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大手百貨店/7月も高付加価値商品好調で5社前年越え

2022年08月01日 16:00 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は8月1日、7月の売上速報を発表した。

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比14.6%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)11.7%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)10.2%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)10.6%増、そごう・西武10店計13.9%増だった。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比29.9%増、三越日本橋本店店頭13.8%増、三越銀座店26.3%増などで、三越伊勢丹計22.2%増だった。

札幌丸井三越14.7%増、函館丸井今井6.2%増、仙台三越6.7%増、名古屋三越2.6%減など、国内グループ百貨店計は4.7%増となり、国内百貨店計は14.6%増となっている。

首都圏を中心に外出機会の増加などを背景に、消費トレンドへの影響は限定的で、三越伊勢丹が中心となり売上をけん引した。特に、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店は2019年の実績を上回り、三越伊勢丹計では9カ月ぶりに2019年の実績を超えた。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続きラグジュアリーブランドなど高付加価値な商品への購買意欲が高く、時計・宝飾・ハンドバッグに加え、早期の梅雨明けによる気温上昇で、夏物衣料(ワンピース、カットソーなど)や服飾雑貨(晴雨兼用傘、サングラスなど)が大きく伸長した。免税売上は、6月の入国制限の緩和を受け、三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回り、緩やかな回帰傾向を見せた。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比12.1%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は11.7%増だった。

7月度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う外出自粛から、下旬に入店客数が減少したものの前年実績を上回り、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)では対前年13.8%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では13.2%増となった。

店舗別では、大丸神戸店と松坂屋名古屋店が2019年実績も上回った。商品別では、ラグジュアリーブランドや宝飾品が引き続き全体をけん引したほか、猛暑影響や夏季休暇に向けた消費の動きが見られ、パラソルやキャリーケースなどが好調であった。大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は対前年433.6%増(客数同441.0%増、客単価同1.4%減)だった。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比10.2%増となった。内訳は阪急本店11.0%増、阪神梅田本店82.1%増、支店計1.4%減。

7月に入り新型コロナウイルスの新規感染が全国的に急拡大し、中旬以降、売上高の伸びは鈍化するも、阪急・阪神両本店がけん引し、売上高は前年比2ケタ増となった。インバウンドを除く国内売上高の2019年対比は、都心店計で100%とコロナ前と同水準の結果だった。中でも阪急・阪神両本店の国内売上高はともに4%増、阪神はインバウンドを含めた対比でも2%増といずれも実績を上回った。

お中元ギフト商戦累計では、昨年高伸したインターネット受注は売上高前年対比100%と堅調も、7月に入り新型コロナウイルスの新規感染急拡大に伴い店頭での承りが苦戦し、合計で前年実績を下回った。商品別では、猛暑によりビール・そうめん・涼菓・清涼飲料が健闘した。6月にビジネスモデル特許を取得したリモートショッピングサービス「Remo Order」が、支店での活用もさらに広がり、売上高は前年比約3割増と好調だった。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比11.1%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は10.6%増となった。

7月度の店頭売上は、新型コロナウイルスの感染者数が増加したものの、高額品をはじめ消費意欲が堅調であったことから、前年実績を超えた。店頭売上は前年比10.6%増(2019年比6.8%減)、免税売上は前年比153.2%増(2019年比57.3%減)、免税を除いた店頭売上は前年比8.7%増(2019年比3.2%減)だった。

店舗別売上では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、大宮店、柏店、岡山店、高崎店が前年実績を上回った。商品別売上(自社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビングなどが前年実績を上回った。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比13.9%増(2019年同月比4.1%減)、西武池袋本店は16.8%増(同1.5%減)となった。7月の売上は全店計で10カ月連続で前年伸長した。ほぼ全領域で前年を超えて推移した。

高級雑貨(前比約40%増/2019年比約45%増)およびプレステージブランド (前比約30%増/2019年比約50%増)が引き続き全体をけん引した。衣料品計でも前比約20%増・2019年比約5%減まで復調した。気温上昇でワンピースや日傘など盛夏物が動いたほか、スーツケースなど旅行用品も伸長した。

免税売上高は約20%減(2019年同月比約80%減)、客数約90%増(同約90%減)となっている。

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