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イオン/SM事業再編、MV北海道・MV中部・光洋・マルナカ消滅

イオンは10月10日、スーパーマーケット改革を実施するため全国6エリアの事業会社を再編すると発表した。

<再編の概要>
再編の概要

北海道、東北、東海中部、近畿、中四国、九州の全国6エリアで事業会社を再編する。

事業再編後の6エリアのスーパーマーケット事業は、2017年度の売上高2兆4000億円を2025年に3兆1000億円(2017年度対比30%増)、営業利益1100億円(同180%増)を目指す。

2019年3月に中四国でマックスバリュ西日本を株式交換完全親会社、マルナカ、山陽マルナカを株式交換完全子会社とする株式交換を実施して経営統合するのを皮切りに、2020年3月までに経営統合を完了する計画だ。

北海道では、2020年3月を目途にイオン北海道がマックスバリュ北海道を吸収合併する。東海中部では2019年9月を目途にマックスバリュ東海がマックスバリュ中部を吸収合併する。

近畿では2020年3月を目途に、ダイエーが光洋を吸収合併する。合併に先立ち2019年3月を目途に、山陽マルナカの14店をダイエーが、マックスバリュ西日本の8店を光洋が、それぞれ承継する予定だ。

東北では2020年3月に、マックスバリュ東北とイオンリテール東北カンパニーを統合する。

九州は2019年9月に、イオン九州、マックスバリュ九州、イオンストア九州の共同株式移転によって3社の完全親会社を設立する方法により統合する基本方針のもと経営統合を進める予定だ

<藤田執行役>
藤田執行役

同日、都内で会見したイオン執行役の藤田元宏スーパーマーケット事業担当は、「今回の統合は、従来のビジネスモデルを前提としてその規模の拡大のみを求めるのではなくて、新たな事業体に変革する新たなビジネスモデルを創造する意味合いを持っている」と述べた。

<食と取り巻く環境の変化>
食と取り巻く環境の変化

消費者の低価格志向の強まりや時短ニーズなどの変化に加え、ドラッグストア、ECなどさまざまな業種が食品をビジネスの柱として取り込むによる異業種、異業態との競争が激化している。

藤田執行役は、「昨今の労働環境の変化は、これまでの労働集約型ビジネスとして成り立ってきたスーパーマーケット事業の分岐点にあると実感している」。

<業種別労働分配率>
業種別労働分配率

「毎年1店以上の成長を前提としたチェーンストアのビジネスモデルがさまざまな環境変化にキャッチアップできず、日々、改善を重ねていくこれまでの手法では立ち行かない状況になることは容易に想像できる」。

「今起きている、さらに将来もっと激しくなる環境変化への対応として認識すべき課題は、コスト構造そのものにメスを入れることだけでなくて、事業の成長エンジンとなるものを、もう一度、構築しなおすことが必要だ」と事業再編の背景を解説する。

イオンの事業構造も変化しており、2000年度に3000億円だったスーパーマーケット事業は、2017年度には主力のGMS事業を超える3兆2000億円とグループ全体の売上の40%を占める事業規模となっている。

<イオンの事業構造変化>
イオンの事業構造変化

イオングループ全体の事業ポートフォリオの変化を踏まえて環境変化と将来の成長軌道を想定しながら、そのための最適なインフラを再構築する側面も持っている。

これまではGMSを中核に据えて、物流センターや配送網、プロセスセンターやITなどのインフラを構築し、大型店を中心に集中化を図り効率化を追求することを目的に整備し、大規模化・汎用化で大きな競争力を生み出していた。

しかし、事業環境が変化する中で、これらのインフラは変化に自在に対応し業態最適な形を模索しながらこれまでの大規模化・汎用化の対極に振れて、専用化・適正規模化しバリューチェーンの骨格をなしていくことが今後の成長の大きなポイントになっている。

地域別に事業を統合する今回の事業再編は、インフラの再構築を効率的・効果的に進めていく前提である事業規模やキャッシュフローを実現する意味合いをもっている。

<地域事業会社の売上高・キャッシュフロー>
地域事業会社の売上高・キャッシュフロー

現在、各社の事業規模は1000億円から2000億円の規模で、キャッシュフローも100億円前後にとどまっている。

出店地域も重複しつつも、物流施設やプロセスセンターなどをすべて共有しているわけはない現状がある。

こうした状況を整備し、さらに効率化・最適化していくために事業を統合する。

<統合による売上高の変化>
統合による売上高の変化

事業統合を推進すると、中四国のマックスバリュ西日本、マルナカ、山陽マルナカの単純合算の売上高は5310億円となりライフコーポレーションの5310億円に次ぐ業界3位となる。

九州のイオン九州、マックスバリュ九州、イオンストア九州の売上高は4440億円でアークスの5130億円に次ぐ第5位、近畿のダイエーと光洋の売上高は4310億円で第6位となる。

東海中部のマックスバリュ東海とマックスバリュ中部の売上高は3900億円でヨークベニマル4290億円に次ぐ第8位、北海道のイオン北海道とマックスバリュ北海道の売上高は3100億円でヤオコー3470億円に次ぐ10位となる。

スーパーマーケット業界の上場企業の売上高では、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東で構成するイオングループのUSMH(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)が売上高6730億円とトップで、売上上位10社のうち6グループがトップ10入りすることになる。

藤田執行役は、「今後も大きく消費環境が変化し、技術革新の波に洗われることを考えると売上高で5000億円、キャッシュフローで200億円程度の水準に各地域が成長し、イオングループの知見と資産を生かしながら、グループの中で競い合い成長する形にしたい」と述べている。

今後、地域ごとに進化するテクノロジーを取り入れた物流センターや配送網を構築して地域に深く密着した食のバリューチェーンづくりに取り組むことで、地域のお客や生活の変化にきちんと寄り添う ビジネスモデルに変革をする。

イオングループが持つグローバルなネットワークや知見などと融合しながら成長を増幅させる姿を目指す第一歩となる。

スーパーマーケット事業では、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東という一社完結の経営をしてきた事業会社が統合することで成長の機会を拡大してきたUSMHという先行事例がある。

USMHは、経営統合後に売上高は650億円増加し、販売管理費を2%削減している。

今後は、マックスバリュ、イオンというブランドを共有する経営をしてきた事業会社が統合することで成長の機会を拡大する新たな成長の枠組みを加えていくという。

<岡田社長>
岡田社長

イオンの岡田元也社長は、「我々がやろうとしていることは、固まりとなることでその地域で最も成長ができる企業になることが目的だ。一緒になっても成長ができなければ意味がない。新しい成長の形を見つなきゃいけない。それに対して新しい成長の形はこれだという答えを持っている企業は日本中の企業でいまのところはまだないだろう。日本にはものすごい数のスーパーマーケットがあるが、その大半は、ほとんどお客様のニーズに応えれていないか、応えられなくなりつつある店がほとんどだ」と述べている。

今回の経営統合では、関東地区のイオングループのスーパーマーケット企業のベルク、いなげやは含まれていない。またUSMH内部でもう一段踏み込んだ経営統合をする予定もない。

ダイエーについては、ダイエー自体の経営改革案を今後発表する予定で、今回は近畿エリア(97店)のみの再編を先行して発表している。関東エリア79店については、改めて再編の方向性を打ち出す予定だ。

再編対象のダイエーと光洋の店舗名称については、マックスバリュに変更するかを含めて検討する。

また、エリアによって事業会社の吸収合併方式や持株会社方式など経営統合の手法が異なっているが、各エリアの事業会社の経営判断をステークホルダーの状況を考慮している。

今回は、北海道、東北、九州でGMSの食品事業を含んだ経営統合を志向しているが、そのほかの地域のGMS事業の食品事業については、GMS事業全体の再編計画の中で改めて発表したいという。

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