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内食、外食、中食市場/新型コロナ流行や価格改定の影響で変化

2023年12月25日 13:30 / 経営

富士経済は12月25日、新型コロナウイルス感染症の流行や、原料費の高騰、人件費上昇による価格改定などの影響を踏まえた内食、中食、外食の市場の調査結果を「価値志向の変化に伴う新たな食事・間食のポジショニング分析」にまとめた。

2023年の市場見込は、内食市場61兆7600億円(2019年比8.4%増)、外食市場18兆600億円(同3.0%減)、中食市場12兆8300億円(17.7%増)を見込む。外食市場は値上げの影響がプラスに働き、2024年には2019年の規模を上回る予想だ。

調査では、内食、中食、外食市場の現状を明らかにし、将来を展望した。また、内食、中食、外食市場の各品目間の需要移行について分析した。市場は小売ベース、店頭ベースで捉えた。

<内食、外食、中食の国内市場>

調査によると、内食市場は、新型コロナの流行によりCVSや自動販売機チャネルで苦戦したものの、外食からの需要流入によってマイナス分を上回り、堅調な推移を続けている。外食市場は、外出機会や宴会が減り、需要の流出・減の影響を受けて2020年、2021年と落ち込んだが、2022年以降は人流の戻りや外食店でのテイクアウト需要などが増加したことで回復に向かっている。中食市場は、コロナ禍での宅配需要やハレの日関連メニュー需要の増加などを受け、拡大を続けている。

食事カテゴリーにおける各品目の需要動向をみると、内食市場では価格改定により、食パンや冷凍うどんがPB商品に、冷凍パスタやカップめんはPBを含む価格訴求品に需要がシフトしている。また、めん類では簡便性の高さにより、袋めんから冷凍パスタやカップめんへ需要が移行している。中食のピザでは、相対的な経済性の高さを背景に宅配ピザからインストアベーカリーへシフト、すしでは宅配ずしから量販店デリカや外食の回転ずしへ需要が流出している。

間食カテゴリーにおける内食市場では、価格改定により相対的に単価の低い商品へ移行する傾向があり、洋菓子ではチルド洋菓子から菓子パンやドライ洋菓子へ需要の移行がみられる。また、ハレの日やプチ贅沢などメリハリをつけようとする消費が増えたことを背景に中食市場のドーナツショップへのシフトもみられた。

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