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ウェンデーズ・ファーストキッチン/原宿竹下通りに旗艦店、2020年100店目標

2018年09月10日 18:00 / 店舗

ファーストキッチンは9月11日、原宿竹下通りに旗艦店として「ウェンデーズ・ファーストキッチン原宿竹下通り店」をオープンする。

<ウェンデーズ・ファーストキッチン原宿竹下通り店>

米国のファストフードハンバーガーチェーン「ウェンデーズ」と日本創業のファーストキッチンのコラボレーション店舗「ウェンデーズ・ファーストキッチン(WFK)」業態で出店する。

これまで、WFK業態は、既存のファーストキッチン店舗からの業態転換で出店してきたが、新規出店を開始した。

3月16日に宮崎市の「イオンモール宮崎」に出店したイオンモール宮崎店を皮切りに、8月29日には東京都多摩市の「京王聖跡桜ケ丘SC」に聖蹟桜ヶ丘SC店をオープンし、業態転換ではない純粋な新規出店を開始した。

9月13日には、東京都国分寺市のJR西国分寺駅の商業施設「nonowa西国分寺」に、WFKnonowa西国分寺店をオープンする計画だ。

<1階の注文カウンター>
1階の注文カウンター

アーネスト M.比嘉代表取締役会長は、「ウェンデーズが成長するための課題として、店舗や人材の課題があったため、ファーストキッチンとの取り組みを開始した。ファーストキッチンは国内で130店以上の店舗網があり、人材もそろっている。この2つの資源を生かすことで、ウェンデーズ・ファーストキッチンを急速に拡大することができた。原宿竹下通りは最も象徴的な店であり、ウェンデーズの認知度を高めていきたい」と語った。

<アーネスト M.比嘉会長>

紫関修代表取締役社長は、「基本的にはウェンデーズのフランチャイズ店舗を運営するのが当社の役割だが、日本市場は米国初のハンバーガーチェーンが後発で参入しても難しい現実がある。イレギュラーな形だが、ファーストキッチンとのダブルネーム業態とすることで、2年間でWFKを39店まで急速に拡大できた。5年で40店ではブランディングできないが、急速に店舗を拡大することでブランディングもできる。2020年までに100店体制を達成したい」と述べた。

<紫関社長>
紫関社長

ウェンデーズは2009年に日本国内店舗を全店閉店し、一度、日本市場から撤退しているが、2011年12月に表参道に日本再上陸1号店を出店し再上陸を果たしている。

当時は、ウェンデーズ・ジャパンが単独でウェンデーズを出店・運営していたが、店舗数は3店にとどまっていた。

比嘉会長は、「当時は、表参道の奥まった立地にあり、1号店でブランディングが難しかった。人手不足もあり、店舗数が拡大できなかった。ファーストキッチンと組みことで、店舗や人材といった課題がクリアでき、再び、ウェンデーズを成長させることができる」と語る。

<1階の客席>

2016年6月に、ウェンディーズ・ジャパンは、サントリーの完全子会社であるファーストキッチンの全株式をサントリーから取得している。

買収に先駆け、2015年3月には、東京・六本木に初のコラボレーション店舗「ファーストキッチン・ウェンディーズ六本木店」をオープンし、上野にも「上野浅草口店」をオープンし、業態転換の競争力を検証していた。

<2階の客席>
2階の客席

紫関社長は、「私が社長に就任してから、2年間で37店のWFKを出店することができた。業態転換店舗は売上高が30~40%は伸びており、3倍の売上となった店もある。失敗した店舗は一つもなく、ウェンデーズブランドの認知度を拡大している」と語る。

ファーストキッチンは来店客の70%が女性で、パスタ、スイーツといったフードメニューが充実しているのに対し、ウェンデーズは来店客の60%が男性で、単価高めのハンバーガーが強い。

両業態で異なる客層を取り込めるほか、夜のディナータイムはウェンデーズのメニューを導入することで客単価が上昇しているという。

<2階客席のディスプレイ>
2階客席のディスプレイ

店舗面積は1階115m2、2階115m2、合計230m2で、客席数は1階15席、2階77席、合計92席を展開する。

平均客単価は昼800円、夕方以降1200円で、一日通しで600円程度を想定している。ドリンクのみの購入客を含め、年間で約26万人が来店する見込みだ。

<1階入口には物販コーナーを設置>
1階入口には物販コーナーを設置

紫関社長は、「ファーストキッチンの主要顧客は、20代から30代が多く、10代の取り込みができていない。原宿は外食産業にとって難しい立地だが、将来、子どもを持ちファミリーになっても利用してくれる顧客を生み出すには10代の取り込みが必要だ。原宿竹下通りという立地で、しっかりとウェンデーズブランドを打ち出していきたい」という。

新たな取り組みとして、原宿竹下通り店では、店舗入口に、アメリカ直輸入の国内を含め米国以外では買えない希少なウェンディ―ちゃんグッズの販売コーナーを設置した。

<ウェンディ―ちゃんグッズ>
ウェンディ―ちゃんグッズ

商品では、主力のハンバーガーのほか、原宿竹下通り店限定商品として、9つの味つきタピオカと好きなドリンクを自由に組み合わせる「ジュエルタピオカ」(M税込450円、L750円)を販売する。

ミルク、炭酸水、アイスティー、アイスコーヒー、ココア、マンゴードリンクなど14種類のドリンクと、ブラックティー、コーヒー、ストロベリー、マンゴー、チョコ、ライチ、抹茶、グレープ、キャラメルの9つのタピオカを組み合わせて、126通りに味わいを提供する。

<ジュエルタピオカの一例>
ジュエルタピオカの一例

今回、原宿竹下通り店限定メニューを開発するにあたり、10~20代女性に人気の雑誌Popteen専属モデル中野恵那さんをアンバサダーに向かえ、ジュエルタピオカを開発した。

<中野恵那さん(左端)>
中野恵那さん(左端)

原宿竹下通り店は、全世界から人が集まるトレンドの発信地であることを念頭に、SNSを駆使したPRも強化する。

SNSでの情報発信を意識して、お客がスマートフォンで撮影した画像をラテアートとして転写できる機器rippiesをを導入し、SNS映えする商品を提供する。

<ラテアートの一例>
ラテアートの一例

既存店では、紙コップなど使い捨ての容器で商品を提供しているが、原宿竹下通り店では、マグカップ、グラス、陶器皿などを使用して、レストランスタイルで商品を提供する。

<パスタの一例>
パスタの一例

内装は、東海岸の老舗のアメリカダイナーをイメージした半円型ボックスシートを5卓、配置したほか、ソファーを多用した。

BGMもアメリカダイナーを感じさせるオリジナルを作成し、壁紙、床材、照明器具を含めて、インテリアで時代感を演出する。

<主力のハンバーガーの一例>
主力のハンバーガーの一例

夕方以降は、原宿周辺のアパレルショップの店員など働く社会人の利用も見込めることから、アルコールやオリジナルメニューの提供など、年齢層の高い大人に対応することで、時間帯別の二毛作方式での営業をする。

紫関社長は、「ファーストキッチンとウェンデーズの両メニューがあることで、低価格から中・高価格帯まで幅広いメニューがあり、幅広い客層に対応できるのが特徴だ。ショッピングセンター、フードコート、路面店、駅前など幅広い立地に出店できる」

「東京、名古屋、大阪、福岡といった大都市での出店を検討している。ウェンデーズ、ファーストキッチンの単独店舗の可能性も否定はしないが、現在、具体的な計画はない。今後は、ウェンデーズ・ファーストキッチンのダブルネーム店舗を基本に出店する」と語った。

店舗概要
所在地:東京都渋谷区神宮前1-19-4
原宿玉川ビル1階、2階
客席数:1階15席、2階77席、合計92席
店舗面積:1階115m2、2階115m2(中型店舗の位置づけ)
客単価:昼800円、夕方以降1200円
動員想定規模:年間26万人(予測値)

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