移動スーパーとくし丸/長野「デリシア」和歌山「松源」と提携

2019年07月18日 14:50 / 店舗

オイシックス・ラ・大地は7月17日、連結子会社とくし丸が、長野でスーパーを展開するデリシアと和歌山でスーパーを展開する松源と事業提携したと発表した。

<移動スーパーとくし丸>
移動スーパーとくし丸

移動スーパーとくし丸は、地域のスーパーマーケットと契約した販売パートナーと呼ばれるオーナー経営者(個人事業主)が地域の提携SMの商品を選りすぐり、400品目1200点の商品を冷蔵機能を備えた軽車両に積み込んで各エリアを巡回し商品を販売する仕組み。

買い物難民を支援するため2012年に設立され、2016年5月からはオイシックス・ラ・大地の子会社となり、事業を推進している。

地域の自治体や警察署と見守り協定を結び、お客に病気の兆候があった場合は地域包括センターに連絡、詐欺事件を防止するなど地域の安全にも貢献している。

■月間流通総額8億、平均日販9万円超

2016年5月末で136台だった稼働数は2019年6月末時点で415台となり、約3年で3倍以上に成長している。2019年5月には月間流通総額が8億を超え、113社のSMと提携し44都道府県でサービスを展開する。流通総額の増加と共に販売パートナーの日販平均金額も9万円を超え、個人事業主でありながら安定した収入を得られる状況になっているという。

<稼働台数と流通金額の推移>
稼働台数と流通金額の推移

とくし丸の販売パートナーは、移動スーパーとくし丸の車両を所有し、提携スーパーが取り扱う生鮮食品や生活雑貨等の移動販売を行う。拠点となる地元スーパーの協力で、仕入れ(買取)はなく、「販売代行」をする仕組み。帰着後には商品の返品もできるため、生鮮食品のロスを心配せずに販売できる。販売エリアでの顧客開拓やノウハウなどはとくし丸本部が丁寧にサポートする。

<とくし丸事業の仕組み>
とくし丸事業の仕組み

地域の過疎化や核家族化などによる買い物難民は全国に825万人いると推計され大きな社会問題となっている(2018年農水省調査)。高齢ドライバーによる重大事故が多発している背景を受け、2018年には全国で42万1000人が運転免許を自主返納する統計もある(警察庁統計)。

国立社会保障・人口問題研究所の調査発表によると、6年後の2025年には全都道府県で一人暮らしの世帯割合が最も大きくなり、単身世帯の高齢化も進むと推測される。このような社会的背景や高齢者の見守りの観点から移動スーパーのニーズは高まる見込みだ。

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