ワタミ/サブウェイ事業で売上2000億円見込む、25年都心に旗艦店オープン

2024年10月25日 16:31 / 店舗

ワタミは10月25日、新戦略発表会を開催した。同日、子会社化した日本サブウェイを中心に国内でサブウェイ事業を展開する。10年間で200店舗、20年間で3000店舗を新規オープンし、24年後には売上2000億円を目指す。

<3000店舗、売上2000億円目標>

渡辺美樹会長兼社長CEOは「世界中のサブウェイ店舗を見ているうちに、もうサブウェイしかない、サブウェイをやりたいと確信した。本当に強いブランド力がある。世界でマクドナルドが約4万店、サブウェイが3万7000店舗に対し、日本のマクドナルドは2900店舗強だがサブウェイは200店舗弱。ここから3000店舗以上出してマクドナルドに対抗できる業態はサブウェイしかない。

ハンバーガー対ハンバーガーで今からマクドナルドを追いかけても勝てない。全く違った対立軸が必要。今日はヘルシーな食を選ぼうという消費者の選択肢が必ずある。有機農業で明確に差別化ができ、今までにない展開が十分に可能だ。

サブウェイは現在でも営業利益率が非常に高い業態だ。2000万円の投資に対して6000万円の収益を得られる。ワタミグループなら、より回転率が上がり、高い収益性を保つことが可能。急激な店舗展開はどの業態でも厳しいが、サブウェイならテークアウト・デリバリーというマーケットにブルーオーシャンがあると考えている。

現在、我々は10年で国内外食の売上1000億円越えを達成すると決めている。そのなかでサブウェイはかなりの割合を占めるだろう。長期で物事を考えており、24年後には3000店舗で1店舗当たりの売上7000万円、概算で2000億円を見込んでいる」と説明した。

<ジョンCEO>

サブウェイのジョン・チッジーCEOは「現在サブウェイ事業は数年にわたる変革の途上にある。弊社の海外成長戦略で重視している点は、ワタミグループのように市場を熟知しているパートナーと組むこと。過去3年間に20以上のマスターフランチャイズ契約を締結し、各国で今後1万店以上を出店していく。日本でもサブウェイが長期成長するチャンスがあると考えている。

日本サブウェイの既存店売上は4年連続で伸び続けている。ワタミグループの旗振りのもと、サブウェイは必ず日本で繁栄を続けると確信した。このパートナシップにより、ますます新規開店をスピードアップする。新店、新装開店でもブランドイメージの近代化を図り、デジタル変革の加速、ワタミファームとのシナジー効果によって、サプライチェーンを効率化し、収益性を高めていく」と述べた。

<ワタミファームの野菜>

ワタミは有機農業に取り組んでおり、2001年にワタミファームを創設。現在では全国7拠点で総面積530haの有機圃場(ほじょう)を構えている。農場で採れた野菜はグループの外食店舗や宅食事業の弁当などで提供。今回のサブウェイ事業でもワタミファームの野菜を展開する予定だ。

渡辺会長は「ワタミファームの有機レタス・トマト・ピーマンを使ってサブウェイを展開できたら夢が広がる。ワタミで40年間挑戦してきた和風の味もサブウェイに導入したい。今のサブウェイよりも美味しいメニューを展開できる」と語る。

<現在のサブウェイ商品>

ワタミによると、日本での「サブウェイ」の出店余地は現時点で3038店舗もあり、さらなる拡大が見込めるという。

このうち、主な出店予定地は商業施設だ。現在のサブウェイ既存店は、全国3092施設のうち4%の出店に留まっている。今後、全国のSCのうち約4割での出店を目標にし、1238店舗の出店余地があると算出した。

次に、駅前路面店舗での出店も増やす。都心部を中心に、1日に約4万人以上の乗降客数がある主要駅や、半径500mで昼間人口3万6000人以上の駅には、駅前路面にオープンできる可能性があると判断。700店舗の出店余地があるという。

さらに大学キャンパス内にも出店を広げる。これまでワタミは居酒屋業態や宅食事業など、比較的年齢層が高い顧客に向けたビジネスを展開していたため、ここで顧客の若返りも狙う。学生数5000人を超える大学へのアプローチを継続することで、さらに50店舗の出店余地を見込む。

そして47都道府県のロードサイドでも出店を拡大。競合他社のロードサイド比率は30%~35%であることから、1050店の出店余地があると考察した。

なお、ワタミは2024年9月時点で居酒屋業態223、bb.q業態17、焼肉業態35、その他(レストラン、すしなど)44の計319店舗を展開している。

今回、サブウェイと契約したことで国内のサブウェイ178店舗が加わり、総店舗数497店舗となった。10月25日時点での店舗比率は、既存の居酒屋業態が全体の44%であるのに対し、ファストフード(サブウェイ)業態が39%を占める。

<渡辺会長>

今後の展望について渡辺会長は「居酒屋のワタミという代名詞からサブウェイのワタミに変えたい。私事だが、私は先日65歳になった。ケンタッキーフライドチキン創業時のカーネルサンダースも65歳。サブウェイを第2創業として、これから20年かけて3000店舗にしたい。

早々にワタミビル1階をサブウェイ店舗にして、ここで研修し、物販・ブランドショップという形にする。その後、25年2月~3月あたりに東京の超一等地にフラッグシップ店を出して、その時までにはオリジナルメニューを作って皆様にご提示したい。ワタミらしくサブウェイの挑戦をスタートする。

直営店を年間12~13店舗、FC店を12店舗以上オープンしていく。山手線沿線での出店を今後狙いたいが、人が集まりにくいことがボトルネックになる。そこでフラッグシップ出店時にウルトラCのような人が集まる仕組みを発表する予定だ」と語った。

取材・執筆 古川勝平

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