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大手百貨店/2月売上高全社そろって増も来店減・天候不順で伸び悩む

2022年03月01日 12:00 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は3月1日、2月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹(首都圏)前年同月比9.0%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)1.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)1.0%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)2.8%増、そごう・西武10店計2.2%増だった。

■三越伊勢丹HD(2021年3月期売上高:8160億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比11.1%増、三越日本橋本店店頭10.9%増、三越銀座店14.9%増などで、三越伊勢丹計9.0%増だった。

札幌丸井三越10.9%減、函館丸井今井20.3%減、仙台三越8.6%減、松山三越13.1%増など、国内グループ百貨店計は6.7%減となり、国内百貨店計は2.2%増となっている。

各地域におけるまん延防止等重点措置の適用、天候不順の影響を受け、グループ百貨店を中心に月全体を通して売上が伸び悩んだ。

しかし、お得意様向けイベントを実施した首都圏三越伊勢丹ではロイヤルティーの高い顧客の購買などにより売上を下支えした。国内百貨店計の売上は5カ月連続、首都圏三越伊勢丹計の売上は6カ月連続で前年を上回った。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、お得意様向けのイベントなどにより、時計・宝飾・ラグジュアリーブランドなどの高付加価値な商品が好調に推移した。気温が低い状態が続き、春物衣料の初動は鈍いながらも、ハンドバッグや靴、装身具といった服飾雑貨では新作への関心度が高かったという。

免税売上は、首都圏三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回った。

■J.フロントリテイリング(2021年2月期売上高:7662億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比1.2%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は1.6%増だった。

2月の売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大、大丸札幌店において記録的な大雪の影響などを受けたものの、ラグジュアリーブランドや宝飾品が好調に推移し、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)は2.4%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)は2.7%増となった。

店舗別では、直営13店舗中7店舗と博多大丸が前年実績を上回った。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は対前年19.1%増(客数39.7%減、客単価97.5%増)となっている。

2月の大丸松坂屋百貨店の店計売上(法人・本社等の本年・過去実績を除く既存店)は前年比2.3%増、2019年比7.9%減、うち国内売上高(免税売上高の本年・過去実績を除く)は前年比2.1%増、2019年比5.4%減。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2021年3月期売上高:7391億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、前年同月比1.0%増となった。内訳は阪急本店6.8%増、阪神梅田本店1.3%減、支店計5.1%減。

1月下旬以降、「まん延防止等重点措置」が継続するなか、来店動機につながるバレンタインなどのモチベーション商戦が下支えとなり、阪急本店が健闘。その結果、売上高は前年実績を上回る結果となった。

来店を敬遠する顧客が多く、オンライン売上高(EC・リモートショッピングサービス「Remo Order」)が前年の2割増と好調に推移している。

阪急本店は、服飾雑貨、ラグジュアリーの売上高前年比が2割増と好調継続。アイテムとしては、バッグ、宝飾品、時計がけん引する傾向が続いている。

特に100万円以上の高額品の売上高が前年比4割増と大きく伸びた。また、リモートでの働き方が増えたことでオンライン会議で画面越しのおしゃれを意識することにより、胸元や耳周りを彩るアクセサリー、今季注目アイテムのブーツなどが好調。以上の結果、売上高は前年実績を上回る結果となった。

バレンタインチョコレートの売上高は約24億円、前年比8%増と伸長し、過去最高だった前々年の約25億円に迫る結果だった。

感染対策のため9階特設会場にて、ソフトクリームなどイートインメニューを中止したものの、リアル会場・ECとも前年実績を上回った。

オンライン施策として、売上高が前年比約4割増となったEC以外にもOMO施策に注力。専用SNSアカウントの新設による商品の再入荷情報などタイムリーな情報発信、YouTube、インスタグラムを活用した高頻度のライブ配信など、新たな取り組みを強化したことが奏功したという。

■高島屋(2021年2月期売上高:6808億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比3.2%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は2.8%増となった。

2月の店頭売上は、依然として新型コロナウイルスの影響を受けたものの、前年の緊急事態宣言による一部店舗の営業時間短縮や外出自粛影響の反動に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。

免税売上は9.3%増、免税を除いた店頭売上は2.6%増だった。

店舗別売上では、大阪店、日本橋店、横浜店、新宿店、立川店、岡山店が前年実績を超えた。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人雑貨、特選、宝飾品、呉服、美術、食料品が前年実績を上回っている。

■そごう・西武(2021年2月期売上高:4404億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比2.2%増(2020年同月比13.1%減)、西武池袋本店は8.6%増(6.9%減)となった。

プレステージブランドは、前年同月比、2020年同月比ともに、約30%増と大きく売上を伸ばした。高級雑貨計も前年同月比約10%増、2020年同月並みを確保した。

一方、衣料品計では、前年同月比約5%増も、2020年同月比は約10%減にとどまった。

免税売上高は約10%減(2020年同月比約60%減)、客数約25%減(2020年同月比約90%減)となっている。

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