとめた主要総合スーパー13社の月次営業情報によると、10月の既存店売上高は、イオンリテール7.7%減、イトーヨーカ堂8.8%減、ドン・キホーテ6.9%減、イズミ9.3%減、ユニー3.5%減など12社が前年割れとなった。

唯一、PLANTのみが0.3%増となり前年を超えた。平和堂も0.4%減と前年割れとなったが、同業他社より減少幅を小さなものにとどめた。

9月に消費税増税直前の駆け込み需要が発生したことで、生活必需品を中心に反動減が生じた。台風に備えるための防災用品や保存食品などのニーズが高まった。

10月は、土日休日数が1日多かったが、台風の上陸など天候与件があり、客数が前年割れとなった企業が目立った。

<GMSイメージカット>
GMSイメージカット

■イオンリテール(2019年2月期:売上高2兆1854億円)
既存店7.7%減、全店7.2%減

■イトーヨーカ堂(2019年2月期:売上高1兆2361億円)
既存店商品売上高8.8%減、客数8.6%減、客単価0.2%減
全店総売上計10.7%減、うち商品売上11.7%減、テナント他8.3%減

■ドン・キホーテ(2019年6月期:売上高1兆3289億円)
既存店売上高6.9%減、客数5.5%減、客単価1.6%減、対象店舗数307店(土日休日数1日増)

全店売上高4.8%減、家電製品6.7%減、日用雑貨品9.4%減、食品2.1%増、時計・ファッション用品6.8%減、スポーツ・レジャー用品8.3%減、その他12.5%減
総店舗数325店

10月は暖気が流れ込んだことから、気温は月を通して全国的に高くなった。中旬の3連休に超大型の台風19号が上陸し、記録的な豪雨災害となって、広範囲に渡り甚大な被害を及ぼした。

国内消費は、9月に消費税増税直前の駆け込み需要が発生したことで、生活必需品を中心に反動減が生じた。台風に備えるための防災用品や保存食品などのニーズが高まった。

インバウンド消費は、韓国からの訪日客数は減少しているが、ラグビーワールドカップ効果などによってASEANやアメリカ、イギリス、オセアニアなどからの客数が増加して、免税売上高を下支えした。

家電製品は、防災対策などから乾電池やLED懐中電灯やモバイルバッテリーが高い伸び率を記録した。

日用雑貨品は、日用消耗品は増税前の駆け込み需要が⾼かったことから反動減となっている一方で、カセットコンロや養生テープ、ブルーシートが伸長した。

食品は、カップ麺や缶詰などの保存食品が人気となったほか、飲料水などドリンク類が好調だった。卵やパンなどの⽇配品が寄与した。

時計・ファッション用品は、輸入ブランド商品などの高額品は苦戦したが、レインコートなどの雨具が伸長した。

スポーツ・レジャー用品は、台風に対する備えとして、寝袋やランタンなどのキャンプ用品の売上高成長率が高くなった。

■イズミ(2019年2月期:売上高7321億円)
既存店売上高9.3%減、全店売上高5.7%減

■ユニー(2019年2月期:売上高6058億円)
既存店(161店)売上高3.5%減、客数3.3%減、客単価0.3%減
衣料品9.1%減、住居関連品13.5%減、食品0.6%減(土日休日1日増)
全店(168店)売上高15.3%減

10月度は、消費税増税前の駆け込み需要の反動減や台風上陸により降水量が多く気温が高かったことが、販売にマイナス影響を及ぼした。一方、防災用品や保存食品の売上が伸長した。

衣料品は、高気温であったことから秋冬物衣料は苦戦したが、レインコートや傘などの雨具が伸長した。住居関連品は、洗剤や紙製品などの日用消耗品は、9月における駆け込み需要の反動影響を受けたものの、災害対策としてDIY用品や乾電池などの家電製品がけん引した。

食品は、青果などの生鮮食品は客数減の影響を受けて低調となった。一方で、カップ麺やレトルト食品及び飲料水などの保存性加工食品が好調となった。

なお、ユニーは、決算期を2月期から6月期に変更した。PPIHの100%子会社UDリテールは、10月度に2店をダブルネーム業態に転換し、店舗数は24店となった。

■平和堂(2019年2月期:売上高4376億円)
既存店売上高0.4%減、全店売上高0.9%増

■イズミヤ(2018年3月期:売上高2330億円)
既存店13.5%減、全店11.9%減

■イオン九州(2019年2月期:売上高2243億円)
会社計 既存店9.6%減、全店10.4%減
総合小売 既存店9.2%減、全店9.7%減
ホームセンター 既存店14.0%減、全店16.5%減
その他 既存店9.4%減、全店2.3%減

■サンエー(2019年2月期:売上高1898億円)
既存店7.3%減、総合店2.4%減

■イオン北海道(2019年2月期:売上高1857億円)
企業計 既存店8.9%減、全店8.8%減
衣料 既存店15.7%減、全店15.7%減
食品 既存店3.4%減、全店3.3%減
住居 既存店19.0%減、全店19.0%減

■ミスターマックス(2019年2月期:売上高1185億円)
既存店売上高5.2%減、客数7.1%減
全店売上高6.8%減、客数8.8%減

10月は、気温が例年より高く推移し、冬物商品の売上が伸び悩んだ。洗剤やトイレットペーパーなどの日用消耗品や酒類などに前月の消費税増税前特需の反動減があったが、酒類を除く食品の売上が堅調だったことと、新型ゲーム機の売上の伸びなどが下支えした。

■オリンピック(2019年2月期:売上高1029億円)
既存店売上高・フード事業2.0%減の43億3100万円、ハイパー事業13.0%減の29億5900万円
全店売上高・フード事業2.9%減の43億3100万円、ハイパー事業12.9%減の30億3400万円

既存店客数・フード事業7.5%減の269万2000人、ハイパー事業12.5%減の132万7000人
全店客数・フード事業9.7%減の269万2000人、ハイパー事業12.0%減の135万1000人

既存店客単価・フード事業6.0%増の1609円、ハイパー事業0.5%減の2231円
全店客単価・フード事業7.5%増の1609円、ハイパー事業1.0%減の2246円

■PLANT(2018年9月期:売上高888億円)
既存店売上高0.3%増、客数2.9%減、客単価3.3%増
全店売上高11.4%増、客数8.1%増、客単価3.1%増

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