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イオン/吉田次期社長「現場で判断できる人材必要、人材育成に注力」

2020年01月10日 19:50 / 経営

イオンの時期社長に内定した吉田昭夫代表執行役副社長は1月10日、社長交代にあたっての記者会見で初心を表明した。会見で、吉田氏は、「現場で判断できるリーダーが必要で、人材育成に注力したい」と述べた。

<次期社長の吉田氏>
次期社長の吉田氏

吉田氏は、「人材育成は大切だと思う。やはり、早く環境が変わっていく中で、本部の指示を待ってからではなくて、現場での判断ができる人間が必要だ。現場のリーダーとして、どういうお客様の動きがあるか、それを感じ、逆に本部に対して要請をする逆流が起きるような組織にしていきたい。どうしても組織が大きくなると上の指示を待って、本部の言うことだけをやってしまう。そうではなくて、現場の一番、お客様に近いところで、変化を感じ、現場を変えていく人たちを人材育成する。これがイオンの無形の資産になると思う」と述べた。

記者会見では、「前身のジャスコより52年目、イオングループ発足から31年目の節目の年である2020年に、新社長としてグループの舵を取っていく、その重責に対し、身の引き締まる思いだ」とあいさつした。

その上で、「小売業は変化適応業と心得ている。この変化のスピードに負けない対応力、適用力が必要だ。持続的な成長を続けていくためには、人材育成が非常に重要であり、そこに力を入れていきたいと考えている」。

「現場から多くの若いリーダーが生まれることが、イオンにとって無形の資産(企業力)を蓄積していくことになる。イオングループの政策である、これから拡大するであろうマーケットに向けた、アジアシフト、デジタルシフト、リージョナルシフト、このイオンの改革の方向性を見失うことなく、イオンの基本理念を大切にして、グループ戦略の実行責任者として職責を果たしたい」と語った。

市場環境については、「イオングループは、小売業を中心としたマルチフォーマットでの事業展開で、50年の間、成長を続けてきた。今後、我々を取り巻く環境は大きく変化する。事業活動においても従来の枠を超えた競争が始まっている。人口動態、お客様の消費行動、地球環境、これらすべての変化が早い速度で進行している」と解説した。

また、「さまざまな課題もある中で、大きなチャンスも生まれてくる。それらの変化をしっかりと認識し、確実に対応することで商品、サービスを変えることが必要だ。イオングループがそれぞれの事業体において、確実にこういった変化への対応を実現していくことが、お客様と市場からの支持を持ち続けることになる。これが、グループ全体の持続的な成長につながっていく」と述べた。

最後に、「イオンの基本理念は、『お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する』だ。お店はお客様のためにある。お客様第一、現場主義、この原点を忘れずに、イオングループの各事業会社の経営者とともに、変革に挑んでいきたい」と語った。

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