カクヤス/24年度は配送拠点10カ所増設、小型飲食店のオーダーロスに対応

2024年05月23日 16:55 / 経営

カクヤスグループの佐藤順一 会長 兼 CEOは5月22日、カクヤスの小型出荷倉庫(SS:サテライトステーション)について「今年は10カ所増設し、小型飲食店のニーズに対応する」と発表した。

同社の小型出荷倉庫は、首都圏を中心に点在する約200m2(60坪)規模の配送拠点を指す。半径2キロ中心に、飲食店の即配を担保する流通システムで、コロナ禍を境に増設。コロナ前が都内に23拠点だったところ、倉庫の増設と人員採用を並行して進め、約60カ所まで増やしたという。

<佐藤会長>

小型出荷倉庫の増設について、佐藤会長は「コロナ後、大型外食チェーン店の売上が7割ほどしか回復していない一方、個人店の売上はコロナ前の数字を超えている。その理由について考えた。

小さな飲食店では、どのようなマスターが商売をしているかが分かり、なじみの客には融通を利かせることがある。一方、大手はすべてシステムで運用しており、店長もすぐに変わる。こうした事例から、顧客の来店動機が、個人店の方が高いことが明らかになった。個人の飲食店が回復し、宴会中心の大型店がまだ苦労している状況に、カクヤスとしてどう応えるかが課題だ。

個人店の特徴として、マスターが料理を作り、客の相手もすることから、酒類のオーダーロスが多発する。このゾーンをいかに獲得していくかが重要。サテライトの増設によって、飲食店の注文忘れに応えられるようになった。今年1年は10カ所強ほど増設し、物流の整備によって、とっさのニーズに応えていく」と背景を明かした。

また、倉庫を置く場所についてはこう説明している。

「店舗を出店する場合はロケーションが大事だが、カクヤスのサテライトの場合は、車付けしやすいことだけが重要。トラックで積み残しをしている間も、ほかの車が自由に通行できるようにする。その目線で物件を選ぶ。ここで商売は無理でしょうといわれるような立地も、我々にとってはありがたい」と語った。

<前恒内社長>

前恒内洋行 社長 兼 CFOは「既存店の小型出荷倉庫への再編もしている。再編も含め、10拠点を増強する。我々は、売上の85%が配達のため、配達人材の確保が重要だ。自動車免許がなくても募集している。

23区内で細かく商品供給するため、1拠点あたりの配送エリアがどんどん小さくなってきている。そのため、免許がなくても台車やリヤカーでも配送が可能だ。配送距離の短さが競合他社との差になる」と述べた。

取材・執筆 古川勝平

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