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イオン/岡田社長「世襲は、答えようがない」一問一答

経営/2020年01月14日

イオンは1月10日、社長交代を発表し、千葉市の本社で記者会見を開いた。会見で、岡田元也社長は、世襲について「答えようがない」と語った。

社長交代では、3月1日付で、吉田昭夫代表執行副社長ディベロッパー事業担当兼デジタル事業担当が代表執行役社長に就任する人事を発表している。以下、岡田社長の主な一問一答をまとめた。

<岡田社長>
岡田社長

――なぜ社長交代するのですか。

岡田 社長になれば、当然、交代があります。ずっと死ぬまではやっている訳にはいきませんから。トップは、なった日から、交代は考えています。ただし、正直、そんなに早い段階から、(交代を)考えていた訳ではありません。

――このタイミングで社長交代する意味は。

岡田 なんの意味もないですね。善は急げで、決まれば早く、交代した方がいいと思います。こういう風に長くなったのは恥じ入るばかりです。

――現時点での心境を教えてください。

岡田 こんなに長くやるとは思っていませんでしたが、交代は、かねてから考えていました。それが、昨日、今日とは思わなかった。ああ、今日なんだというところです。

――ご子息の岡田尚也氏が子会社ビオセボンの社長に就任しています。かつて世襲はしないと公言されていますが、その考えに変わりはないですか。

岡田 (世襲しないと言った)当時、私は、世襲、世襲と相当言われたんで、それで、「私で終わりにしたい」と申し上げたと思います。まあ、これはどうなんでしょうか、もし厳密にそういうことであるならば、(尚也を)入社させることも良くなかったのかもしれません。あと、サクセッションプラン(幹部人材育成計画)で、そういうところに私がいるかも分かりませんし、本人がどういう風に考えるかも分からないので、答えようがない。

――吉田社長との役割分担はどうなるのですか。

岡田 具体的にはまだ決まってるわけではありません。ただ、ほとんどのことは吉田が社長として決める。社長ですから、当然です。私が決めるということではない。

――サクセッションプランはいつ頃から作成されたのですか。

岡田 サクセッションプランは具体的には、昨年の今頃には、こういう議論に入っておりました。そのあと、何度かステップを積んで、ほぼ、原案に固まりました。

<吉田次期社長(左)と岡田社長(右)>
吉田次期社長(左)と岡田社長(右)

――現在、イオンでは何が課題となっていますか。

岡田 このところ成長スピードが非常に落ちて、新しい成長モードに切り替える必要があると考えていた。これまでのイオンの教育のあり方、人事制度のあり方なども反省をして、約5年前からいろんな若い人たちと議論をした。大きな組織の中で、細分化された仕事だけをして、30代、40代になってしまった人たちに、ここで新しい事業機会を与えることをしてきた。

近年では、大きな統合もなかった、そういったところから、過去5年くらい、例えば、ビオセボンやピカールなど、新しいいままでにない血を入れてきた。もう一つは、小さい企業をたくさんスタートさせて、そのことによって、若い人達がもっと学習して、成長できる機会を用意することが私の最後の使命だろうと考えて、具体的に手を付け始めた。

――イオンの良さはなんですか。

岡田 やはりイオンの良さというのは、多様性であったり、起業家精神だと思うんですね。日本全体が非常に固定化されている中で、イオングループの中だけは、もっと流動的で、自由に、そういった経験をして、うまくいった人間はもっとさらに成長できるような、そういった疑似空間をグループの中に作りたい。

――ショッピングセンターの将来性をどう考えていますか。

岡田 イオンは、1969年のスタートとほぼ同時に、三菱商事と組んで始めたところからモール型をやると決めていました。いわゆるGMS全盛の時も、「テナントとは補完関係ではなくて、競争することでよりお客様に便利さを与える」という発想をしたのは、多分、我々だけだと思う。常に商業集積という形で取り組んできたのがイオンです。

これからのモールで、一番、重要なことはおそらく、特に郊外型のモールにおいて我々自身が街の、地域のへそになる覚悟をはっきり持つことだと思う。郊外に限らず、駅前も同じですが、ほとんど街において、決定的に欠けているのは、社会インフラ、社会資本だと思うのです。

文化的なことやスポーツ、自分たちがもっと健康的な生活をおくれるような社会インフラ、これがないわけです。こういうことをイオンとして意識しながら、その地域のためにできることに、果敢に取り組んでいくということが必要なのではと思います。

――想定外に対応する能力はどうすれば育成できるのですか。

岡田 想定外に対応する能力ってどうやったらできるのですかね。ただ、想定外ということが起きても大半は、これは想定外だということで、終わってるということなんです。政治や行政はそれでもいいかもしれませんが、それでは、イオンはつぶれてしまいます。自分が気付いたことなんですけど、もし想定外のことが起きた時、いち早く、超速のスピードでそれを学習しながら、想定内にしていくことだろうと思います。

――長期戦略を考える上で肝に銘じていることは何ですか。

岡田 「店はお客様のためにある」と言いながら、本当にお客様本位であるかというと、残念ながら、自分達本位であることが大半です。少しでも原点に立ち返って、本当にお客様のために何をしなくてはいけないのかを考える。また、グループの中でも個社と個社が、必ずしもベクトルが合わないということがある。でも、それは非常に簡単なことであって、どっちがお客様のためになるのか、そういった原点を忘れない。それから、不都合を隠さないことです。

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