流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





大手百貨店/1月売上高1~2割増、初売り・冬コートが好調

2023年02月01日 14:10 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は2月1日、1月の売り上げ速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 26.8%増
J.フロントリテイリング 20.1%増
H2Oリテイリング 21.6%増
高島屋 16.3%増
そごう・西武 11.1%増

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比26.8%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)20.1%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)21.6%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)16.3%増、そごう・西武10店計11.1%増だった。

各社は初売り、ラグジュアリーブランドなどが好調。中旬以降の気温低下の後押しもあり、婦人・紳士のコートなどが活発に動いた。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比29.1%増、三越日本橋本店店頭21.8%増、三越銀座店42.0%増などで、三越伊勢丹計26.8%増だった。

札幌丸井三越25.8%増、函館丸井今井5.6%減、仙台三越6.1%増、静岡伊勢丹4.2%、名古屋三越11.1%増、松山三越6.4%増など、国内グループ百貨店計は12.3%増となり、国内百貨店計は20.9%増となっている。

首都圏三越伊勢丹を中心に引き続き付加価値の高い商品の売上が牽引した。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、10カ月連続で2018年を上回る実績で推移をしている。

1月2日~10日のクリアランスは、気温低下の後押しもあり、婦人・紳士の重衣料を中心に売上が伸長した。

先月までと同様に、ハンドバッグや宝飾・ 時計、ラグジュアリーブランドといったプロパー商品の売上好調が全体を押し上げた。クリアランス後は、春物の展開拡大に伴い、薄手のコートや卒入学ニーズによるジャケット・ドレスの動きも出てきた。

免税売上は10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に堅調に推移、非免税売上と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや衣料品、宝飾時計を中心に高付加価値なアイテムへの関心が高い。なお、1月21日~27日の春節期間中の目立った客数増加は見られなかったという。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比20.8%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は20.1%増だった。

1月度の売上高は、初売りが堅調にスタートし、中旬以降の寒波により婦人・紳士コートが活発に動いた。加えて、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品も好調を持続した。

店舗別では、15店舗中13店舗で前年実績を上回った。入店客数の回復に伴い、ターミナル店舗である東京店、梅田店が高い増率を示した。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は、前年同月比657.9%増(客数同3489.2%増、客単価同78.9%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比21.6%増となった。内訳は阪急本店21.0%増、阪神梅田本店69.5%増、支店計13.6%増。

3年ぶりに行動規制のない年末年始となり、初売りから3連休およびその後も来店客数は堅調に推移し、それに伴い売上高は前年実績を大幅に上回ったとしている。

1月も、都心店が売上高合計で前年比27%増と好調だった。

阪神梅田本店は、前年に建て替えに向けた工事の影響で4日間臨時休業した反動もあり、売上高が前年比約7割増と大きく伸びた。

売上高の2019年1月対比は2%減、インバウンドを除く国内売上高対比は3%減だった。阪急本店は2019年対比2%増(同国内売上高対比2%増)、阪神梅田本店は13%増(同14%増)といずれもコロナ前水準を上回った。免税売上高は、引き続き韓国・香港・台湾からの旅行客の購入が好調に推移し、2019年1月対比で実績を上回った。

阪急本店は、1月として過去最高の売上高を達成。2日の初売りは好調だった。

ほぼ全カテゴリーで売上高前年比2桁増と好調な結果。冬のクリアランスが2日から開始したが、セールの勢いは年々限定的な傾向にあるという。

一方、婦人・紳士ファッションは定価商材の売上高が伸長しており、価格に関わらず鮮度のある商品を購入する消費スタイルが顕著だったとしている。

13日から地下1階、20日からは9階などの特設会場を加え、約300ブランド・約3000種類の規模感で全館バレンタイン商戦がスタート。前年コロナ対策で販売を控えた人気のソフトクリームが2年ぶりに再開したこともあり好調な滑り出しをみせている。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比17.2%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は16.3%増となった。

1月度の店頭売り上げは、前年度のまん延防止等重点措置の反動に加え、高額品やインバウンドの売上が引き続き好調だったことにより、前年実績を上回った。

店頭売り上げは前年同月比16.3%増(2020年1月比0.2%減)、免税売り上げは前年比249.9%増(同24.6%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比11.8%増(同1.8%増)だった。

店舗別売上では、全店が前年実績を上回っている。なお、立川店(百貨店区画)は、営業終了に伴うセール開催により、大きく伸びている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比11.1%増(2019年同月比3.7%減)、西武池袋本店は12.0%増(同2.8%増)となった。

1月の売り上げは全店計で16カ月連続で前年を超えた。

プレステージブランド(約25%増、2020年1月比約60%増)、呉服高級雑貨(約15%増、同約45%増)は好調を継続。月後半からのコロナ感染者減少を受けて客数も回復に転じ、衣料品トータルでも前比約15%増と好調に推移している。

また、行動規制のない正月を迎えた中、菓子などの需要も伸び、食品(約10%増/2020年1月比約0.0%)も順調に推移した。

免税売上高は約85%増(2020年1月比約45%減)、客数約1200%増(同45%減)となっている。

■百貨店の関連記事
大手百貨店/12月売上高5社そろって増、年末年始需要が好調

関連記事

月次 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧