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ファーストリテイリング/国際労働機関とパートナーシップ締結

2019年09月05日 13:10 / 経営

ファーストリテイリングは9月4日、世界の労働問題に取り組む国際連合の専門機関である国際労働機関(ILO)との間で、アジアで労働者の社会保障の充実と労働環境の整備に取り組むことを目的としたパートナーシップを締結したと発表した。

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ファーストリテイリングが生産拠点を置くバングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、ミャンマー、ベトナムの7カ国を対象に、労働市場と社会保障制度の比較調査を実施し、労働者の保護水準の向上につながる政策対話を促進する。

パートナーシップのもと、ファーストリテイリングは2019年9月から2021年までの2年間で180万米ドル(約1億9000万円)の資金を拠出する。

この資金は、ILOによるアジア各国を対象とした労働市場と社会保障制度に関する調査と、インドネシアでの雇用保険の導入促進および失業時の労働者支援を強化するプロジェクトに投じられる。これは、ILOが主導する社会保障制度に関する取り組みとしては、過去最大の民間資金によるプロジェクトとなる。

アジアでは、急速な産業構造の変化と労働市場のニーズの変化に起因して、特に縫製産業に従事する労働者の突発的な失業のリスクが高まっている。一方で、既存の社会保障制度と労働市場政策は、失業のリスクや長期失業に伴う生活困窮のリスクに十分に対応していないという課題がある。

ILOとのパートナーシップでは、まずインドネシアにおいて、失業期間中の最低収入を保障する雇用保険の創設に向けた政府、労働者団体や雇用者団体の三者間協議を促進する。同時に、失業者向けにIT産業など新興成長産業へのキャリア転換を支援するトレーニングプログラムの開発と、再就職支援の充実を図る。

ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長は、「世界経済の持続的な成長の原動力であるアジアの成長には、人々が権利を保障された適正な環境で生き生きと働けることが不可欠です。当社は、アジアで拡大する店舗網と主要な生産拠点を持つ企業として、サプライチェーンで働く人々の適正な労働環境の維持を重点課題と位置づけ、自社独自の取り組み、アパレル業界協働の枠組みへの参画などを通じて、課題解決に注力してきました」。

「このたび、世界の労働問題に取り組む国際労働機関とのパートナーシップにより、当社サプライチェーンの枠を越えて、アジア地域における社会保障の充実と労働環境の改善に向けて働きかけ、アジアで働く人々を取り巻く課題の根本的な解決に貢献することを目指しています」とコメントしている。

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